Interview by Player 日税グループ

語り手:日税ビジネスサービス 代表取締役専務執行役員(COO) 吉田倉人さん
同席:社長室課長 黒川敦司さん、企画本部企画広報室長 佐藤健夫さん

聞き手:株式会社Criacao 事業統括部門営業部長/Criacao Shinjuku #9 原田亮
撮影:株式会社Criacao デザイナー・カメラマン 川口創史

掲載日 2020年7月6日

税理士と関与先のために

弊社では『税理士と関与先のために』を会社経営の基本理念として掲げています。私どものビジネスモデルは、全国の税理士の先生をパートナーとし、関与先と呼ばれる税理士のクライアント企業に対して様々なサービスを提供することです。すべての事業者や国民には納税の義務がありますが、申告書の作成などはたとえ無償であっても税理士以外に頼むことはできません。つまり、税理士の先生は税務支援という側面から日本の全マーケットに関与しており、そうした先生方をパートナーとすることで、弊社もまた日本の全マーケットを相手に仕事をすることが可能となるわけです。

特に中小企業にとって、税理士の先生方はなくてはならない存在であり、関与先からも強い信頼を得ています。そうした税理士先生から関与先をご紹介いただけることは、ほかの誰からの紹介よりも信頼が得やすいと言えます。また、時代とともに関与先企業が抱える課題も変わってきますので、弊社としましても課題解決に繋がるサービスを増やしています。近年は不動産の仲介やM&Aのコンサルティングといったニーズが強く、弊社の主要事業となっていますが、まさに私どもの理念とビジネスが直結した証と言えるかもしれません。

私たちは、仕事のスタンスと、個人のあり方という2つの面で大事にしていることがあります。仕事のスタンスでは、2000年以降、毎年年初に社長から全社員に対して『自分の仕事で今年意識すべき3つのキーワード』が伝えられます。40周年にあたる2015年に出されたキーワードは『活かす』『川幅を拡げる』『継続』という3つでしたが、これは2015年だけに限らず、今でも意識すべきこととして社員に浸透しています。

個人のあり方では、自分の言動や言行の倫理的指針として「4つのテスト」を大切にしています。これは、国際的な社会奉仕連合団体「ロータリークラブ」のハーバートJ.テーラー氏が、1932年の世界大恐慌のときに、商取引の公正さを測る尺度として創案したものです。仕事や生活において物事を考える判断軸として、それが『真実か』『公正か』『好意と友情を深めるか』『みんなのためになるか』という4つの問いを意識するようにしています。この「3つのキーワード」と「4つのテスト」は、現在、弊社の社員が活躍する上で欠かせない考え方になっています。

企業も支えながら、町おこしにも繋がる

クリアソン新宿との出会いは、東京商工会議所新宿支部の青年部での会合で、丸山さん(Criacao Shinjuku 代表/株式会社Criacao 代表取締役社長)と一緒になったことでした。お話しする中で、丸山さんが新宿区サッカー協会の委員としてフットサルイベントを開催することを聞き、弊社もフットサルチームを持っていたことから、その大会に参加しました。

その時、たまたま丸山さんとゆっくり話す機会があったのですが、理念や目指しているものが非常に大きいと感じました。特に印象的だったのは、自身がプロにはなれなかった一方、プロになり頂点を目指した人たちが、次のキャリアでは中々活躍ができないことに課題を感じていたことです。弊社にもアスリートとして活躍していた社員が所属していますが、彼ら彼女らが今の仕事に本当に満足しているのかということが気になり、自分事として聞くことができました。

他にも、スポーツを通じて地域社会を盛り上げていくこと、スポーツの特性と個人の個性を掛け合わせて子どもたちに指導をすること、また、大学の部活動の運営マネジメントのサポートなど、素敵な理念を持ちつつ、ビジネスでもそれを実現されていると感じました。

丸山さんと話を重ねていく中で、クリアソン新宿の選手が、ビジネスの実業をしながら選手活動をしていることを知りました。今のスポーツ界を見ると、大企業が保有するチームはありますが、中小企業では多くの選手を抱えることは難しい。しかし、丸山さんから「日本初の企業連合チームのようなものを、新宿から作り出せれば面白いんじゃないか」とアイデアをもらい、非常にワクワクしました。

弊社では多くの中小企業との付き合いがありますが、ひとつの世界で頂点までいった人物は、あらゆる場面で応用できる何かを持っていますので、中小企業のほしい人物像に合致する可能性が高い。そして、多くの企業を巻き込めば、それだけ多くのファンが生まれます。一緒に働きながら、選手との距離も近いまま、応援し、支え合うことができるのは、とても魅力的だと感じています。世界でも競技者の多いスポーツで、企業を支えながら町おこしにも繋がる。日税グループ発祥の地である新宿にも恩返しができると思い、パートナーとなることを決めました。

横の関係を作るのがスポーツ

現在クリアソンとは、先程のフットサルでの交流や、アスリートが講師として登壇する研修プログラムの実施に向けて、取り組みを進めています。それとは別に、もっとご一緒できることがあると思っています。

例えば、先程も話したトップアスリートと中小企業を繋げることや、税理士の先生方とのスポーツ交流イベントが思いつきます。税理士の先生同士は普段は競合関係にあたります。一方で、意見交換をして情報を仕入れたいというニーズもある。そんな時、横の関係を作るのがスポーツです。昭和の時代は、税理士先生が所属する団体が野球部を持っていましたが、最近は野球をやっている人が少なくなっています。弊社では『日税駅伝』という大会を企画し、毎回100人近くの税理士先生が参加しています。フットサルでもそうした繋がりを作ることができると考えています。選手の方が、地域や弊社の社員の方と直接触れ合う機会を増やしてもらえると嬉しいですね。

チームに対して期待していることは、まずは原田さんのヘディングシュートです(笑)。今年は関東サッカーリーグ1部ということで、ぜひ優勝を目指して頑張ってほしいです。正直、私はプロスポーツをあまり見てこなかったんですよ。それは、やはり他人事だから。今、こうして一緒に仕事をしている選手が活躍してもらえることは、自分事として本気で応援できるので、それを楽しみにしています。そして、新宿からの初のJリーグクラブとして、地域を盛り上げる役割を担ってほしいです。


インタビュー後記

インタビューの最中、吉田さんは手元を全く見ることがなく、日税グループの事業内容や社長のお言葉、そして弊社丸山の話まで、すべてよどみなく事細かにお話しされており、非常に誠実で関係性を大切にされている方ということが強く伝わってきました。

また、私がクリアソン新宿の運営統括者として、コロナ禍でも選手スタッフが安心安全に活動に参画できることを模索している中で、日税グループが大事にされている4つのテストにある『公正か』という言葉がぴったりと当てはまり、非常に共感を覚えました。ビジネスでも地域との関係づくりでも、我々の強みであるスポーツで人と人を繋ぐことで、日税グループの社員の方々やお客様とより密接に取り組みができるよう、色々と仕掛けていきたくなりました!

期待いただいているヘディングでのゴールもお見せできるよう、プレーでも頑張っていきます!

原田 亮