新加入 石井優輝 インタビュー「純粋に、サッカーを楽しみたい」

新加入 石井優輝 インタビュー「純粋に、サッカーを楽しみたい」

明治大学サッカー部でキャプテンをつとめた石井優輝。輝かしいキャリアに見えるが、キャプテンを務める中で、「サッカーが楽しくない」と悩み、卒業後にサッカーを辞めることも考えていた。その葛藤とクリアソンへの加入を決めた経緯を聞いた。

この熱量では、クリアソンに勝てない

Q. クリアソンとの出会いは、いつごろですか?
大学3年生の4月ごろです。就職活動をひかえる明治大学のサッカー部3年生に向けて、岡本達也さんにセミナーを開いていただいたのが最初ですね。あと、自分は試合には出ていませんでしたが、4年生のときにはクリアソン新宿と練習試合をすることもあったので、就職活動とサッカーの両方で少しずつ接点がありました。

Q. クリアソン新宿との練習試合は、どうでしたか?
僕たち明治とクリアソンとで、目の前の試合に対する熱量の違いを大きく感じました。一つ一つのプレーに対する「こだわり」や「勝ちたいという想い」が、クリアソンは強くて、そして当然のように明治は負けました。僕はキャプテンとして、試合後のミーティングで「この熱量では勝てない」と、チームメイトに訴えかけました。

さっきも言った通り僕は試合に出ていなかったんですけど、それでも、伝えないと何かまずいと思うくらい、クリアソンの熱量を感じました。敵でありながら、僕は熱くさせられていましたね。

Q. キャプテンをつとめたということですが、キャプテンになったのはどんな経緯でしたか?
同期からの推薦と、あとは自分の意志です。同期から言われたことは、「ダメなことをダメと言える」「チームの変化に気づくことができる」という部分でした。言葉にすると当たり前のことですが、周りからそう思われてることは、素直に嬉しかったです。

写真提供:明治大学サッカー部

自分の意志というのは「俺がやんなくちゃいけない」という使命感でした。もともとは、キャプテンになりたいという感じではなく、先輩から「来年は、石井がキャプテンか?」という言葉をもらうことや同期の言葉で少しずつ芽生えていったという感じです。

タイトルを獲れるのか?

Q. キャプテンとしての1年間は、どうでしたか?
就任当初は、特に悩むことなく活動していました。けど、夏の全国大会である総理大臣杯では予選で負け、本戦に出場できず、さらに自分はケガをしてピッチにも立っていませんでした。明治は例年、本戦への出場はもちろんのこと、5年連続で決勝に進出していたので、予選敗退という結果はショッキングで、ここからが苦悩の始まりでした。

僕が4年生のときは、創部100周年という記念すべきタイミングでもあったので、もし「タイトルが獲れなかったら…」というプレッシャーを感じ始めました。

写真提供:明治大学サッカー部

さらに、ケガから復帰したものの自分が試合に出られない状況もあり、卒業後の進路にも悩みを抱えるようになりました。一般企業の内定はありましたが、小さいころからの目標であるプロになりたいという想いは消えず、辞退しました。でも、現実はプロから声がかからず、焦っていましたね。プロか、あるいは一般企業への内定が決まる同期の存在もその焦りを加速させていました。

「タイトルを獲れるのか?」「試合に出られず、自分の進路はどうなるのか?」そんな悩みが自分を襲い、正直、まったくサッカーを楽しめていませんでした。ただ、キャプテンだったので、悩みを抱えながらサッカーをしていることを感じ取られないように頑張っていました。

でも、卒業後に後輩からもらったメッセージの中に「石井くんがサッカーを楽しめていないように感じていました」と書かれていました。これを見て、毎日一緒にいる仲間には、本音が伝染するのだと反省しました。キャプテンとして、自分の悩みを仲間に感じさせてしまっていたことも、明治が勝てなかった要因なのかなと思います。

そして、12月に最後の全国大会が迫る中、試合に出られるようになったものの、プロから声がかからないという状況と、純粋にサッカーを楽しめていない状況に、卒業後はサッカーを辞めようと心に決めました。就職活動については、自己分析や企業研究などを自分なりにしていたものの、どこか本気になれていない状態でした。部活動を終えてからの方が自分と仕事に向き合えると思ったので、1年遅らせようと決めました。それからは、明治のために僕のサッカー人生を懸けて、最後の大会に挑む覚悟ができました。

「やりたいと思うならやったらいい」

サッカーを辞めることを決めていた中で、なぜクリアソンでサッカーをしようと思いましたか?
引退後は、まったく身体を動かしていませんでした。サッカーから解放されたというか、抱えていたものがなくなり、ホッとしていました。

そんな状況で、今年の1月に明治大学サッカー部の監督である栗田さんから電話があって「卒業後、社会人でサッカーをしてみたら?」と提案をいただいて…。その言葉をきっかけに、もう一度サッカーをすることについてを悩むようになりました。そして、改めて栗田さんと電話をしたとき「もし社会人でサッカーをするなら、クリアソンがいいです」と伝えさせてもらいました。

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