「チームや選手を強くする存在に」青山学院大学体育会アメフト部金子さん

第6回リレーブログ「学生スタッフキャラバン presented by Criacao」 を更新しました。

学生スタッフ キャラバン presented by Criacao

全国の学生スタッフがリレー形式で「学生スタッフが与える価値は何か」「自分自身は、その価値をどのように体現するのか」という2つのテーマについて、自身の言葉で書いてもらいます。これは、弊社の理念である「スポーツの価値を通じて、真の豊かさを創造し続ける存在でありたい」を、体育会の現場から紐解いて頂きます。

第6回は、青山学院大学体育会アメリカンフットボール部 3年 金子恵梨菜(かねこ えりな)さんです。

青山学院大学体育会アメリカンフットボール部 3年 金子恵梨菜
高校時代からアメリカンフットボール部のマネジャーとして活動し、3年次には主務に。関東大会出場を目標にチームのマネジメントに積極的に取り組む。大学進学後は同競技の体育会に所属。培ってきたマネジャースキルを活かし、現在は学生トレーナーという役職からチーム、選手のコンディショニングを支えている。
役職
学生トレーナー
広報

「学生スタッフが与える価値は何か」
「自分自身は、その価値をどのように体現するのか」

初めて“女子マネ”の存在を知ったのは私がまだ小学校低学年の頃、当時大学でアメリカンフットボール部に所属していた兄の練習を見に行った時でした。ヘルメットや防具を装着しグラウンドを駆け抜ける兄は普段の何倍も大きく見え、私は、周りの選手たちの熱気や体育会独特の緊張感に飲まれていました。

しばらくすると、多数の巨体の中心から「ラスト10分です!」とひと際大きな声が聞こえきました。輪が解けて現れたのは、小柄な女子マネジャーでした。アメフト選手の厳つい体格やその数に屈することなく、むしろその華奢な見た目からは想像がつかないほど、芯の強い声がグラウンド全体に響き渡っていて、まるで一人のプレイヤーであるかのような立ち振る舞いでした。その一連の光景に目を奪われ、私はマネジャーという存在に憧れを持ち始めました。

年月が過ぎ、進学した高校にはアメリカンフットボール部があり、そこで私は憧れのマネジャーになることができました。ここで読者の方々に質問です。部活のマネジャーと聞くと、どのようなイメージがあるでしょうか?

私が漠然と抱いていたイメージは華やかだったり、女性らしさだったりを象徴するものでしたが、入部してすぐにこの考えが安易なものだったと思い知らされました。何よりも、果てしない仕事量に驚きました。私が幼い頃に憧れた、「ラスト10分です」と叫ぶことはほんの一部で、タイムマネジメント、ボトル準備、笛を吹いたり、ボールを取りに走ったり、ビデオ撮影で階段を駆け上がり、備品管理、洗濯、荷物運び、ボール磨き、会計、試合記録の集計、テーピング…大雑把に仕事を挙げてみても、これだけあります。目まぐるしく仕事に励む中で、私はいつの間にかスランプに陥ってしまい、この仕事を自分がやる必要があるのか、マネジャーはいなくても良いのではないか、雑用ばっかりのボランティアではないか、などと「マネジャーの存在価値とは一体何なのか」という問いに悩まされていました。また、頑張っている選手を横目に自分がこんなことを考えてしまっていることにも嫌気がさしていました。しかし、当時路頭に迷っていた私を変えたのは同期の選手からの言葉でした。

何気ない「ありがとう」「俺らが関東大会に連れていく」

私がマネジャーを続けなければいけないと思えたきっかけは、選手からこうした小さな感謝の気持ちを受け取ったことでした。きれいごとかと思われるかもしれませんが、私にとっての何よりの原動力となったのです。そして、この時、自分で自分自身の価値を下げてしまっていたのだと気付くことができました。“マネジャーは雑用だ、誰にでもできる“という考え方を脱却し、マネジャーという一つのポジションに所属する選手であると認識し始めました。

実際にグラウンドで体を張って勝利に直接的に関与できるのは選手でも、その選手が使うボールを磨いているのは自分たちマネジャーです。痛めている足にテーピングを巻いてその選手が活躍すれば、自分たちのテーピングがあったからこその飛躍かもしれない…少しこじつけみたいな部分はありますが、いい意味で自信過剰になることで、どの業務にも意欲的になりました。選手がいなければ試合はできないけれど、マネジャーがいなければ、私がいなければ、選手が強くなることはないと強気に考えることで、「私が関東大会へ連れていく」という目標を掲げるようになりました。

今まで当たり前だった通常業務の質を高め、勝つための戦略を多方面からチームに導入し、果てしない仕事量を更に果てしないものとし、強化に努めました。そのために、自分の知識量を増やそうと文献や書籍を集めることから始め、OBや大学教授、アメフトカメラマンの方など外部の方から多くお話を聞かせて頂きました。その後、選手のモチベーション向上のために学内に向けた部活のポスターを更新したり、SNSを立ち上げたり、部内でも毎月MVPを評価する機会を設けました。さらに、これまで希薄だったマネジャーとコーチ陣との連携を高めるためのミーティングを積極的に設定することや、自分の中の課題であったけがに対しての知識も独学で学びを深めることに努めました。当時の私は、昔憧れていたマネジャーさんと同じほど輝けていたのではないかと思います。

高校時代の部活は狭いコミュニティの中で自由にマネジメントができて、選手たちと勝つためにひたすら泥臭く二人三脚で切磋琢磨してきました。大学に入り、競技経験者や未経験者など、これまでとは異なる背景を持つ学生が集まる青学アメフト部の一員となりました。チームとして一つの目標はあっても、人によって強いチームの定義も強くなる方法も異なるということに難しさを覚えています。そして、大学3年生になった今でも、また1から自分ができることを探し求めています。ただ、私は高校時代の経験があるからこそ自分の存在価値に関しての答えを知っています。それは、

「チームや選手を強くすることができる存在」

チームや選手を強くするためにトレーナーの私に与えられた使命は、一人の選手として誰にも負けないくらい勝利に貪欲で成長し続けることだと感じています。そして、選手とマネジャーの間では常に相手の努力に感謝し、尊敬し合い伝えあう環境と互いに高みを目指し刺激し合う関係性を築いていきます。

 

体育会部活に向き合ったクリアソン社員

最後まで読んでいただいた皆さま、ありがとうございました。クリアソンにも体育会での活動に向き合ったメンバーがいます。そんなメンバーの想い、部活と就職活動についてなど、紹介した記事がありますので、気になる方はこちらも是非ご覧ください!!

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