7/23(日) JFL第17節 vs 沖縄SV|マッチデープログラム掲載 須藤岳晟インタビュー番外編

7/23(日) JFL第17節 vs 沖縄SV|マッチデープログラム掲載 須藤岳晟インタビュー番外編

ホームゲームで配布する「マッチデープログラム」。そこに掲載されるインタビューの番外編を、試合前にWebでお届け。

今節の沖縄SVの表紙とインタビューを飾ったのは、キャプテン須藤岳晟。シーズンを折り返して一発目のホームゲームに合わせて、今季を振り返ってもらった。


ー今季は前半戦が終わった時点で勝ち点22、昨季よりも勝ち点では13多く、昨季からの成長が感じられます。その要因の一つに、クリアソンが積み重ねている文化に、新加入の選手たちが馴染み力を発揮できていることがあると思います。

「何より、新加入のメンバーの人間的な部分が素晴らしいというところですね。Jリーグから来た選手、体育会から来た選手が、自身がサッカー人生の中で成功体験、挫折、悔しさ、違和感と向き合って、『自分が大切にしたい』と思ったことと、クリアソンが目指していることが重なっているんだろうなと。もう一つは、元々いたメンバーが、コミュニケーションを取りながら『チームがこうなってほしい』ということを伝えてくれているのが大きいと思います。『新しい選手たち、よろしくね』ではなく、元々いた選手たちがリーダーシップを発揮していることが、昨年からの成長につながっていると思います。」

―コーチングスタッフにも新たにメンバーが加わりました。

「このクラブは、掲げている理念が存在意義だと思っているので、そこに対してナリさん(成山一郎監督)が道理を立ててくれていて、キタジさん(北嶋)もそれを学びに来たと言ってくれていて、そこを大切にしてくれています。この存在意義をピッチの上で表現するための、スタッフ陣のチームワークも抜群で『世界一になるために何が必要で、どう整理しなくてはいけないのか』というところに異常なくらい向き合ってくれています。そういう『考える基準』というところでは選手として負けてられないなと思います。」

―新加入では、佐野翼はここまで7ゴールを挙げていますが、どう映っていますか。

「ポッポ(佐野)はめちゃくちゃ信頼しています。点を取ってくれるという結果の部分も重要ですが、どんなに試合内容がうまくいっていなくても、誰よりも前線から走って守備をするし、ハーフタイムに意見を求めても『自分があのワンチャンスを決めていれば変わった』とか「少ないチャンスでも自分が違いを出せれば』とか、常に自分がやるべきことに集中し、それがチームのためになることを知っています。誰かのせいにして足を止めることがないというのもクリアソンらしい。点を取ってくれるからではなく、そういう姿勢をすごくリスペクトしているし、頼りになる、刺激になると感じています。」

―最後尾の浅沼優瑠も、全試合に出場し素晴らしいパフォーマンスを見せています。

「パフォーマンスで助けられている部分もありますが、その手前にある『心』みたいなものが大きいなと感じています。試合中は、特に集中が切れそうなタイミングをわかってポジティブな言葉を発してくれますし、練習中でもずっと声をかけ続けています。変なプライドみたいなものがなくて、誰の意見も聞くし、やったことないことにもチャレンジするし、そういう人間性がピッチ上のここぞの場面での活躍につながっているんだと思います。」

―DFラインも安定感が増してきたように思います。

「クリアソンは『お互いの強みを生かし合うこと』を大切にしています。世界一になるために、個人の基準を上げてなくてはならない部分もありますが、強みを生かし合って、自分たちよりも上の相手を倒すというのはこれまでもやってきたことです。今のDF陣では、ヨネちゃん(米原)が真ん中に入ると空中戦では絶対負けないというのを示してくれていますし、翔登くん(鈴木)は対人能力が高く、足元も安定感もあります。おかげで僕は、全体への声かけやビルドアップを特徴として発揮するような試合が増えています。他のメンバーが入っても、それぞれの持っている強みを生かすことができるはずなので、そういうクリアソンの文化は重要だなと思っています。」

―前半戦の14試合を振り返ると、第8節のFCティアモ枚方戦からの5連勝は大きかったと思います。その中には「西が丘3連戦」もありましたが、ホームの声援は力になっていますか。

「スタンドの雰囲気が温かくてエネルギーをもらっているなとすごく感じています。手強い相手とのギリギリの戦いの中では、90分間勝利だけに集中できるかが大切ですが、ブレることもあります。自分たちは『闘う、走る、声を出す』を体現して、感動を生み出すんだという意気込みでやっていますが、そこでスタンドから『ナイスプレー』って声をかけてもらえたり、うまくいかなかったプレーにも拍手をもらったりして、そういう時に再び勝利に集中するためのパワーをもらっている感覚があります。対戦相手へのブーイングもまったくなく、リスペクトを感じてすごくポジティブな気持ちになれます。」

ー優勝に向けては、応援してくださる皆さんの力が必要不可欠だと思います。会場で応援してくださる方々にはどのような思いがありますか。

「昨年、あれだけ勝てなかった中でも温かい拍手と声援を送り続けてくださって、こんなにも素晴らしい方々が自分たちを応援してくれているんだなというのをすごく感じました。自分たちは理念が一番大切なので、勝利がゴールではないですが、勝利によって生まれるもの、届けられるものがあるとも強く感じています。世界一に近づいていくために戦い続けて、勝ち続けて、皆さんと一緒に笑顔を共有していきたいです。大切なのは『何のために勝ちたいか』です。その勝ちたい理由は常に『理念』で、それを誰に届けたいかと聞かれれば、それは応援してくださる皆さん、そして、まだ僕たちのことを知らない人たちにもです。その理念をブレずに体現し続けて、関わる人たちの人生が豊かになっていくきっかけにクリアソンがなることが一番嬉しいことだなと、僕は思っています。そういう瞬間を作ることができるように、頑張りたいなと思います。」

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