Criacao Player’s Story −On the Road− Vol.4 岡本 達也「チームメイトと補完しあえるからこそ、面白い」

Criacao Player’s Story −On the Road− Vol.4 岡本 達也「チームメイトと補完しあえるからこそ、面白い」

Enrich the world. を掲げ「誰もが豊かさの体現者となれる社会」を目指す Criacao Shinjukuは、JFL昇格のために2020シーズンを戦う。その中でも、株式会社Criacaoで働きながら、プレーだけでなくビジネス面でも、チームの掲げる理想の体現に挑み続ける選手たちのサッカー人生をひもとく。執筆を担当するのは、2020年4月に株式会社Criacaoに入社した浦上。新型コロナウイルスの影響もあり、ほとんどの選手にまだ会えておらず、ピッチでの活躍も見られていない僕の客観的な視点で、選手であり、同僚でもあるメンバーのCriacao Shinjukuにかける想いを聞いてみた。


「チームメイトと補完しあえるからこそ、面白い」岡本 達也
初回は、 株式会社Criacaoの5人目の社員であり、二度 Jリーグを経験している#50 岡本達也選手。人を惹きつける純粋さと、背中で引っ張るストイックさをあわせもつ男は、会社でもチームでも大きな存在感を放つ。彼はどんな想い で、仕事とサッカーを両立しながら、三度目のJリーグを目指しているのか。

何も持っていなかった Jリーガー

Jリーガー出身の岡本。加入当初はサークル出身メンバーなど、周囲とのギャップに苦しむことがあったという。そんな中でも、「クリアソン新宿 は自分が伝えたい『スポーツの価値』が詰まったチームだ」と言えるのは、チームメンバーへの大きなリスペクトがあるからだ。岡本が伝えたいサッカー、『スポーツの 価値』 について詳しく話を聞いた。

何の能力も持っていなかった
小学校のころから、足は遅いし、そのほか目立った特徴があったわけではない。そんな中で、自分が活躍するには、能力のある人たちの「あいだ」に立ち、価値を発揮するしかなかった。自分が、潤滑油的な存在になることで、周りの力を引き出し、チーム全体の総和を大きくすることに注力した。

ナンバーワンになれない。だからこそ、オンリーワンにならなきゃ、という思考は強かったという。

ランダムなレギュラー、ベストでないメンバー
ユースからの昇格で入団したジュビロ磐田から、順天堂大学に進学。そこで、彼のサッカー観を大きく変えることとなる、吉村先生(現順天堂大学スポーツ健康科学部学部長)と出会う 。公式戦メンバーをほぼランダムに選ぶなど 、吉村先生独自の手法を通し「ベストメンバーじゃない中でどう勝つかの重要性」「互いにできることを全力でやることで生まれる信頼関係の強さ」といった考え方・価値観を学ぶ。

(左)ユースから昇格したジュビロ磐田時代の岡本  ©︎JUBILO IWATA
(右)順天堂大学蹴球部では、#16の伊藤大介ともプレーした

それはプロで経験した、「うまい」か「へた」かというシンプルな価値観とは大きく違っていた。明らかにベストじゃないメンバー。しかし、そんなメンバーが必死になってボールを追う姿勢・できることに真剣に取り組む姿勢に試合中に刺激を受け、普段以上のプレーができている自分に気づく。

ベストじゃないメンバーが、お互いに潤滑油となり、影響しあうことで、1+1が2以上の力になって、格上の相手に勝つことができた。お互いがお互いの弱みを補う。そして、それだけでなく、お互いの強みを伸ばすこともできる。

今まで自分の知らなかった、サッカーの面白さに気づく。「サッカーはお互いに補完しあうスポーツだ。だから、最高に面白い。」そう、確信した。チームメイトの「あいだ」にたち、オンリーワンになることを模索し続けた岡本だからこそ、「補完」という思考を素直に受け入れられた。

サッカーとビジネスの「あいだ」

バイト&社会人と会いまくる
大学卒業後、2度目のプロ挑戦。自身のプロ生活最後の年、ガイナーレ鳥取ではキャプテンをまかされた。前年の降格をはねのけ、1年で昇格する。目標は明確だった。しかし、昇格はできなかった。ガイナーレ鳥取での契約更新が難しい中、海外のトライアウトにも挑戦した。

しかし、最後には「サッカーで生活ができないなら、プロは引退」そう決意する。コーチや強化部へのオファーはあったものの、プロ選手としてではなくサッカーに関わり続けることを、イメージできなかった。

二度目のJリーグ挑戦は、ガイナーレ鳥取で終える

元プロとして、選手時代を栄光の日々のように語ることはしたくなかった。いつまでも「現在進行形」で「イキイキ」したいし、何かに熱中したい。そう思っていた。

そこから、今までいたプロサッカー選手の世界を飛び出し「現在進行形」で「イキイキ」することができるものは何か、を探し始める。たくさんのビジネスマンにあったり、村井満 Jリーグチェアマンに直接会いに行ったり、はたまた、ラーメン屋でバイトしたり。

株式会社Criacaoとの出会い
自分の感覚を信じ、探し続けてきた中で、株式会社Criacaoの創業メンバーと出会う。本当に仕事を楽しみ、熱中している3人だった。この人たちみたいに働けたら、「現在進行形」で「イキイキ」できるのではないか。そう思い「インターン」として参加する。

株式会社Criacaoが主催する社会人向けのイベントなどにも、インターンとして参加するようになった。経営者や企業の人事と話していて、学ぶことが多いと同時に、自分の話「プロサッカー選手としての話」が、ビジネスパーソンに新しい視点を提供できたりパワーを引き出したりという「補完」の役割を果たすことを偶発的に知る。プロ選手引退後にサッカーに関わることに価値を見いだせなかった自分がサッカーの価値、スポーツの価値を、スポーツ界以外の世界で、感じることができた。

