Criacao Index ~豊かさの体現者たち~ Chapter4 山崎光

2013年より、株式会社Criacaoは新宿に拠点を構え、事業を進めてきました。ここ数年は社員やパートナー、インターンなど共に歩みを進める仲間が急増するとともにクラブ事業部、キャリア事業部、アスリート事業部という3つの柱で仕事の幅も広がり、それぞれの姿が見えにくくなってきました。Criacaoの取り組みを支えて頂いている方々に、もっとCriacaoのことを知ってもらいたい。そんな時、まだ伝えていない姿があることに気づきました。それは、それぞれの人間がどのように歩み、どんな思いを抱きながら、何を実現しようとしているのかです。豊かさを体現する個々の姿を、この“Criacao Index”でお届け致します。

 


 

使う人のことを考えて、見やすく、きれいにしまう

山崎 光

高校、大学でサッカー部のマネジャーを務めてきた山崎は、キャリア事業部の営業サポートとシステムやデータの管理のほか、会社全体の経理、労務、総務を支えています。また、クラブ事業では、リーグの実行委員会の立場で試合運営に携わっています。



 

――現在の担当を教えてください

私は他の人と違って、事業部を横断的に関わる形をとっていて、クラブとキャリア事業部とバックオフィス(経営企画室)がそれぞれ1:1:1くらいの割合になっています。もともと高校、大学とサッカー部のマネジャーで、情報をまとめたり、事務的な仕事をするのが得意なので、各事業部の人手が足りていないところをサポートしています。

2019年の3月に入社して半年くらいは、人材紹介の業界の知識も全然ない中、キャリア事業部の営業サポートやデータの整備、システム整備をやっていました。それと並行して、クラブのリーグ戦が4月から10月にあったので、いっぱいいっぱいでした。落ち着いた11月くらいから、バックオフィス業務の割合が増えてきました。

具体的には、クラブ事業部は関東リーグの実行委員会というポジションにいます。リーグの理事でもある土田が代表者で一緒に、試合の運営や公式記録の作成、審判や監督が参加する試合前のミーティングの準備などをします。学生で言うと、学連みたいな仕事です。

キャリア事業部は営業のサポートとシステム管理、データ管理をしています。各企業の人事に対し、Criacaoのリクルーティングアドバイザー(RA)が学生の採用に関わっていますが、そこで発生する事務的な手続きややり取りをRAと一緒にやっています。Criacao社内で使用している個人情報管理システムや、それぞれの会社が利用している採用システムを行き来しながら、情報管理を行っています。選考のフォローをしていくRAは7,8人で、平均して一人が15,6社担当していますが最初の接点はすそ野が広く、多いと学生300人とやり取りしたり、100人単位で企業にデータを送ることも発生します。キャリア事業部のメンバーが学生との面談や人事の方々とコミュニケーションでより価値を発揮できるよう、細かい情報のやりとりを私に集約する形でサポートしています。

バックオフィスは経理、労務、総務全般といった感じで、経費チェックや請求書の発行、勤怠管理などがあり、最近ではオフィスのコロナ対策にも取り組みました。

 

――思い出深い仕事の場面を教えて下さい

入社する1週間前にオフィスに来た時です。私は、挨拶がてら遊びに来るみたいな気持ちだったのですが、入社翌日となる3月2日にクラブの新体制発表会をやることになっていて、その準備が全然できていない状況でした。担当の原田が仕事を持ちすぎていて、他に手が空いている人もいなくて、「できる?」と言われて、「やります」と。

18年シーズンまでは選手の家族や本当に近い距離で関わっている人たちだけを呼ぶ形だったのが、私が関わり始めた19年シーズンから、パートナーになってくれる人たちや選手の知り合いのメディアの方など少し外に開く形になりました。でも日が迫っているのに、名簿もできていない、会場の下見もしていない、当日必要なスタッフ数もわからない、タイムスケジュールもない。最初からアクセル全開で、原田から言われた通りに準備しながら、ステークホルダーを含めてCriacaoがどういう人たちで成り立っているのか、どういう思いで今ここにいる組織なのかというのが肌感として感じられた、すごく濃密な期間でした。

 

 

――大変だった仕事や自分で新しく開拓した仕事はどんなことですか?

