J3クラブライセンス交付のお知らせと、代表 丸山から皆さまへのメッセージ
この度、Criacao Shinjuku(クリアソン新宿/JFL 所属)は、9月26日の公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)理事会で、2024シーズンのJ3クラブライセンスが交付となりましたので、お知らせいたします。
なお、今後のJリーグ入会(J3リーグへの参加)は、9月末までに「Jリーグ入会」を申請しJリーグ理事会によって承認された上で、JFL(日本フットボールリーグ)での順位要件を満たすことにより、来季のJ3リーグへの参加が可能となります。
本日9月26日、Jリーグの理事会にて、クリアソン新宿にJ3クラブライセンスが交付されました。この出来事は、東京23区内のクラブとして初めてとなりました。この決定を心より嬉しく思うと共に、Jリーグ、JFA、JFL、関東サッカー協会、東京都サッカー協会、新宿区サッカー協会、新宿区、クリアソン新宿のパートナー、応援いただいているファンの皆さま、新宿をはじめ、クリアソン新宿と関わっていただいている多くの皆さまに、心より感謝申し上げます。
想いが募ってしまい、長文となることお許しいただければと思います。
クラブ設立が2005年、東京都社会人サッカーリーグ4部に参入したのが2009年、そして株式会社Criacaoを創業してから10年が経ちました。私は最初から、東京23区内に拠点を置くことを決めていました。
1993年に発足したJリーグは、10クラブだったものが、現在は60クラブ、41都道府県に広がりました。日本にサッカーの裾野が広がった、素晴らしい30年でした。
その中で、まだ東京23区内に本拠地を置くJリーグクラブはありません。Jリーグ発足とほぼ同じころ、同じ規模でスタートしたイングランドのプレミアリーグとは現在、市場規模で10倍近く差があります。そして、イングランドの首都・ロンドン周辺にはJ1相当のクラブが6クラブあります。
ヒト・モノ・カネ・情報の集まる場所に、Jリーグのクラブがあることが、経済的なインパクト、社会的なインパクトをもたらし、それが日本のサッカー界、もっと大きく言えば日本や世界に貢献できると、心から思うと同時に、大義をもってチャレンジしてきました。
この挑戦は当初から、都心にスタジアムが少ないことを理由に「難しい」「厳しい」というお言葉をいただいてきました。特に、株式会社ファジアーノ岡山スポーツクラブの前代表取締役 木村正明さんは、東京23区にJリーグクラブをつくるという決心をして会社を辞める直前の私に対して時間を作ってくださり、「今すぐ、伊藤忠商事に頭を下げて、辞表を撤回してきた方がいい」と諭され、どれだけ厳しいチャレンジなのかを教えていただきました。それでも私は諦められず、クラブ経営を学ばせてくださいとお願いをし、今日に至るまでたくさんの温かいご指導をいただきました。
都心でサッカークラブを経営する大変さは現在もなお続いています。スタジアム問題はもちろん、練習場としてお借りしている新宿区の落合中央公園は、正規のコートサイズより縦の長さが20メートル近く足りません。このJ3クラブライセンスも昨年は不交付となりました。
様々な厳しいお言葉をいただく日々でした。しかし「ない」ところに目を向けるのではなく、そこに価値があるならやろうと言ってくれる仲間がいました。勇気を持って飛び込んできてくれた選手、スタッフ、社員、そしてその家族。この仲間と共に、どうすればサッカーを通じて、新宿の皆さまや社会にとって価値のある存在になれるのか、考えて、行動して、たくさんの地域活動、パートナーとの事業開発など、価値共創を積み上げてきました。
全国のJリーグ、JFL、地域リーグのクラブ経営者を訪ね「都心にクラブがあることは、対戦する地方クラブにとっても、新規顧客の開拓になり、サッカー業界にとっても大きなメリットだ」というありがたいアドバイスもいただきました。
都リーグ時代からのパートナーである株式会社アセットリードの北田理社長は、私たちが「世界一を目指す」と言った時、決して笑うことなく、共感し、「クリアソン新宿のチャレンジには大義がある」と力強く伴走してくださっています。新宿区の吉住健一区長も、15位に終わり苦しいシーズンとなった昨年も「苦しい時こそ応援するのが、新宿の粋」と温かいお言葉と、試合にも足を運んでくださいました。
こうした方々のお力添えもあって、新宿区のスタジアムである国立競技場で昨年より二度のホームゲーム開催。それぞれ1万人を超える方々にお越しいただきました。今年は、現在順位も4位につけています。新宿をはじめとする皆さまや、サッカー界の皆さまも、少しずつ可能性を感じ、歩みを共にしていただけるようになりました。
壁があっても、その先に大義があるのなら「どうすればできるか」だけを考えてきました。たとえ誰かに無理だと言われても、志を掲げて、そこに集まってきた人たちとサッカーのようにチームとなり、弱みを補い、強みを活かし、あきらめずに続けていれば実現できないことなどないと思いました。
新宿という街が、まさにこうしたチャレンジの連続によって成り立ってきたことは、東京商工会議所新宿支部 髙野会長をはじめ、街の皆さまに教えていただいていたことでした。自分たちも新宿の一員として、そういった存在でありたいと考えています。
改めて、たくさんの方々の支えのおかげで、JリーグからJ3クラブライセンスの交付をしていただけたこと、心から感謝しております。私たちは、先人たちが積み上げたサッカー界の歴史の、ほんの一端に立たせていただいているだけです。その上で、今、東京23区のクラブだからこそ出せるインパクトをもって、サッカーがつくる豊かな社会に貢献していきたいと考えています。950万人が住む東京23区からサッカーを通じて、新宿、東京、日本、アジア、世界が豊かになる、太陽のようなクラブになりたいと思っています。
今シーズンは残り7試合、皆さまと共に全力を尽くして、J3昇格を達成したいと思います。この度は、本当にありがとうございました。
Enrich the world.
Criacao Shinjuku 代表/株式会社Criacao 代表取締役社長CEO 丸山和大