「残り半年。日本一になるために」早稲田大学庭球部 小林さん

第22回リレーブログ「学生スタッフ キャラバンpresented by Criacao」 を更新しました。

学生スタッフキャラバン presented by Criacao

全国の学生スタッフがリレー形式で「学生スタッフが与える価値は何か」「自分自身は、その価値をどのように体現するのか」という2つのテーマについて、自身の言葉で書いてもらいます。これは、弊社の理念である「スポーツの価値を通じて、真の豊かさを創造し続ける存在でありたい」を、体育会の現場から紐解いていただきます。

第22回は、早稲田大学体育会庭球部学生スタッフ4年生の小林匠(こばやし たくみ)さんです。

早稲田大学庭球部 4年 小林匠
高校まで水泳の選手として活動。水泳部のコーチであったOBOGの姿に憧れ、自分自身もスポーツをする人を近くで支えたいと、トレーナーを志望。現在は、約60名の選手が所属する早稲田大学庭球部にて学生トレーナーとして、ウォーミングアップやトレーニング、リハビリ、テーピングなどを担当。庭球部は、学生トレーナー3人、社会人トレーナー1人、コーチ4人の体制で選手をサポートしている。
役職
学生トレーナー

「学生スタッフが与える価値は何か」「自分自身は、その価値をどのように体現するのか」

はじめまして。早稲田大学庭球部にて学生トレーナーとして活動しております、小林匠と申します。今回、「学生スタッフが与えるスポーツの価値」というテーマに対し、私が考える答えは他己成長という価値です。少し馴染みのない言葉になってしまったのですが、「学生」スタッフだからこそ、選手へ与えることができる成長、選手から得ることができる成長があると、感じています。

選手と目線を合わせて

私は、高校まで水泳をしていました。高校2年生の秋から卒業するまで、選手兼コーチとして練習メニューを考え、部員を指導していた経験から、自分自身も成長しながら選手と近い距離でサポートをしたいと考えるようになりました。高校時代は、コーチとトレーナーの違いすら知りませんでしたが、それぞれについて調べるうちに、競技に特化するのではなく選手の体づくり全般に関わることができる方が自分の目指す姿に近いと考え、大学ではトレーナーを志しました。

ラケットの握り方さえ知らなかった私ですが、トレーナーとして多くのスポーツを経験したいという思いから、早稲田大学庭球部に学生トレーナーとして入部しました。庭球部の学生トレーナーは他の部活動とは違い、シフトを組んで部活動に参加するため、バイトや勉強、ボランティアなどをすることが可能であり、水泳と同じ肩のけがが多いという点も、庭球部に入部を決めた理由でした。全国大会を何十連覇もするような強豪で、多くのプロ選手を輩出していることや早稲田大学の体育会の中で2番目に創立された伝統のある部活動です。このような想いで入部しましたが、これまで自分が経験してきた練習環境とは、比べ物にならないくらいの強度や厳しさに圧倒されたことを覚えています。

そのようなこともあり、トレーナーの知識だけではなく、テニスの競技特異性を同時に理解するため、がむしゃらに活動する毎日でした。触れるもの全てが新鮮で、選手の役に立てるトレーナーになろうという向上心に満ち溢れていました。

しかし、月日が流れ、庭球部での生活にも慣れてきた大学2年生の夏、「自分がこのチームにいる意味ってあるのかな」と感じていました。けがが多発し、リハビリやけがの対応に手が回らず、自分の実力不足に嫌気がさして、部活から逃げたいと毎日のように思っていました。例えば、選手にけがの相談をされても、「そのけがにはアイシングをして圧迫をして…」というふうに、ネットで調べれば誰でもできるような対応しかできていないことが苦しかったのを、今でも鮮明に覚えています。この頃から、自分が学生トレーナーとして庭球部に所属する意味について、深く考えるようになりました。

まずはちゃんと選手に向き合おう

実力も十分とは言えない自分に何ができるのか、学生トレーナーとしてどんな役割があるのか、今の自分には何が足りないのか、自問自答を繰り返しました。そして、私が出した答えは、「まずはちゃんと選手に向き合おう」という当たり前のことでした。悩んでいたときの私は、「自分がトレーナーとして、けがをどうにかしなければ」とばかり考えていました。トレーナーとして実力をつけなければと焦るうちに、いつからか、目の前の選手に向き合うというよりも、けがに対して向き合っていたことに気がつきました。同じ学生という立場でありながら、トレーナーとして完璧に指導や対応をしなければいけない先導者の意識になっていたように思えます。

そこから選手に向き合うことを意識して、けがに関することはもちろんですが、その選手のけがに対する考え方やバックグラウンド、練習へのモチベーションといった、今まで見えてこなかった部分まで知ることができました。その結果、ただ教科書通りに対応するのではなく、選手ひとりひとりに合わせた対応を意識できるようになりました。また、「学生」トレーナーだからこそ、選手に近い存在で気持ちに寄り添うことができると思っています。フィジカル面のサポートは、知識さえあれば誰でもできることですが、その選手に歩幅を合わせながら、コミュニケーションを取りながら、メンタル面までサポートすることは、その選手と日常的に活動を共にしている学生である自分にしかできないことだと感じています。こうして、私たち学生トレーナーは、選手へのサポートを通して、日々成長することができているのです。

学生トレーナーとして、選手から学ぶことは多く、4年生になった今でも何も新しいことを得られない日はありません。そして、選手が最高のパフォーマンスができるように、私たち学生トレーナーも今まで培ってきた専門的知識を最大限に還元し、共に歩幅を合わせながら切磋琢磨していくことで、スポーツに新たな「他己成長」という価値を与えることができると思っています。

「日本一になるために」

私たち早稲田大学庭球部は、男女全国大学日本一を目標に活動をしています。そのために、何が必要であるのかという問いに、定まった答えはありません。ただ、部員全員が本気で日本一を目指し、勝ちたいという気持ちを持って、それぞれの役割を全うすることが必要不可欠です。各々の力をかけ合わせ、決して足し算ではない力を発揮することが、私たちが部活動という1つの集団で活動をしている意味ではないでしょうか。トレーナーに限らず、スポーツを支えるスタッフというのは、自分自身がプレーをすることはありません。練習や試合が始まれば、戦う主体となるのは紛れもなく選手自身です。だからこそ、私たちスタッフの最大の責務というのは、その選手たちが最高の状態でプレーができるように全力でサポートをしていくことである、と考えています。

学生トレーナーとして、自分自身の役割を全うしながら、学ぶ姿勢を忘れずに、ラストの半年間を走り抜けたいと思います。ありがとうございました。

体育会部活に向き合ったクリアソン社員

最後まで読んでいただいた皆さま、ありがとうございました。クリアソンにも体育会での活動に向き合ったメンバーがいます。そんなメンバーの想い、部活と就職活動についてなど、紹介した記事がありますので、気になる方はこちらも是非ご覧ください!!

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