「正解なんて分からない」関西学院大学硬式野球部阿具根さん

第26回リレーブログ「学生スタッフ キャラバンpresented by Criacao」 を更新しました。今回は、関西学院大学硬式野球部学生コーチの4年生阿具根 幹人(あぐね みきと)さんです。

関西学院大学硬式野球部 4年 阿具根幹人
高校では硬式野球部に所属し、最後の大会で準決勝敗退。大学では、レギュラーとして試合に出場することを目標に入部する。2年生の12月に選手を辞め、学生コーチに転身。現在は、学生コーチ兼副主将として活動している。
役職
学生コーチ
副主将

「学生スタッフが与える価値は何か」
「自分自身は、その価値をどのように体現するのか」

私は関西学院大学の硬式野球部で学生コーチとして活動しています。学生コーチとは、主に日々の練習メニューを考えること、練習を円滑に進めるために指揮をとること、メンバー選考などを担う役職です。学生コーチになった理由は2つあります。1つ目は、チームを勝たせたいという気持ちがきっかけで、選手よりもスタッフの方がチームにより貢献できると考えたからです。2つ目は、新たな視点で野球に携わりたいと考えたからです。選手の立場ではなく、チームを俯瞰できるスタッフに興味を持ったことがきっかけです。

私が考える2つの価値

私が考える学生スタッフが与える価値の1つは、「選手が全力でプレーできる環境を整えること」です。このように考えた理由は、懸命に練習に取り組む選手を応援したい気持ちと試合に勝ちたいという気持ちがあるためです。私は高校時代、硬式野球部に所属していました。何をしてもうまくいかず悩んでいた時期がありました。その際に、コーチから励ましの声を掛けていただき、救われた経験があります。この経験から「選手が思う存分、野球ができる環境を整え、選手の心の支えとなる人になりたい」と思うようになりました。

そして、単純に試合に勝ちたいという強い気持ちがあります。これまでの私の人生では負けが多く、悔しい気持ちは十分に経験してきました。だからこそ、勝ちに執着していますし、勝ちに向けて私ができることを目いっぱいやっていこうと考えています。チームを客観的に見ることができる私が「充実感のある」、そして、「質の高い練習」にするため、練習を工夫することが大切であると思っています。

具体的に、練習メニューについては、監督の要望と共に選手の意見を取り入れています。選手の意見を取り入れる理由は、あらゆる人のアイデアを取り入れることで練習メニューの幅が広がるためです。さらに、チームとして試合に勝つという意識を持つこと、その意識を共有することも大事なことであると考えています。試合に勝つには、日々の練習が非常に大切です。試合を意識して練習をすること、そのために、チームとして同じ方向を向くことが大事になります。私が学生コーチとして活動する中で、チームを同じ方向に向かせることが私の最大の役目であり、最も困難な試練でした。このことについては、後ほど述べさせていただきます。(*1)

2つ目は、「時にはチームの中心として、時にはチームの支えとなる存在として、役割が固定されないこと」に価値があると感じています。チームの中心とは、練習の指揮をとる者として、次の指示を率先して出すことの他に、練習の雰囲気が悪く、集中力が欠けている選手がいる場合には注意喚起をすることや、部員を引っ張ることもあります。チームの支えとなる存在とは、練習メニューを考える他に、試合中に対戦相手の投手や打者の癖など気付いたことがあれば、選手に伝えることもあります。このように、チームの中心として活動するときもあれば、チームの影となり選手の活躍を見守ることもあり、私の役割が場合によって変わることがあります。

 上記1の「選手が全力でプレーできる環境を整えることです」という価値を体現するには、まずは、選手の考えを知ることが大事でとある考えています。そこで、選手とのコミュニケーションを大切にしました。練習メニューを考える際にも、練習後に選手にどんな練習を入れるべきか、今行っている練習の改善点や良い点などの意見を聞きました。選手の意見を取り入れることで、意見交換が活発になり、練習の種類が増えました。ただ、選手ごとで異なる意見が挙げられることもありました。このような時は、選手同士や選手と私で議論することで練習メニューを試行錯誤していきました。

正解なんて分からない

 (*1)選手が全力でプレーする環境を整えることと共に、チームが同じ方向を向くために、選手各個人が意識を高く持つことと、チームとして目指すべきものを明確にすることに取り組みました。ただし、部員全員のモチベーションが高く、部員全員が同じ熱量で野球に取り組んでいるわけではありません。そこで、どのようにその差を小さくするのかと悩むことが多々ありました。チームとしては向上心の高い選手に合わせていくべきなのですが、向上心の低い選手がグラウンドにいることで、やる気のある選手が練習をやりづらくなってしまいます。現在の野球部は、200人を超す部員が所属しています。この人数が同じ方向を向くことは難しいです。やる気のある選手を優先する必要があるのですが、モチベーションの低い選手に対してどのように対応するべきかを考えることがありました。その選手に寄り添い、話を聞くべきか、反対に、そっとしておくべきか、これは、今でもどうするべきなのか悩み中です。

大学生になると、各個人が自分の意見を持っています。1つの練習でも多数の取り組み方や考え方があります。大人数が所属する部を動かしていく中で、自分の中でも何が正解かわからないですが、現在では、チームとしては高い目標を持ち、その目標に向かいつつ、私が各選手の心のケアをすることが良い選択なのかなと思っています。

学生コーチとして活動してきた中で、チームのために私が何をすべきで何ができるのかを考えながら行動することで、組織の裏方としての大変さややりがいなどを感じることができ、満足した大学生活を過ごすことができました。私を支えてくれた方々には大変感謝しています。最後までお読みいただきありがとうございます。

学生スタッフ キャラバン presented by Criacao

全国の学生スタッフがリレー形式で「学生スタッフが与える価値は何か」「自分自身は、その価値をどのように体現するのか」という2つのテーマについて、自身の言葉で書いてもらいます。これは、弊社の理念である「スポーツの価値を通じて、真の豊かさを創造し続ける存在でありたい」を、体育会の現場から紐解いていただきます。

体育会部活に向き合ったクリアソン社員

最後まで読んでいただいた皆さま、ありがとうございました。クリアソンにも体育会での活動に向き合ったメンバーがいます。そんなメンバーの想い、部活と就職活動についてなど、紹介した記事がありますので、気になる方はこちらも是非ご覧ください!!

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