語り手:代表取締役社長 書上拓郎さん
聞き手:Criacao Shinjuku 選手 #16 伊藤大介
撮影:株式会社Criacao デザイナー・カメラマン 川口創史
掲載日 2020年7月6日
テクノロジーを、顧客のために
ビジョンは「価値と信頼の最大化」ミッションに「テクノロジーを顧客価値に転換」を掲げています。ミッションやビジョンには、大きいことを掲げる企業が多いのですが、弊社は「世の中の人、全てに対して何かをやりたい」というよりも「目の前にいる顧客に対して、100%の力を出していきたい」という想いを強く持っています。
顧客に対して価値を出すことは、信頼を得て、次のお仕事に繋がるということです。価値と信頼が常に最大化されている状態で、顧客・パートナーの方とお付き合いをしていけば、自分たちも成長していく、事業運営も成り立っていく、そういう考えに基づいています。
そして、価値をどう出すかという点で、クリアソン新宿がスポーツを使ってるように、弊社はテクノロジー・技術を使っています。それが「テクノロジーを顧客価値に転換」すること、それがミッションになっている言葉です。
KICONIA WORKSは、社員への価値提供も大切にしています。それは、充実したワークライフと、成長できる機会を提供するということです。会社は社員に対して価値を提供する、社員は会社に信頼ある行動をする、この関係が成り立っていれば、ルールで縛らなくても、自発的にビジョンやミッションに沿った行動ができると思っています。
弊社の事業内容は、わかりやすく言うと「三分クッキング」のようなものです。顧客から、野菜・肉のような「材料」と、中華料理・フランス料理のような「目的」をいただき、素早く料理することが、私たちの仕事だと思っています。私たちのAIの業界だと、材料に当たるのが「データ」、目的に当たるのが「顧客課題(コスト削減、売上向上など)」です。そして、データと課題をいただき分析を行いますが、これを長い期間でやるのではなく、クイックに短期間で、顧客に価値提供すること、それが KICONIA WORKSの特徴であり、強みです。
クリアソン新宿と、スポーツ×AIの可能性を模索する
大学時代、丸山さん(Criacao Shinjuku 代表/株式会社Criacao 代表取締役社長)が立教サッカー愛好会(立教大学)に、私が慶應キッカーズ(慶應義塾大学)にいて、当時はサッカーサークルのライバルチームとして試合をしていました。丸山さんは在学中に、大学を横断したサークルの選抜チームとしてクリアソンを立ち上げ、実は、そこに私も入っていました。
社会人になってからはチームを離れてしまいましたが、SNSを通して、丸山さんが起業してクリアソンを株式会社化していることを知っていて、陰ながら応援したいと思っていました。
また、私自身が起業したことをきっかけに、社長としての先輩である丸山さんの話を聞きたいとも思っていました。経営者としてお話をする機会が増え、改めてクリアソン新宿に何かしらの形で関わりたいと思いました。
クリアソン新宿は、株式会社Criacaoで他の事業をしながら、クラブ事業としてクリアソン新宿を運営するところに、魅力を感じています。選手も、ビジネスとサッカーを両立し、それらがシンクロしている考え方を持っています。そこが、他のサッカーチームとは違うところで、応援したくなった理由です。
弊社は色々な業界の方と仕事をしていますが、スポーツの仕事をすることは多くありません。スポーツとAI は、日本ではまだまだ関係が遠いとされているので、スポーツのことをもっと研究したいと思っています。ナレッジを溜め、スポーツに関する技術活用の手がかりをつかむためにも、こういった考えを持っているクリアソン新宿とパートナーになり、一緒にプロジェクトをつくるべきだと考えたのです。
昨年は、選手のコンディションデータを取り、どんなことがアウトプットできるのか、手始めに分析させていただきました。面白かったのは、練習における、成山監督の選手の評価と、選手自身のコンディションの評価が同じだったことです。クリアソン新宿の特徴なのかはまだ分かりませんが、選手はコンディションを正直に答え、練習では常に最大の力を出し、監督も選手に対して偏りなく平等に判断をしている。つまり、クリアソン新宿にはバイアスが少ないという発見がありました。また、実際にデータを取ってみて、サッカーの理論で「こうあるべき」というよりも、個人個人で目指すべき数値が変わるということも分かりました。これも面白かった点です。
今後、クリアソン新宿には、どんどんカテゴリーを上げてほしいと思っています。弊社がサポートしているチームが強くなっていくことは、とても嬉しいことです。しかし、ただカテゴリーを上げ、ただ強いチームになってほしいというわけではなく、今の理念やクリアソン新宿らしさを大事にしながら、それを実現してほしいと思っています。
インタビュー後記
KICONIA WORKSが顧客に良い価値を届けられている一番の理由は、もちろんスペシャリスト集団が手がけているということもありますが、プロジェクトの最初に現場に行き、現場を知る、という本当の意味で顧客と向き合っているところにあると感じました。
また、スポーツとAIがまだまだ遠い関係にあること、KICONIA WORKSの取り組みとしてもスポーツとの関係性が少ないというお話を聞き、KICONIA WORKSの素晴らしいテクノロジーが、今後スポーツの世界でも発揮されるように、ご協力させてもらいたいと思いました。
伊藤 大介