井筒陸也 現役引退のお知らせ

井筒陸也 現役引退のお知らせ

このたび、Criacao Shinjukuに所属しております井筒陸也が、2021シーズン限りで現役を引退することとなりましたので、お知らせいたします。

<プロフィール>

◇ 氏名 : 井筒 陸也(いづつ りくや)
◇ ポジション : DF
◇ 生年月日 : 1994年2月10日(27歳)
◇ 身長 / 体重 : 181cm / 74kg
◇ 出身地 : 大阪府

2012年 – 2015年 関西学院大学
2016年 – 2018年 徳島ヴォルティス
2019年 – 2021年 Criacao Shinjuku

J2リーグ:54試合 2得点
関東サッカーリーグ1部:29試合 1得点
関東サッカーリーグ2部:18試合 1得点


<コメント>

みなさま、平素より多大なる応援をいただき、誠にありがとうございます。

私事ですが、僕は昨シーズン限りで、サッカー選手を引退することにしました。

まずは、突然のご報告となってしまったこと、心よりお詫び申し上げます。クリアソンで課せられていた役割、それにともなう期待、そうしたものは重々理解していたつもりです。それでも、自分なりに真剣に考えて、こうした決断をさせていただきました。

ここで引退をするというアイデアは、去年の夏ごろから浮かんでは消えてを繰り返していました。ただ、コロナの影響で過密になったリーグ戦、そもそも過密な地域CL、そしてJFL昇格と流れるようなシーズンの中で、特に誰かに相談することもできず、すべてが終わったときには、自分の中で動かしがたいものになってしまっていました。

「なぜ、引退するのか?」と聞かれると、明確な答えを用意することができません。正直、まだ身体は動きますし、何より、クリアソンの仲間たちとのサッカーは本当に本当に、本当に素晴らしいもので、そうした日々を断ち切れるだけの理由があるかと聞かれると、そんなものはありません。

それでも、もし、何かひとつだけで説明をしなければいけないとすれば「サッカー選手ではない自分を見たい」という気持ちに、蓋ができなくなったということだと思います。

僕が Jリーグを離れるときに出た記事の見出しは「ずっとサッカーを辞めようと思っていた」でした。でも、正確には「ずっとサッカーを続けると思っていなかった」です。ほとんどのサッカー少年と同じように、高校か、遅くとも大学で淘汰され、挫折というほどの経験にもならず、ただの思い出としていつかサッカーを語ると思っていました。

しかし、いくつかの素晴らしい出会いと、僕のわずかばかりの努力とによって、サッカー界でずいぶん長く生きられることになりました。その巡り合わせがあまりにも不思議だったことで、サッカー選手でありながら、心のどこかでサッカー選手ではないような、宙ぶらりんな状態でもう何年も過ごしてきました。

自分の意思でJリーグを離れたことはその最たる例ですが、サッカー選手ではない別の人生をずっと探していた気がします。いつまでも未練がましく、あるはずのない別の人生を思うことに苦痛も感じてきました。

だから、ここで覚悟を決めようと思います。サッカー選手ではない自分を現実のものにして、新しい可能性や、現実になったからこそ起こり得る葛藤や苦痛や限界にも立ち向かっていこうと思います。

僕は、株式会社Criacaoのブランド戦略部で、クリアソン新宿が「世の中に、どう知られどう愛されるべきか」ということを考えています。サッカークラブとして大きな変革期を迎えている中で、サッカー界だけにとどまらず、新宿、世界へとインパクトを広げていくために、選手を引退して、リソースのすべてをそこに投下したいと思います。

選手ではない自分が、そうした「価値あると信じられる仕事」を追求し、その先で見られる景色をとても楽しみにしています。

すべてをやり切って終えていくとか、そういう清々しさはまるでありません。JFLに昇格したことは、人生で最良のトピックのひとつですが、クリアソン新宿が世界一を目指す以上、それは区切りのようなものではなく、これまでもこれからも、長い旅の途中でしかありません。

だから、今が「きりよく」という瞬間ではないと思いつつ、そんな瞬間はいつまで待っても訪れないのであれば、自分の想いには自分でケリをつけて、再び迷いのない心で組織に対してコミットするしかないと、強く感じています。

明確に、サッカーを辞めないとできない具体的な何かがあるわけではありませんが、それでも、少し見通しがたった現在の延長線から離れて、いつかは曖昧な未来に踏み出さなければいけないと、そう言い聞かせています。

たくさんのチームメート、指導者、プロとして受け入れてくれた徳島ヴォルティス、そしてクリアソン、クリアソンを応援してくれる人たち。選手として僕を必要としてくれたすべての人には、このタイミングで一度、心よりの感謝を伝えたいです。そして、選手としてではない僕が、再び、みなさまにとって必要な存在になれるように、変わらずに頑張っていきます。

2022年1月18日
井筒 陸也

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