プロフェッショナルマインドのはぐくみ方

【VUCAワールドを生き抜く】というコンセプトの下、株式会社日本マンパワーと弊社共催で毎月1回、企業の人材育成ご担当者を対象にトップアスリート研修無料体験会を開催しております。多くの人事担当者様に研修をご体験いただき、本イベントをきっかけに自組織へご導入、ご好評を頂いております。

本研修体験会においては「問いの探究、深堀りを行い実務遂行のヒントに」というゴールを設定しています。登壇者が、一方的にセミナーを行うだけでなく、対話(ダイアローグセッション)によって問いに対する思索を深めるライブ型の研修を設計しています。


9月に行われた研修体験会では、元プロサッカー選手で、サンフレッチェ広島アンバサダーの森崎浩司さんを講師にお招きし、株式会社Criacao CSOの竹田好洋がファシリテーターとして登壇。オンラインで「プロフェッショナルマインドのはぐくみ方」というテーマで約2時間、お話をしました。

始まる前に参加者の方からは、研修に対して「この研修を通じて新入社員へのフォローアップに繋げたい」「成長意欲の高い社員へ基礎基本の大切さをどのようにすれば伝えられるかが知りたい」「新入社員研修が近いので、へこんだ時の気持ちの回復方法やマインドなどをアスリートの経験から知りたい」といったコメントがありました。

第一部では、森崎さんのキャリアストーリーをもとに、ファシリテーターの竹田と対話を行いました。

竹田「プロフェッショナルの定義を教えて下さい

森崎さん「8歳からサッカーを始めて、プロサッカー選手を引退する35歳まで突っ走ってきましたが、シンプルに自分を信じ続けて、その道を継続していくこと。それが、自分にとってのプロフェッショナルだと考えています。高校時代は、毎日トレーニングをする環境の中で、チームの練習では、常に100%で出し切るそうしないと成長ができないと考えていました」

竹田「毎日、同じようなトレーニングをする時って、マンネリ化してしまったり、常に全力を出し続けることって難しいと思います。モチベーションの保ち方や、成果を高く出し続ける秘訣は

森崎さん僕自身も、プロサッカー選手としての17年間で、毎日100%出し切れていたのかと言われると、スターティングメンバーに入れない時や、そもそもベンチにも入れない時にモチベーションを保ち続けられたかというと、難しいんです。ただ、まずはプロサッカー選手になれたというのがゴールではなく、ここがスタートだと考えながら、目標を持つことを意識していました。サッカー選手としては、ワールドカップに出るとか、オリンピック代表に選ばれるとか、高い目標があったんですが、それだけだと例えばけがや病気をして、試合に出られない状況に追い込まれた時に、あきらめがちになってしまうと思う。なので、身近な目標を立てながら高い目標もブレずに持つことをしていました」

竹田「ビジネスも1、2年目は自分のやりたいことをやるより、与えられたことをきちんとやる。今日、聴講されている企業の方もこういうことがしたい、と強い想いを持って入ってきてる人が多い中で、それができないことがほとんどだと思います。浩司さんもサンフレッチェ広島に加入した当初は、なかなか試合に出られない状況が続いたようですが、WILL(したいこと)を大事にしながらもMUST(しなければならないこと)に向き合っていけば、CAN(できること)が広がっていって、オリンピック代表に選ばれたり、できるポジションが広がっていったりしたのかなと感じました」

森崎さんプロ選手っていうのはこだわりが強い集団だと思いますし、求められていることをやらずに、自分のやりたいことをやる選手も多かったと思います。ただ、それをすると監督としても起用しづらかったり、チームで評価が出なかったら移籍しなければならなかったり、そんな選手も目の当たりにしてきました。なので、自分が武器として持っているもの、得意としていることは大事にしながらも、当時の監督が求めることだったり、チームメイトを理解することも意識してやっていました。例えば、サッカーはゴールを取るスポーツなので、守備ではなくて攻撃が好きな選手が多いと思いますが、守備をするってことはチームを助けることだと思うので、そこも大事にしなければと気付かされましたね」

