最終盤に決定機つくるも、スコアレスドロー。|選手が書く!マッチレビュー 地域CL 決勝ラウンド vs FC.ISE-SHIMA 文=#3 井筒 陸也

最終盤に決定機つくるも、スコアレスドロー。|選手が書く!マッチレビュー 地域CL 決勝ラウンド vs FC.ISE-SHIMA 文=#3 井筒 陸也

11月26日 (金)
全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2021
決勝ラウンド 第2節

■ 試合結果
Criacao Shinjuku 0(0-0、0−0)0 FC.ISE-SHIMA

■ 得点(アシスト)
なし

■ メンバー
<スタメン>
GK:26岩舘
DF:2瀬川、3井筒、15米原、51小林
MF:8須藤、13高橋(滉)、16伊藤(大)、17池谷、20樋口
FW:19大谷

<サブ>
1阿部、25千葉、23西山、24森村、27岡野、9原田、50岡本

■ 交代
59分 伊藤大 ⇒ 岡本、須藤 ⇒ 西山、池谷 ⇒ 森村
86分 大谷 ⇒ 原田


■ マッチレビュー(文= #3 井筒 陸也)
地域CL決勝ラウンドは第2節も、会場は東京・西が丘。勝てば2位以上を確定させられる重要な一戦。相手はFC.ISE-SHIMA。

地域リーグで1位になれずに輪番枠で出場するも、1次ラウンドでは本大会常連の福井ユナイテッド(北信越)を破り勝ち進んできた。名古屋グランパスなどで活躍した小倉隆史氏が監督をつとめるクラブでもある。

試合前のミーティングで、第1試合のおこしやす京都AC vs FC徳島を観戦していた監督の成山から、こんな話があった。「いつの間にか試合を観ながら『クリアソンが勝った京都と同じく初戦を落とした徳島、どう出てくるだろう』と、高みの見物に耽っていた。こういう意識は本当に危ない。」と。

まだ、自分たちが何も成し遂げていないことを再確認して、試合に臨んだ。

立ち上がりからの堅い展開は、初戦と変わらず。総当たりのリーグ戦とは言え、ほとんどトーナメントのような緊張感がある地域CLでは、オープンなゲームにはなりづらい。京都戦と比べるとFWに背負われる回数は幾分か多いが、その割にはゴール前でシュートを打たれる場面は皆無。

攻撃では、長く粘り気のある西が丘の天然芝の上で、ビルドアップでDFから丁寧にというよりは、中盤は省略して長いボールを入れ、拾ったボールをサイドへ供給。クリアソン新宿のストロングである、瀬川(#2)、高橋滉(#13)のドリブルからクロス、あるいはコーナーキック獲得を狙う。

しかし、相手の能力も高く、関東サッカーリーグのときほどスムーズに相手コートの最深部までは侵入できない。時折、ショートカウンターも見せるが、こちらも大谷(#19)、伊藤大(#16)だけで完結させるのは難しい。

京都戦は、1次ラウンドでのリベンジに燃え、さらに関東 vs 関西は世間的にも注目のカードだった。久々の有観客ということもあり、自動的にテンション高まる試合だった。今節ももちろん気合は入っていたが、初戦に比べると勢いが不足した感もあった。素晴らしいプレーはいくつもあったが、得点には至らず。スコアレスで折り返す。

後半が始まると、すぐの14分。須藤(#8)、池谷(#17)、伊藤大(#16)をベンチに下げ、西山(#23)、森村(#24)、岡本(#50)を投入する3枚替えを敢行。強気で交代カードを切るのは、クリアソンの代名詞。少し空気が変わった。

森村、岡本がサイド攻撃に絡み、縦のレーンで分断していたWBと中央の選手をつなぐ。西山は守備陣と協力して奪ったボールを自陣から堂々と持ち運び、今度はDFと前線をつなぐ。

徐々にゴールの匂いがしてくると、後半33分、森村がミドルシュートを放つがわずかに枠の右。37分には、バイタルエリア付近での混戦をうまく回避し、最後は大谷が決定機を迎えるがバーの上。

続く後半44分には、ロングスローの流れからゴール前で高く上がったボールを、岡本が相手のプレッシャーを受けながらも真芯で捉える技ありボレー。しかし、これはGKに弾かれる。

その後は、ほどんど相手陣内でプレー。チャンスのときには、スタンドから自然発生的に手拍子が起こるなど舞台は整っていた。しかし、スコアに跳ね返るほどの実力差は見せられずタイムアップ。スコアレスドローで終わった。

勝ち点はクリアソン新宿とFC.ISE-SHIMAが4、おこしやす京都ACが3、FC徳島が0となった。次の対戦では引き分け以上で、地域CL2位以上が確定。

泣いても笑っても、今年、このチームでの試合は最大であと2試合。JFL昇格はもちろんのこと、今年のチームでしか表現できないサッカー、感動があるはず。東京でのラストゲーム、全力で闘います。

 

■ レビュー担当 井筒のコメント
クリアソン新宿を支えてくださっている皆さま、いつもありがとうございます。背番号3 井筒陸也です。

スコアレスドローで終了の笛が鳴ったとき、僕は「みんな、ナイスだったよ」と声をかけました。

勝てはしなかったものの、最後まであきらめずに闘って、貴重な勝ち点1を積むことができたからです。何も悲観することはない、次につながるゲームでした。

ただ振り返ってみると、この日のこの感じでは、きっと勝つことは難しかったのではないか。そんな気もしています。アバウトな表現になりますが、内側から何かを爆発させるような、そうした感覚がなかった。

その爆発する感じ、それが何なのか。そうした状態になれなかったのは何故なのか。帰りの電車の中で、ずっと考えていました。暫定の答えですが、昨日は、サッカーの勝ち負けを超えて、やはり誰かに何かを届けようとする意思が、少しだけ足りなかったように感じます。

サッカーの勝ち負けは、ピッチ内で完結します。しかし、誰かに何かを届けるということは、そうではありません。届ける側は、自分の表現を遠くまで飛ばす覚悟が問われますし、届けられる側の人たちも、ただ待っているだけではなく、クリアソン新宿のサッカーから何かを受け取ろうする態度が必要になります。そうして、お互いがお互いを引き出しあっているとき、本当に強いクリアソン新宿になります。

FC徳島戦も、自分一人では、選手たちだけでは勝てない瞬間が来るはずです。そのとき、クリアソン新宿を信じる人たち全員で闘うことが求められます。力を貸してください。

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