「元日国立で日本一の瞬間を」早稲田大学ア式蹴球部 江田さん

第25回リレーブログ「学生スタッフ キャラバンpresented by Criacao」 を更新しました。今回は、早稲田大学ア式蹴球部トレーナーの4年生江田 祐基(えだ ゆうき)さんです。

早稲田大学ア式蹴球部 4年 江田祐基
幼稚園の年中から高校まで選手としてサッカーに没頭。高校時代のけがをきっかけにトレーナーに興味を持つ。その後、大学でサッカーを続ける予定だったが、浪人を機にトレーナーを志す。現在は約100名が所属する早稲田大学ア式蹴球部にて学生トレーナーとして活動しており、選手のウォーミングアップやクールダウン、リハビリ、テーピング、個別でパーソナルトレーニングなどを担当している。
役職
学生トレーナー

「学生スタッフが与える価値は何か」
「自分自身は、その価値をどのように体現するのか」

初めまして。早稲田大学ア式蹴球部に学生トレーナーとして所属しております、江田祐基と申します。今回の「学生スタッフが与える価値は何か」というテーマに対し、私は、選手ではないからこそ違った視点でチームのために貢献することができるという点に価値があると考えています。これからその価値とは一体何か、そしてもう一つのテーマである「自分自身は、その価値をどのように体現するのか」についても触れながら話していきたいと思います。

他の人に良い影響を与える人になる

私の中には一人の人間として「他の人に良い影響を与える人になる」という一つの軸があります。これは私が浪人時代にたどり着いた答えなのですが、自分が将来仕事をしていく上でどんなことにやりがいを感じるのかを整理したときに、人から頼られ感謝されたときにとてもやりがいを感じる、ということに気が付きました。人から感謝されるということは、少なからず自分がその人にとって何か良い影響を及ぼしたからに違いありません。

私が今までサッカーをやってきた経験と、自分の中にあるその一つの軸を形として表現できるのはトレーナーではないかと思い、大学では選手ではなく、その道を選択しました。そして早稲田大学に入学し、ア式蹴球部に入部することを決意しました。入部した当初は右も左も分からず、何をやっても上手くいかないことが多く、怒られてばかりでした。しかし、月日が経つにつれて、できることが次第に増えていき、トレーナーとしての一歩を少しずつ歩み始めました。

自分の「存在意義」とは?

ア式蹴球部では自分の「存在意義」について考える機会がよくあります。自分がなぜこの組織で活動するのか、チームに何をもたらすことができるのか、といったことについて深く考えます。このことはア式蹴球部に限らず、体育会の学生の誰しもに当てはまることではないでしょうか。その問いに対して自問自答を繰り返し、考えれば考えるほど、自分が本当に何をしたいのか分からなくなる。そういった経験をされた方もいるのではないでしょうか。ふと我に返って、そのことについて考えたときに、私が学生トレーナーとしてチームに貢献できていることはごくわずかだなと思いました。自分自身、4年生になった今でも分からないことばかりで、毎日が勉強の日々です。

そういった状況の中で、自分に何ができるのか。それは選手を今できる限りの最高のコンディションで試合に送り出すということでした。「そんなの当たり前じゃん」と思う方も多いかもしれません。しかし、この当たり前のことを当たり前に実践し、結果としてトレーナーがチームの勝利に貢献するということが難しいのです。試合で勝敗を決めるのは選手ですし、トレーナーが点を決めてチームの勝利に貢献することは当然できません。トレーナーとして、自分がチームを勝たせるという気持ちを持つことは大切なことだと私は思います。ただ、トレーナーがチームを勝たせるということは実際には難しい面があります。

それでも、トレーナーとして試合の勝敗を左右する選手を送り出す前の段階でできることは数多くあります。その中でも特に、選手を最高のコンディションで試合に送り出すということが、チームのために今の自分ができる最善のことではないかという結論にたどり着いたのです。一人でも多くの選手を最高のコンディションで送り出すことで、選手がけがで離脱していて試合に出場することができないという状況を減らすことができます。それが結果的にチームの勝利に繋がるのであれば、トレーナーとしてチームの勝利に少しでも貢献したことになるのではないかと思います。

そのための取り組みの一つとして、昨シーズンのオフの時期に選手に向けてサッカーにおいて必要な可動性(モビリティ)を維持することを目的とした、「エダトレ」というものを作成しました。これは家の中で少しのスペースさえあれば誰でも簡単にできる4つのトレーニングを私が考案し、オフの時期に少しでも選手に身体を動かしてもらおうというものです。オフの時期に完全にトレーニングを停止してしまうと、もちろん身体の機能はどんどん低下していきます。しかし、この「エダトレ」を少しでも選手に取り組んでもらうことによって、サッカーに必要な最低限の身体の機能はできる限り維持してほしいと考えました。

現在は、その4つのメニューを練習の最初のウォーミングアップにも取り入れ、傷害予防の一環として選手に取り組んでもらっています。それが果たして選手の身体の機能維持に繋がっているのかまでは、断言できませんが、それでも昨シーズンと比較し、今シーズンのけが人の数は減少しているので、少なからず、その効果はあったのではないかと感じています。

このように、チームが勝つために選手ではないからこその視点でアプローチし、それをチーム全体に発信していく、これこそが学生スタッフだからこそできる価値なのではないでしょうか。それが上手くいくかどうかなんて関係ありません。それを試行錯誤しながら何回も繰り返し、失敗しながら学んでいく、結局無駄なことって無駄なことではないのです。

元日国立で日本一の瞬間を

今年も残り半年を切りました。大学ラストシーズンの集大成であるインカレ決勝は元日に開催されます。その舞台まで勝ち進み、今までの経験を全て活かして必ず日本一をつかみ取ります。その瞬間のためにも、今の自分の置かれている立場をしっかりと理解し、その中で選手を今できる最高のコンディションで試合に送り出すこと、そして、残りの期間を全てやり切ったと思うことができるように日々全力で楽しんで過ごしていきたいと思います。

学生スタッフ キャラバン presented by Criacao

全国の学生スタッフがリレー形式で「学生スタッフが与える価値は何か」「自分自身は、その価値をどのように体現するのか」という2つのテーマについて、自身の言葉で書いてもらいます。これは、弊社の理念である「スポーツの価値を通じて、真の豊かさを創造し続ける存在でありたい」を、体育会の現場から紐解いていただきます。

体育会部活に向き合ったクリアソン社員

最後まで読んでいただいた皆さま、ありがとうございました。クリアソンにも体育会での活動に向き合ったメンバーがいます。そんなメンバーの想い、部活と就職活動についてなど、紹介した記事がありますので、気になる方はこちらも是非ご覧ください!!

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