11/18(土) JFL第29節 vs ヴェルスパ大分|マッチデープログラム掲載 岡本達也インタビュー番外編

11/18(土) JFL第29節 vs ヴェルスパ大分|マッチデープログラム掲載 岡本達也インタビュー番外編

ホームゲームで配布する「マッチデープログラム」。そこに掲載されるインタビュー番外編を、試合前にWebでお届け。

今節のヴェルスパ大分戦の表紙とインタビューを飾ったのは、背番号50番 岡本達也。高校、Jリーグ、大学、2度目のJリーグと、異色の経歴を辿ってきたベテランFWにクリアソンでの9年間や自身のキャリアについて聞いた。


―今季がクリアソンでの9年目となりますが、そもそも加入するまでにはどんな経緯があったのでしょうか。

大学卒業後、水戸ホーリーホック、ガイナーレ鳥取で2シーズンずつプレーして、鳥取での2年目にはキャプテンも任せてもらっていました。

ただ鳥取がそこまで財政的に余裕がなく、チーム方針として若い選手主体でやっていくというところで「来季も契約したいけど予算がない」というような状態で契約満了になりました。

そこで他のチームを探すことも考えましたが、プロサッカーの世界で自分のためにサッカーをやるということに疲れてしまって。

いろいろな人と繋がって感情を共有できる大好きなサッカーを、自分の契約のためだけにやっているような感覚がありました。そのタイミングで引退して終わりにして、ビジネス一本で生きていこうと就職活動をしていました。

その時にクリアソンに出会いました。ただ、最初はサッカーをやる気はなかったんです。でもクリアソンはその時からサッカーという手段を使って人と人とを繋いで世の中を豊かにしていこうと本気で考えていました。ここでなら自分のサッカーを誰かのため社会のために使えるかもしれないと魅力を感じ、5人目の社員として入社し、選手としても再スタートしました

―誰かのためにということが重要だった

自分が頑張っていることが、誰の何につながっているのかというのはすごく大事で。それが自分のためというのもいいんですけど、たくさんの人や世の中のためになっていると思えた方が絶対に楽しいし、幸せも感じられると思います。

だからこそ今も続けられている部分がありますし、入った時の想像を遥かに超えて面白くなっているなとも思います。

―クリアソンらしさというのはどんなものですか。

「信じたことを、馬鹿みたいに全力以上でやろうとし続ける」ことと「自分のためだけでなく、仲間やチームのために考えて走って声を出せる」という2つですね。良くも悪くも真っ直ぐなところ。

―利他の精神はクリアソンの特徴でもあります。以前のインタビューでは、池谷選手は利他の前に利己を持ってくることを意識しているという話がありましたが、岡本選手はどのように考えていますか。

僕は自利利他という言葉が好きで、池谷の言っていることにも近しいんですが、自分のためにやっていることが仲間のためになるみたいなイメージです。

仲間のために走ることが犠牲ではなく、仲間を助けたい、仲間を助けられる自分でいたいという欲求があると思っています。

クリアソンは利己の中に「人のために」という部分が入っている人が多くて、仲間のためになっている状態が嬉しいんです。そういうところが自利利他とマッチしているなと思います。

―今季限りで、同い年の上田選手が引退することを発表しました。岡本選手もベテランの域に入っていますが、選手としてのキャリアについてはどのように考えていますか。

康太(上田)もそうだし、ジュビロ磐田の八田(直樹)もそうだし、ユースから一緒にプロになったメンバ―が全員今年で引退してしまうので寂しさはありますね。

引退については、いつまでやるのか聞かれることもあって、いろいろ考えた時期もありました。ただ考えても意味がない、決めた時点で自分の蓋になってしまうと思います。

自分がプレーヤーとしてクリアソンという船を前に進められる限りプレーヤーでいたいと思いますし、ビジネスに絞った方がクリアソンの力になれると自分も周りも思ったならそうした方がいい。

現時点では身体もまだまだやれる状態ですし、先のことは考えてもわからないので、一日一日やって、いずれ「これがその日だな」という日が来るのかなと思います

―クリアソンとしてJ3に昇格することができれば、岡本選手としても3度目のJリーグ入りとなります。感慨深さはありますか。

そこにあまりこだわりはなくて「だからどうした」という感じではあります。ただ3回Jリーガーになる人はなかなかいないですし、自分がこういう生き方もあるんだと見せたいですね。

高卒でプロになって2年で契約満了になったというところを切り取ると、サッカー界で言えば負け組なんだと思います。それでもサッカーというツールを使って、これだけ味わい深い人生を歩めている。

世の中、人生が思い通りになる人なんてほんの一握りですけど、それでも幸せになれるというのは示したいです。

僕はこれまで一番になったことがなくて、同世代なら本田圭佑や岡崎慎司(シント=トロイデン)、Jリーグなら西川周作(浦和レッズ)がいて、彼らをトップで活躍した選手とするならば、自分は途中でその道からはフェードアウトしました。でも、その人たちに負けないくらい、それ以上に幸せで豊かな人生を歩めているので、そういう生き方もあるということを示せるんじゃないかと思います。

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