「補完」の体現者となる
スポーツ選手はスポーツの世界、ビジネスパーソンはビジネスの世界で生き、それぞれは基本的に交わらないと思っていたところに、スポーツ→ビジネスという世界を渡った人間として、スポーツの世界での経験を語った時に、自分の経験は、ビジネスパーソンの力をもっと引き出せると感じた。

体現者であるために、岡本はピッチに立ち続けている

同時にビジネスパーソンからの学びは、それを古巣であるスポーツの世界に持ち込むことで、アスリートに対してより広い世界を開き、隠されていた力や才能を発揮させることにつながると感じた。その経験から、自分は、スポーツとビジネスの双方を知るものとして、それぞれのプレーヤーの思考や魅力をもっと開かせる「補完」の役目が出来るのではないかと考えた。

そして、それを体現できる場所、株式会社Criacaoで働きたい。そう思い、入社を決めた。

ビジネスをするということ

「スポーツを頑張ってきた学生」と「企業」を結びつけるキャリアアドバイザーという職種は、彼の考える「補完」をそのまま形にしたような仕事だ。

学生にはビジネスの本質を紐解き、スポーツで培った力を新たなビジネスというフィールドでの可能性につなげていく。かたや企業へは、ビジネスの課題、人材の課題に、スポーツを本気で突き詰めてきた人間の思考や特性が役立ち、ビジネスが前進していく可能性があることを伝えている。そんな毎日を過ごす中で、「補完」の役割を担っていた自らの思考にも変化が訪れる。

ビジネスが、サッカーを研ぎ澄ます
サッカー人生を「感覚」をたよりに生きてきた岡本に対し、ビジネスでは「ロジック」を求めてきた。結果鍛えられた「言語化」という新しい神経回路は感覚のサッカーに裏付けを与えた。

なぜ相手や自分がそのプレーを選択したのか。今、自分がどんなプレーをすべきか。精度が大きく上がった。また、チームの目標や自分のスキルを構造的に理解できるようになり、今、何をすべきなのか、選択肢を認識したうえで、自らの意思で選択できるようになった

ビジネスでの挑戦が、サッカーのプレーにも刺激を与える

サッカーが、ビジネスに問いかける
サッカーは、ミスがつきものだ。足は脳から最も遠く、器用に使いこなすことが困難な部分。加えて、1得点の価値は大きく、1つのミスが勝敗を左右することもしばしば。いってみれば、理不尽なスポーツだ。

それだけじゃない。クリアソン新宿 のメンバーには、仕事がある。家族がいる。家が遠い。年齢を重ねてきた。そんな様々な制約のなか、サッカーをしている。言い訳がいくらでもできる中、だれもが妥協せず、言い訳せず。
  
今、自分は、やれることを本当にやりきっているのか?妥協していないか?言い訳をしていないか?クリアソン新宿でサッカーをするときに常にそう問われていると、ビジネスのフィールドにおいても、それが癖になってくる。サッカーが、サッカー選手・岡本を通して、常にビジネスパーソン・岡本の弱さを見据え、問いかけてくる。

当たり前に「抗う」

サッカーを通して気づいたスポーツの価値「人の弱点をカバーし、強さを引き出す補完」という力を使って、アスリート、ビジネスパーソンの双方に対しもっともっと魅力を引き出していきたい。

そして、今度はそういう人たちや所属するクリアソン新宿に、もっともっと自分の強さも引き出してもらいながら、3度目のJリーグのピッチに立ちたい。今、岡本はそう思っている。

補完とは、辞書では「欠けているところや不十分なところを補って完全なものにすること」と書いてある。岡本の「補完」はその更に上にある。「目指すのは完全ではなく、完遂。人と繋がり、支え、夢や目的の完遂のための一助になること」である。

「仕事をしながらJリーグに行く」「サッカーでもビジネスでも、選手としてもビジネスパーソンとしても価値を出し続ける」今の世の中で、「無理」だと思われているような目標でも、クリアソン新宿 のみんなで「補完」しあえば、達成することができる。そして、それを通して、一人でも多くの人が、当たり前にとらわれず、自分の心、ありたい姿に真っ直ぐ、生き生きとできることに向き合える世の中にすること。それが岡本がクリアソン新宿 というチームで成し遂げたいことだ。

もう一つ、岡本自身の目標があるという。2025年、クリアソン新宿が世界一のクラブになったとき、「過去最高の自分」として、ピッチに立っていたいのだとか。「年齢とともに、衰えるもの」「40歳でビジネスをしながら3度目のJリーガーは無理」という当たり前への抗い。

ビジネスでも、その考えは変わらない。常に、今の自分をアップデートし、超え続ける。今の自分が、過去最高の自分であり続ける。そうすることで、より多くの人に岡本らしいアプローチをし続ける。それが、サッカー選手であり、ビジネスパーソンでもある岡本の将来像だ。

今日も、昨日の自分を岡本は超え続けている。

岡本はこれからも成長を止めない

 

 


 

written by
浦上嵩玄(うらがみたかひろ)
2020年4月に株式会社Criacaoに入社。中高は勉強一筋。大学はラクロスに打ち込んでいたが、サッカーはほぼ未経験。そんな自分が、なぜサッカークラブ Criacao Shinjukuと、その選手たちに魅力を感じるのか。チームやみんなの想いをもっともっと深く知りたく、取材を決意。

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