「スポーツ産業にイノベーションをもたらす経営人材に」一橋大学ア式蹴球部長島さん

第9回リレーブログ「学生スタッフキャラバン presented by Criacao」 を更新しました。

学生スタッフ キャラバン presented by Criacao

全国の学生スタッフがリレー形式で「学生スタッフが与える価値は何か」「自分自身は、その価値をどのように体現するのか」という2つのテーマについて、自身の想いを書いてもらいます。これは、弊社の理念である「スポーツの価値を通じて、真の豊かさを創造し続ける存在でありたい」を、体育会の現場から紐解いて頂きます。

第9回は、一橋大学ア式蹴球部学生スタッフの2年生長島直紀(ながしま なおき)さんです。

一橋大学ア式蹴球部2年 長島直紀
1年時には戸田和幸監督のアシスタントとして指導の現場に立ちながら、クラブの組織改革をリーダーとして遂行。PSB(ぴあスポーツビジネスプログラム)でスポーツビジネスを本格的に学び、2年となった今年からは事業本部長として大学クラブの域を超えた活動を展開中。
役職
学生スタッフ
事業本部長

写真左:監督 戸田和幸さん 写真右:長島さん

「学生スタッフが与える価値は何か」
「自分自身は、その価値をどのように体現するのか」

大学スポーツの振興、大学スポーツの価値向上。

これらは文部科学省が掲げるテーマです。大学スポーツは国を挙げて盛り上げていくべき分野である、そんなメッセージにも聞こえます。

文部科学省スポーツ庁は、「スポーツビジネスの拡大」及び「スポーツの成長産業化」を推し進めています。産業の発展により社会は人類の需要を超える生産能力を手にし、今や物質的な豊かさは飽和状態にあると言えます。人口が減少傾向にある日本において、物質的な価値はどれほどの価値を持つのか、そんな疑問が頭をよぎる中「情緒的価値」が市場に大きな影響を与えることを政府は期待しているのではないでしょうか。

だからこそ、スポーツビジネスを名指しで取り上げているのだと私は考えています。そして、一つの重要なトピックとして大学スポーツがその潜在力を期待されているのです。ここまでは聞いたことがある、知っていたという学生も多いかと思います。

文部科学省は、さらに細かく指摘をしています。

大学スポーツ振興における課題として「スポーツマネジメント人材の育成」「大学スポーツ振興のための資金調達力の向上」を挙げているのです。つまり、大学スポーツには「経営人材」と「お金を生み出す力」が不足しているということです。この課題に向き合い解決に近づけば、大学スポーツの未来はさらに面白くなるのではないでしょうか。

さて、長い前置きが済んだところで、今回のテーマである「学生スタッフが与えるスポーツの価値」「その価値をどう体現するか」について自分の想いを書いていきたいと思います。

「学生スタッフが与える価値」は様々です。そこに普遍性は必要ないと思うので、ここでは私が発揮したい価値を、理想ではありますが、「学生スタッフの価値」として語りたいと思います。理想が現実になることを信じて。

私が発揮したいのは「スポーツ産業にイノベーションをもたらす経営人材」としての価値です。私はその手始めに、スポーツ産業における重要なテーマである大学スポーツにおいて、革新的な取り組みを展開していきます。

私は現在、一橋大学商学部で学問としてビジネスを学び、一橋大学ア式蹴球部でサッカーとクラブについて学び、PSB(ぴあスポーツビジネスプログラム)でスポーツビジネスを学んでいます。経営・マーケティング・ファイナンス・会計・経済学などビジネスにまつわる分野を学部で幅広く学びながら、スポーツビジネスというビジネスの中でもユニークで専門性の高い業界を並行して学ぶことで、所属するア式蹴球部でプロスポーツビジネスからインプットした様々なフレームワークやケースを応用してアウトプットすることができる、そんな恵まれた環境で活動ができています。

具体的な取り組みを2つ紹介したいと思います。

一つは「『経営組織論』の考え方に基づいた組織構造の改革」です。経営組織論自体についての説明は省略しますが、実際の施策としては、「クラブの価値創出能力向上を目的とした機能別組織から事業部別組織への部分移行」や「MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の確立を通してプロジェクトチーム制を機能させる施策」などがあります。組織論に限らず、マーケティングなどのフレームワークも十分アマチュアクラブに適用できると感じています。商学・経営学において日本最高峰を誇る一橋大学で勉強ができることは、クラブ経営においても強みとなることを実感しています。

もう一つが「スポーツスポンサーシップの追究」です。ここ最近、大学のクラブでも企業とスポンサー契約を結ぶケースが増えてきました。しかし、私が思うに現在大学クラブと企業との間で結ばれ執り行われるスポンサーシップは「寄付」でしかないものが非常に多く、プロスポーツビジネスと比べると何十年も時代遅れのものとなっています。現代ではスポンサーシップは「パートナーシップ」と呼ばれることが増え、クラブと企業はビジネスパートナーとしての関係性をより強めています。その一方で、大学クラブにおけるスポンサーシップは未だ胸に企業ロゴを掲出するといった、広告露出価値に固執しています。というよりも、「スポンサー=ユニフォームへの企業ロゴ掲出」という前時代的な考え方からのアップデートがほとんど進んでいないのです。スポーツスポンサーシップという分野はとても奥が深く、クラブの取り組みとアイデア、ノウハウの獲得によってアマチュアクラブでも十分開拓できます。チケット収入と放映権料が得られない大学クラブにとってスポンサーシップは、問題とされている資金調達に対して有効かつ現実的な解決策になりうるのです。日本の体育会学生でポンサーシップに最も精通している内のひとりである、そう言えるくらい学んできた自負が私にはあります。先行事例を作れるよう、現在一橋ア式蹴球部にて全力で取り組んでいます。また近いうちに良い結果を報告したいと思います。

スポーツ産業と大学スポーツの背景と課題を考えたとき、大学スポーツ業界のマネジメントのレベルを上げるような「経営人材」とアマチュアを超えたレベルで「お金を生み出す力」を持ったクラブの出現が欠かせません。これを適える人材として私は名乗りを上げたいのです。そして、スポーツ産業界全体に影響を及ぼせるほどの人材へと、ステップアップしていきたいのです。

大学スポーツという場所が、産業を牽引するような人材が多く生まれる環境になれば、最高に価値があると思いませんか。学生スタッフだからこそ取り組める領域も数多くあります。

私は大学スポーツの振興、価値向上に、スポーツマネジメント、スポンサーシップの観点からこれからも精一杯取り組んでいきます。

体育会部活に向き合ったクリアソン社員

最後まで読んでいただいた皆さま、ありがとうございました。クリアソンにも体育会での活動に向き合ったメンバーがいます。そんなメンバーの想い、部活と就職活動についてなど、紹介した記事がありますので、気になる方はこちらも是非ご覧ください!!

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