「プレー以外の全ての面から貢献する。」東京大学運動会硬式野球部齋藤さん

第10回リレーブログ「学生スタッフキャラバン presented by Criacao」 を更新しました。

学生スタッフキャラバン presented by Criacao

全国の学生スタッフがリレー形式で「学生スタッフが与える価値は何か」「自分自身は、その価値をどのように体現するのか」という2つのテーマについて、自身の言葉で書いてもらいます。これは、弊社の理念である「スポーツの価値を通じて、真の豊かさを創造し続ける存在でありたい」を、体育会の現場から紐解いて頂きます。

第10回は、東京大学運動会硬式野球部学生スタッフの4年生齋藤周(さいとう あまね)さんです。

東京大学運動会硬式野球部 4年 齋藤周
選手として東大野球部に入部し、2年夏から学生スタッフに転向しました。データを用いた相手の分析や選手の技術向上のサポートのほか、練習でのノックやスカウト活動、広報活動なども行っています。
役職
学生スタッフ
データアナリスト

写真中央:齋藤さん

「学生スタッフが与える価値は何か」
「自分自身は、その価値をどのように体現するのか」

はじめまして。東京大学運動会硬式野球部にて学生スタッフ兼データアナリストとして活動しております齋藤周と申します。弊学女子ラクロス部でスタッフをされている高木さんと以前同じクラスだったご縁から、今回記事を書かせていただくことになりました。どうぞよろしくお願いします。

 

「判断」と「決断」。似たような言葉ですが、あらかじめ正解が決まっているのが「判断」、事前に正解はなく、自分が選んだ選択肢を正解にしていくのが「決断」だと思っています。そのため、「判断」は時間をかけて必要な情報を全て集めてから行う、「決断」は一晩寝ても結論が変わらなければすぐに行う、というマイルールがあります。

ぼくが選手から学生スタッフに転向するという「決断」をしたのは、大学2年の夏の終わりのことでした。「どうしてスタッフに転向したの?」と聞かれることがよくあり、「ケガをしたから」と答えるようにしているのですが、ケガを治して再びプレーすることもできたわけで、本当のところは自分でもよくわかりません。なんとなく直感的にその方がいいような気がしてきて、一晩寝てもそれが変わらなかったから、というのが正直なところです。入部してから一度も公式戦で勝てていなかったことも、影響していたのかもしれません。

とはいえ、当時は上級生のスタッフも多く、ぼくの存在意義がどこにあるのか、なかなか見つかりませんでした。そんな時、転機となったのが、六大学リーグへのトラックマン導入でした。トラックマンとは、野球の試合における様々なデータを自動で取得できる機械のことです。それまでパソコンを使うのは得意ではなく、エクセルすらうまく使えないようなレベルでした。しかし、「データ分析という専門性を作ることで、チームに必要な人材になれるかもしれない」との思いで、プログラミングを勉強したり、スポーツにおけるデータ活用の本を読んだりしました。

3年生になる頃にはデータ分析にも慣れてきて、試合前のミーティングで少し発言したりするようにもなりました。また、ぼく自身が内野手出身だったので、内野ノックを練習することや、内野守備に関する知識を勉強して、内野という専門性も身につけようと取り組んでみました。

しかし、3年生の春秋のシーズンでも、入部当初から続く連敗を止めることはできませんでした。コイントスの表裏のように、勝つか負けるかというたった2つしかない結果の中で、負けが60回近く続くのは本当に苦しいことでした。「まして、プレーすらしていない自分の存在価値はどこにあるのだろう」と自問自答する日々でした。

そんな中、チームの中心として活躍されていた一つ上の先輩から、引退する時にこんな言葉をもらいました。
「自分が思っていることを、もっと積極的に発信してほしい」

特別な言葉ではないのかもしれません。しかし、自分の分析など必要としていないだろうと勝手に思っていた中で、先輩からこうした言葉をいただき、「ラストイヤーはとにかく周りに影響を与えていくことにこだわろう」と思ったのを覚えています。

そこから、はや10ヶ月が過ぎました。思考を言葉に、言葉を行動に移すことで、東大野球部にいい影響が与えられるよう、自分なりに取り組んでいます。勝敗を決める試合において、プレーで直接的に貢献できる選手とは異なり、学生スタッフという立場は、試合が始まったら基本的にはどうすることもできません。選手から転向した当初は、とにかくそれがもどかしく感じました。しかし逆に言えば、自分のプレーのことを常に考えなければならない選手とは違い、いつもチームの勝利のことを考え、プレー以外の全ての面から貢献できる。そこが学生スタッフの面白さではないか、と最近では感じるようになりました。

とはいえ、東大野球部に所属しているという話をするといつも「どのポジションを守っているんですか?」と聞かれて、「選手ではなく、スタッフをやっています」と答えることには、いまだに後ろめたさのような何とも言えない感情があるのも事実です。選手たちのプレーに対する姿勢に負けないくらい、チームの勝利に対して真剣に向き合い、「学生スタッフをやっている」と自信を持って答えられるように、残りわずかな期間を過ごしていきます。9月から始まる最後のリーグ戦、ぜひご注目ください!

体育会部活に向き合ったクリアソン社員

最後まで読んでいただいた皆さま、ありがとうございました。クリアソンにも体育会での活動に向き合ったメンバーがいます。そんなメンバーの想い、部活と就職活動についてなど、紹介した記事がありますので、気になる方はこちらも是非ご覧ください!!

原大祐
京都大学男子ラクロス部出身 2015年卒業 
学生トレーナーとして活動し、新卒で大手総合商社へ
~紹介記事~
【いつから就活を始めるべき?】クリアソン原と一緒に正解を探そう!

池谷友喜
中央大学サッカー部出身 2018年卒業
就活と部活の両方に本気で向き合い、卒業後はJリーガーに
~紹介記事~
就活を経験し、BチームからJリーガーに這い上がった話

米原祐
関西学院大学サッカー部出身 2017年卒業
4年次には主将を務め、卒業後はJリーガーに
~紹介記事~
Jリーガーになって気づいた本当の原動力は