就活で企業選びに悩んだ学生が、元Jリーガーに相談してみた話

藤林
こんにちは、筑波大学ラクロス部の藤林です。

20年卒として就職活動していますが、正直どうやって会社を選べばいいのか、自己分析していいのかが全くわからない状態が続いてました。就活サイトを見て、企業選びの方法や自己分析を参考にして色々と試してみたものの、実際にやりながら「本当にこれでいいのか?」と違和感のようなものがありました。

周りが就職活動を進めている中で焦りが生まれてきて、考えることを辞めて友人が受けている会社や、過去の先輩が受けている会社なら間違いないだろうと思って選考を受けるようになっていきました。

岡本
体育会系はどうしても部活と両立して就職活動をする必要があり、自分と向き合う時間が圧倒的に少ないので藤林君のように思考停止状態になってしまうのは、ある意味しょうがないことなのかもしれませんね。

藤林
なんとなく就職活動して、なんとなく第一志望の会社を決めて、志望動機考えなきゃ!と思ってみたものの、なかなか自分の中で志望する理由を書けなくて岡本さんに相談させていただきました。

岡本
相談していただいた時のLINEがこんな感じです(笑)

藤林
うわ、めっちゃ恥ずかしいですね(笑)
この時の僕は、添削してあげるよ~といわれることを想定してました

岡本
だけど…

藤林
まさかのリジェクトでした(笑)



その後、藤林君が送ってくれたLINEがこちらでした。

藤林
めっちゃ恥ずかしいです(笑)
今考えると、この文章は自分の本音でなく生命保険会社に入りたいという気持ちから相手に合わせただけだったなと反省しています。

岡本
相手に合わせることが悪いことだとは思いませんが、あまりにも気持ちが伝わってこなかったので「本当にこれでいいの?」と返信させて頂きました。

藤林
もっと自分の本音で社会と向き合っていきたいと思い、岡本さんと個別で面談させていただくことにしました。

 

目次

・岡本さんと話してわかった僕の原体験

・最後に…

岡本さんと話してわかった僕の原体験

僕は中学校までサッカー部のレギュラーとして活躍していましたが、高校で監督から「お前のプレイスタイルはチームに合わない。だから必要ない」と言われた経験が強く記憶に残っていました。

この言葉に強いショックを覚えた事を今でも覚えています。

その後すぐにケガをして、どうせこれ以上頑張っても意味がないとあきらめてしまい部活を辞めました。これからは部活より楽しいこと探そうと思ってましたが、楽しいのは辞めた次の日だけで、それ以降は本当にこれでよかったのかと悩みながら学校生活を過ごしたのを今でも覚えています。

高校2年生の時にサッカー部が全国大会に出場しました。全国大会で活躍する同期や後輩を見て強い後悔が残りました。自分があの時逃げなければ、夢の舞台に立てたのかもしれないと本当に苦しい思いをしました。悔しくて、情けなくて、涙が止まらなかった。友達はいるのに強い孤独感が消えない。

「誰でもいい。誰かから必要とされる人間でありたい」

と強く思いました。

必要とされる人間になるためには目標に向かって努力することが必要だと考え、必死に勉強しました。結果として筑波大学に合格し、まわりからもすごいねと言われて嬉しくはなりましたが、どこか満たされない自分がいた。やっぱりチームで切磋琢磨しながら努力していく事を自分は求めてる。

そんな中で「日本一を目指す」というキャッチフレーズを掲げるラクロスと出会った。メジャースポーツよりも、ラクロスというマイナーな組織に強い魅力を感じた自分がいた。

「この組織なら自分もレギュラーをとれるかもしれない」という腹黒い感情と、「今まで知らなかった新しいスポーツ」にワクワクする感情の2つが混ざっていた。

そんな感情でラクロス部に入部したものの、高校でスポーツをやっていなかった自分は基礎体力がなく、ずっと3軍でベンチを温める日々が続いた。だけど驚くほどラクロス部での活動は充実していた。

目標に向かって本気で努力できている。
みんなで一つの目標に向かって切磋琢磨できていること。
苦しい事と向き合っていく中で人間としての成長を実感できること。

高校時代に感じていた「強い孤独」を感じることがなくなった。本当に苦しかったけど、楽しかったし充実していた。

そんな中で「組織から必要とされる自分になりたい」と考えて、プレイ面だけでなく様々な角度から部活動に貢献できる道を模索した。
具体的には栄養管理が組織でおろそかになっていたので、スポーツメーカー様にお願いをして栄養セミナーをしてもらったり、サプリメント導入を実施。スポーツには体のケアが欠かせないと考え、多くの接骨院に訪問してプロトレーナー契約して組織に貢献するために動いた。

3年生になってからは、1軍に上がりプレイ面でも貢献できるようになった。組織に様々な貢献をする中で、自分がどんどん組織の中で必要な人材になっていく事を強く実感した。必要だけど人がやりたがらないことってこんなにも価値があるのだと思った。

たったの1時間ではあったが、岡本さんと原体験を振り返る中で自分が何を大切にして生きていきたいのかが見つかった気がした。

①もう2度と後悔したくない。努力することを諦めたくない。
②社会から必要とされる存在でいたい。
③人がやりたがらないことにも価値を見出せる人間でいたい。

だからこそ「あったら便利なもの」より、「必要なもの」を仕事にしたい。
他の人が選ばないような選択肢の中に価値を見出したい。

そんな風に自然と思えるようになった。
まだまだ自己分析が足りない部分もあるが、自分が本当に大切にしたいことが明確になる事で、業界を絞れたり、企業について知りたいことのポイントが見えてきた。ずっと僕が探していた答えは、自分の経験の中にあった。

その後色々と考えた上で通信業界、物流業界を中心にして就職活動をしていく事を決めた。自分の経験から、自分の言葉でこれからは社会と向き合っていきたい。人気・知名度ではなく、自分がどうありたいか・何をしたいのかで会社選びができそうな気がしている。

最後に…


岡本
感情(原体験)からスタートして仕事に熱量をもって取り組むことは大切な事だと僕は思う。やっぱり人間の本質は感情だと自分は信じている。

だけど熱量があるほど、現実とぶつかっていく。
自分もJリーガーになりたいと決めた後の練習が苦しかったし、競争の激しさに目をそむけたくなるような事もあった。Jリーガーになってからも、たくさんの現実と直面してきた。夢が見つかった後に待っているのは、問題や課題の山だけど、夢があるからこそ問題や課題を楽しめる。

だからこそ藤林君には「感情」だけで満足するのではなく、社会理解を深めてビジネス(現実)と向き合ってもらえたら嬉しいです。

藤林
岡本さん、ありがとうございます。今後は感情に満足することなく、社会理解をより深めていけるよう努力します。