二つあって、一つ目はキャリア事業部で、情報を使いやすくするために一旦、システムに入っているデータを出して、もう一度入れ直した時です。

私が入った時には、複数乱立しているスプレッドシートに同じようなデータが入っている状態でした。そこからシステムを導入し半年ほど運用した段階で「ここをこうすれば、使いやすくなるのでは」というアイデアが浮かびました。原田や土田からヒントをもらいながらシステムの構造を把握して、2か月くらいテストを重ねた上で移行作業に移りました。具体的に言うと、学生個人と面談する前に、部活という集団でどのように接点を持ったかなどの情報も、まとめて入れられるようにした感じです。

もう一つが、19年末に社員の増加に備えてオフィスのレイアウトを大幅に変えた時のことです。

この時は、自分の父親にすごく感謝しました。映画やテレビの美術の仕事をしていて、家で図面を引いているのを小さいころからなんとなく見ていたので、模様替えをする時に全体図を描いて、物をどこに置くかとか、導線をどうするかを考える癖がありました。それが活きて、オフィスのありとあらゆるところの寸法を測って、かなり綿密に計画を立てて取り組みました。32,3人座れるようになったんですが、コロナ禍で、たぶん前のレイアウトのままでもよかった(笑)。ただ、以前は無駄なスペースが多かったので整理する良い機会になりました。

私がやっていることって、どの仕事もぐちゃっと散らかっているものをうまく整理して、見やすくするところなので、性に合っていて何でも楽しいです。誰も前にやっている人がいないので、好きなようにできることもあるし、カオスの状態だからこそ整備しがいがあるなと思います。

 

気持ちよく攻められるようなボールを渡す

――お客様から教わった大事なことは何ですか?

私にとってのお客様はCriacaoの人たちなので、やっぱり一番教えてもらったことは「走りながら作っていくこと」です。元々の性格はすごくよく考えて、こういう風にしたらいいなというのが見えてから動き出したいんですが、それを待ってくれない。完璧でなくていいから、とりあえず使えるものを出して、そのあと形にしていくような思考は、この1年半くらいで鍛えられました。

Criacaoでしていることは、ものすごいスピードで落ちてくるテトリスをやっているみたいな感じ(笑)。ブロックの形がバラバラで、いくつか同時に落ちてくるし、枠外にも落ちてくるみたいな状態で。それがゲームオーバーにならないように、きれいに組み合わせてどんどん消して、というイメージで仕事をしています。

 

――仕事でのマイルールは?

これを機に考えてみて、3つあるなと思いました。一つ目は「一人一人に合ったコミュニケーションをとること」。連絡の頻度や方法も含めての話なんですけど、その人が進捗を気にする人だったら、こまめに情報共有をしたり、私からの連絡を受ける人が気持ちよく、負担なく受け取れるかを考えるようにしています。

二つ目は「年次とか関係なく、言うべきことは言う」。私の業務は、いろいろな人に「これを入力してください」とか「提出して下さい」と言うことがかなり多いです。忘れっぽい人や期限を守らない人に対して、うまく自分のキャラクターを使いつつ、言うようにしています。

三つ目は「基本的には断らない」。仕事をしながら「次、もっとやりやすくするにはどうしたらいいかな」とか「他の人がやるなら、どういう情報を蓄積しておいたらできるかな」と考えられるので、引き受けるようにしています。

サッカーで言うと、私は泥臭くボールを拾って攻撃の起点になるDFやボランチみたいな選手が大好きです。運動が得意ではないので、せめてビジネス上だけでも憧れの選手のように立ち振る舞いたい。だから、攻めの選手が気持ちよく攻められるようなボールを渡せたらいいな、と思いながら常に仕事をしています。

 

――Criacao入社前にしていた仕事は?

新卒で日本製粉という会社に入り、冷凍食品の営業と営業企画の仕事を半々くらいでやっていました。スーパーなどが相手の家庭用の営業で、半年に1回、新商品発売があって、棚にどのメーカーのどの商品を入れるかという大きな商談がありました。レンジを持ち込んで、調理したサンプルをバイヤーに食べてもらいながら行います。

私のいた会社の冷凍パスタは全て紙のトレーがついていて、洗い物が出ない、出してすぐ食べられるというアドバンテージがあって、女性の社会進出や一人世帯が増えている中で、なるべく時短で食べられた方がいいですよねとか、洗い物を減らした方が主婦に喜ばれますよ、といった話をしていました。

