MoMiCKEY‘S CAMPUS TALK vol.2「サッカーはどのようにして平和を生むのか?」

籾木結花がオーナーを務めるオンラインサロン「Campus Talk」にてJリーグクラブ V・ファーレン長崎代表取締役社長の髙田春奈氏をお呼びし、約2時間のトークセッションを行いました。その一部をお伝えします。


愛情が循環している状態が平和

籾木:V・ファーレン長崎は「愛と平和と一生懸命」という理念を掲げていらっしゃると思うのですが、私はスポーツと平和を紐づけて考えることがなかった。サッカーでどのように平和を生むのか、どのような状態が平和というのかを教えて下さい。

髙田氏「愛と平和と一生懸命」という言葉にもつながると思うんですが、愛情が循環している状態が平和だと思っています。今回の新型コロナウイルスの影響を受けて、安心してサッカーができるとか、安心して日常生活を送れるとかも平和であると感じたのですが、私自身、V・ファーレン長崎というクラブに携わるようになって、ファン、サポーターの皆さんの愛情の深さに本当に支えられているクラブだなと感じましたし、その中に自分がいることが幸せだと思っています。

V・ファーレン長崎の良いところは、相手におもてなしをするところです。サッカーって暴動があったり、危険なスポーツでもあると思いますが、そうじゃなくて、相手チームのユニフォームを着た人たちに対して、敵視するんじゃなくておもてなしするっていう文化があって、サッカーでは戦っているんだけれど、それ以外のところでは、サッカーを愛する者同士としてリスペクトしあったりとか、うまくいかない選手たちに対して叱咤激励も含めて、本当に好きだからこそ愛を注いで信じることとか。争いや排除じゃないスポーツの関わり方に、迎えている長崎のあり方に平和が見えているなと思っています。

籾木:昨年、コロナの影響でJリーグ中断であったりとか、試合を有観客で開催できなかったり、世界が変わっていく中で、平和が失われた1年、これから2年になっていってしまうかもしれないと思っています。そういった状況のなかで、もちろんコロナをコントロールするのは難しいと思っていて、ある意味、平和が失われている中で、今までと同じようにプレーをして、メッセージを発信していくのか。新たなメッセージを持って平和に向かっていくのか、高田さんやV・ファーレン長崎としてのお考えはありますか。

髙田氏:オンラインの機会が増えたり、人数制限があったりはありますが、基本的には「コロナ禍だから」とは変えずに活動をしています。ただ、今回自分が(新型コロナウイルスに)感染した時に、感染した人や感染するリスクが高い人に対して、気付かない差別が人を傷つけてしまうことがあるということをやっと理解でき、それがメッセージに繋がると思いました。いろいろなことを経験しているからこそ、客観的に評価できたりとか、意味を紐づけて発信できると思っているので、根幹にある「愛と平和と一生懸命」というメッセージは変わらないけど、そこに自分たちが体験したことを載せて、より本質的なことを伝えていけたらと思います。

パネルトークでは、チャット機能を使いながら、参加者との対話も行いました。「今回どうして春奈社長との企画を行うことにしたんですか」という質問に対しては、

籾木:私が所属をしている株式会社Criacao代表取締役社長の丸山から紹介をいただき、私から高田さんにお話をして登壇していただくということになりました。高田さんが、私から話を聞いた時の印象や、対談を受けようと思った時のエピソードとかってありますか。

髙田氏:もともとV・ファーレン長崎のスタッフと丸山社長が知り合いで、新宿からJリーグのクラブをつくりたいという想いを持って活動されていると聞いて、私も学生時代から新宿に行くことが多くて、新宿という街にみんなが応援できるクラブができたらすごいことだなって思ったし、その夢にすごく共感して、応援したいと思い、紹介をしてもらいました。

そこで代表選手とかが社員で所属されていることを知って、まさかアスリートの方と対談できると思っていなかったので、「ぜひ」という感じで話をさせて頂きました。

籾木:私もMoMiCKEY‘S CAMPUS TALKというものを作って、より多くの人が自分らしさというものを見つけて、自分らしさが受け入れられる社会を作っていきたいと思っています。

(オンラインサロンを通じて)自分がただただアスリートとしてプレーしていては関わることができないような、ビジネス界や他のクラブの社長さんとお話をする機会があります。そういった自分の足を置いているフィールドから飛び出して、違った世界でいろいろな取り組みをされている方とお話をする中で、自分を客観的に見ることができたり、新たな機会、気付き、きっかけをもらえます。ピッチの上の自分にも、考え方にも深さが出ると感じているので、自分にとって貴重な機会です。

髙田氏:無理していろいろな人と会うというのはしんどいと思うんですが、偶然の中で気付くことって本当にたくさんあると思うし、自分の世界って本当に狭かったなと思う時もたくさんあるので、こういう機会をいただけたのは本当にありがたかったですし、少しでもこういう機会が増えたらいいなと思います。

籾木:髙田さんと、こうしてお話をさせて頂いている中でも、平和というワードが自分の中では、最初に聞いた時にインパクトが大きくて、自分が考えたことのないワードだったので改めて考えるきっかけになりました。自分のやっているスポーツをいろいろな角度から考えるというのは、アスリートとして、どういうふうにスポーツを伝えていきたいかというところにも通じて、「自分のやっているスポーツって、こんな可能性があったんだ」と気付けることも楽しいです。今回こういう形で対談できる機会があったのは、自分にとっても幸せでしたし、聞いてくださっている方々も少しでも幸せだなと思って頂けると嬉しいです。

籾木結花Campus Talkとは

籾木結花Campus Talkは、プロサッカー選手・籾木結花が「見た目や肩書き、性別で判断されない」「女性がポジティブに働ける」「各人が自分らしさを見つけ、それが受け入れられる」社会を目指すために、皆さんと共に学び成長していくためのオンラインサロンです。「社会・組織の仕組み、構造にちょっとした疑問が生まれた人」「何かを変えたい、始めたいけれど、まだ一歩が踏み出せていない人」たちが語り合える場です。

参加ご希望の方は、下記URLより詳細をご確認下さい。
https://criacao.co.jp/campus-talk/