対話が終わった後は、ご参加いただいている方からの質問に答えながら、ダイアローグセッションを行います。

「森崎さんは以前はプロでご活躍されたということで、プロである以上、第一線での活躍を求められたり、期待も大きく、評価も厳しかったんじゃないかと思います。メンタル面で、そういったプレッシャーをどうやって乗り越えられたかをお聞かせ下さい」という質問に対し、
「高校生までは楽しくサッカーをやらせてもらっていた環境から、プロ選手になると、自分が楽しくてやっていたサッカーが職業になって、加入当初は2年契約を結んでいたので、結果を残せないと生き残れないとか、メディア、ファン、サポーターからの期待をプレッシャーに感じていました。ただ、この世界に入る以上はプレッシャーと向き合わないといけないと常に考えていましたし、これだけ期待をして頂けることはありがたいことだなと思っていました。プレッシャーは消すこともできないですし、受け入れてやらなければいけない。それもプロしての一部だと考えていました」とお答えしました。

自分の強みを活かす方法は?」という質問に対しては、
「僕は左利きのプレーヤーで、得意なプレーは、シュートでした。それが僕にとっての強みで、プロになれたのも、その強みを高校時代から活かし続けられたというのがあったからです。ただ、プロ生活1、2年目で強みをアピールしていたものの、課題とする守備のところを監督に指摘されて、そこができなければ、なかなか試合に出られないことを強く感じました。チームの求めるものに対して、どれだけハードワークができるか、それを考えた上でプラスアルファ自分の強みが活かせるんじゃないかと考えるようになりました。まずは、個人の成果ではなくチームのためにどれだけ犠牲心を持てるかを意識していました」と答えました。

後半は「自分なりの『プロフェッショナル』を身に付けるには」というテーマを置きながらダイアローグセッションを行いました。

竹田「先ほど、メンタル面にどう向き合ってきたのかというご質問もありましたが、浩司さんだと高校時代からプロ時代、社会人だと学生から社会人と環境変化がある中で、1、2年目はすごく苦労をすると思います。そんな逆境の中で成果を出す方法を聞きたいなと思います。浩司さんは、けがで手術も多くされていて、事前の打ち合わせでもプロ生活の8割から9割は辛かったと聞いていました。そういった中でも17年間プロサッカー選手を続けた秘訣をお聞かせいただきたいと思っています」

森崎さん「けがは、プロに加入して1年目、2年目に骨折という経験をしました。2年の契約をしている中で、2回けがをしたのはかなり大きな経験でした。けがをした時は当然、落ち込みましたし、不安になりました。ただ、ここの時間を有意義に過ごさなければいけないなと考えるようになりました。普段はやれなかったトレーニングをしっかりして、けがをする前よりもパワーアップしたいと思っていました。ピンチはチャンスだと考えるようにしていました」

竹田ピンチはチャンスと変換できた変化を詳しく教えて下さい

森崎さん「リハビリは当然、自分だけではできないので、チームのトレーナーと一緒に行っていました。その時にトレーナーからも、この時間をよくしよう、と声がけをしてもらって、二人三脚でけがに向き合えたのが大きかったです。誰かに助けてもらっている、ひとりじゃないと思えました

後半も対話が終わった後に、参加者の方の質問に答えました。

成長意欲の高い社員へ、基礎、基本の大切さをどのように伝えられるでしょうか」という質問に対して、「基礎、基本ができていないと応用は効かないと思います。才能があってすごく期待されて入ってきた選手が、プロになってうまくいかなくて、契約解除になったみたいなことはたくさん見てきました。なぜ、そういう人たちが通用しないかというと、壁にぶち当たった時、うまくいかなかった時に、積み重ねができない、継続できない選手が多かったと思います。なので、基礎を固めることは重要だなと思います」と答えました。

トップアスリート研修とは

2018年から本格的にスタートし、トップアスリートからビジネスにおいて活かすマインドやスキルを学べる企業研修です。研修の対象や、目的、課題、ゴールについて確認をしながらカスタマイズ型の設計・実施を行います。代表的な展開としては新入社員、次世代リーダー、管理職、健康経営等の対象が挙げられます。

講師にトップアスリートをお呼びし、ファシリテーターが進行を行うため、アスリートの原体験から思考や姿勢、価値観を変換することができ、ビジネスの場面でも活かせる気づきや、学びを提供します。

なぜトップアスリートなのか

アスリートは、多様な価値観を持ったメンバーの中で、短期的な成果を挙げる必要があり、厳しい競争環境の中では差別化、市場価値の向上が求められます。また、テクノロジーや技術の進歩が速く、勝ちパターンはすぐに陳腐化します。こうした環境は現代のVUCA時代と共通する点が多く、トップアスリートの習慣や思考を学ぶことで今後のビジネス界を生き抜く力を得ることができます。

研修の体験会へはどなたでもご参加可能です。ご興味がある方は、弊社HP内お問い合わせよりご連絡下さい。