就活の際に自分の軸として、サッカーに関わることで自分の人生が豊かになったという経験を基に、「世の中を豊かにする仕事をしたい」と思っていました。そういう経験をもたらすものはスポーツだけじゃなく、食やインフラなど私の観点で世の中を豊かにできそうな会社をいくつか受けて、その中で内定を頂いたので決めました。

 

世の中を豊かにしたい

――Criacaoを知ったきっかけと入社の経緯を教えてください

大学3年生になった頃、1学年上の先輩に声をかけて頂いて、リーダーズカレッジに参加したのが最初です。ちなみにその先輩が、8月からうちのパートナーとして副業で働くことになった金田大樹です。その時、当時の丸山や岡本からチームのことを本気で考えるきっかけやヒントをたくさんもらい、部活への取り組みの質が一段上がりました。一橋のサッカー部ではマネジャーは3年生で引退という慣習があったのですが、同期のプレーヤーより早く辞めるのはもったいないと思い、もう1年活動する決断のきっかけにもなりました。

入社した経緯については、「食で世の中を豊かにしたい」という想いで働いていた日本製粉で、冷凍食品を売ることが本質的な豊かさにつながるのかと考え始めたことが発端です。私が考える食の豊かさは、「誰と、どんな風に、どうやって調理して、何のために食べるか?」を自分の頭で考えることにありました。転職活動は全然してなかったですが、「自分の人生をかけて、世の中を豊かにできることって何だろう」と考えるようになりました。

私にとって、その答えは書道でした。私の母と祖母が書道を教えているので、自分も「そのうち教えられたらいいな」と思ってはいたのですが、真剣に考えるうちに、もっと具体的な計画を立てるようになりました。

丸山とは、丸山の前職が伊藤忠の食品カンパニーで業界が近いことから、半年や数か月に一回メッセージをやり取りするくらいのつながり方をしていました。私が疑問を持ったタイミングで、壁打ち的な感じで思考の整理を手伝ってもらっていましたが、「書道、Criacaoで働きながらやればいい」という話を頂いた時は、正直びっくりしました。ただ、「Criacaoの掲げている理念に書道を当てはめても同じことを言えるよね」と丸山と話していたので、すんなりと腹落ちした状態で、入社を即決しました。

 

――あなたの考えるスポーツの価値を教えて下さい

スポーツは自分がプレーヤーとなるか、それを外から見ているかの二元論になりがちですが、もう一つ第三の関わり方があると思っていて、それがサポーターとして応援することや、スタッフとなって組織を支えるようなことです。関わり方の幅があるのが魅力だなと思っています。

私、FC東京のサポーターで今も年間チケットを買っているんですが、勉強も部活も頑張る文武二道の高校に入って、部活に入りながら土日にサッカーを見る方法がないかなと、安易な考えでマネジャーになりました。「監督ってこういう指示出しているんだ」とか「こうやって守っているんだ」と知るのは、自分にプレー経験がないから新鮮で、プレーしなくても現場に関われると、高校生の時に知れたことは、すごく大きかったです。

「スポーツ苦手だし、一生関わらない」くらいの気持ちだったのが、両親に連れられてサッカーを見に行くようになり、面白くてはまっていって、マネジャーやスタッフとしてチームを支える環境に飛び込んだことで、いろいろな人との出会いがあったり、すごくいい経験ができた学生時代でした。 今は立場が違っても、Criacaoが目指す理念を体現するために、戦うことにコミットしていると思います。選手には伝わりにくいかもしれませんが、私は本部でめちゃくちゃ戦う気持ちで記録を取っていますし、熱い気持ちを持って仕事をしているので、関わり方に変わりはないです。

 

――Criacaoを通じてどんな豊かさを創造したいですか

人と人との繋がりだなと思っています。どれだけオンライン化が進んでも、最後はアナログな人と人との繋がりであってほしい。Criacaoの試合に来た時に選手はもちろん、スタッフやCriacaoを応援している人たちが顔を合わせて繋がっている状態を作っていきたいです

選手とは試合の時以外は顔を合わせなくても、同じ目標に向かっていることがわかっていますし、何より、私自身が試合で活力をもらって、「次の一週間、頑張ろう」と思えているのが、豊かさだなと。月曜日に、体は疲れているけど、アドレナリンが出て、それはスポーツならではというか、Criacaoならでは、と思っています。