Interview by Player 株式会社ティー・ティー・シー (文=#16 伊藤大介)

語り手:株式会社ティー・ティー・シー 代表取締役社長 髙橋鉄平さん 
聞き手:Criacao Shinjuku 選手#16/営業部 伊藤 大介
撮影 :株式会社Criacao デザイナー・カメラマン 川口創史

掲載日 2021年10月27日

「この会社は、いずれお前に任せたい」

伊藤:
インタビューアーとして不慣れですが…(笑)本日はよろしくお願いいたします。まず、株式会社ティー・ティー・シー(以下TTC)がどんな会社なのか、教えてください。

髙橋さん:
TTCは、貿易を総合的にサポートするコンサルタント会社を目指し、1989年に創業いたしました。私たちは、海外から物を輸入・輸出する際の通関手続きを、商社やメーカーに代わって手続きをする会社です。

輸出入する貨物は色々あるのですが、主に食品に特化して通関のサービスを提供しています。日本は食料の自給率が40%に満たず、60%以上を海外に依存している国なので、圧倒的に輸入の仕事の方が多いです。

お客様の商品を海外から輸入して日本のスーパーやコンビニに流す。その全体の流通の中の、さらに一部の「関税を払う通関手続き」に特化している、黒子的な仕事です。その業務には、通関士という国家資格が必要で、社員の半分以上がその資格を持っています。

伊藤:
高橋さんが社長になられた経緯を教えてください。

髙橋さん:
今年で入社23年目になりますが、12年目の2009年に社長になりました。TTCは、中学時代のバレーボール部の同級生の父親が経営をしていた会社でした。大学生になって、彼の家に遊び行った際に、入社の誘いを受けたんです。当時は就職氷河期で、そのせいで部活に出られない人も多かったので「早く内定を決めて、部活に専念する人がいてもよいのでは」と考えて、割と安易に入社を決めました。

当時は「貿易ってかっこいいな」というイメージだったんですが、入社してから、TTCがやっているのは貿易の中でも通関という黒子だったことに気づきました(笑)。当時は、10人ほどの会社だったんですが、社長から「この会社は、いずれお前に任せたい」という言葉をいただき、早い段階から後継者指名を受けて、かなり厳しく、長い年月をかけて育てていただきました。

伊藤:
次に、TTCの理念について教えてください

髙橋さん:
TTCでは「Mission=存在する目的」「Vision=叶えたい未来」「Value=共有したい価値観」を理念として置いています。ベースは私が考えましたが、会社の幹部全員で一つ一つ「コトバ」を紡ぎながら作り上げました。

MissionはTTCの社名の由来である「Total Trade Consultants!」です。まさに社名がMissionということです。当初は「関わる全ての人々の幸せを願い、常にプラスアルファの価値を提供し、社会から選ばれ続けることを目指します」という言葉がありましたが、覚えにくいということで、シンプルにしました。

Visionは、「最幸のチームワークで通関をもっと楽しく」です。最高の高をあえて「幸せ」という字にして、社員一人一人が幸せに仕事ができるチームを作っていこうという意味を込めています。私は、学生時代はバレーボールをしてきて、攻撃・守備など、それぞれに役割がある環境で育ってきました。

ところが、就職してみると、自分のことばかりを考えてしまう人もいて、そのせいで会社を辞めてしまう人が多かった時期もありました。なので、何年もかけてチームワークを築いてきました。その中で、クリアソン新宿にも大きく影響を受けました。ただ勝てばいいのではなく、自分たちの大切にしていることをやり切る。誰もが手を抜かず、最後まで声を出す。今どき古臭いなと思いながらも、こういった姿を自分の会社でも実現できたらいいなとずっと思っていました。今までは、それを言葉にしてきませんでしたが、現在は「最幸のチームワーク」というVisionとなりました。

Valueは、「自分事」「プロ意識」「公明正大」「肯定ファースト」そして、この4月に「おせっかい」が加わって5つになりました。Valueが実現できればVisionに、Visionが実現できればMissionに近づけると思っているんですが、ValueからVisionのつながりがイメージできず何か足りないということで、最後に「おせっかい」という言葉が出てきました。これらの理念は、これからもどんどんバージョンアップさせていきたいと思います。「理念を石碑に刻まないこと」が大切だと思っているので。

伊藤:
高橋さんが社長として大切にしていることは何ですか?

髙橋さん:
会社としては、社員のみんなが理念を体現をして、楽しく働いてほしいと思っています。会社のために働き、TTCのことが好きだと言ってもらえるのはすごく嬉しいけど、仕事は人生を楽しむための手段として位置付け、その経験を通じて、一回しかない自分の人生を楽しんで歩んでもらいたいと思っています。「楽しいは正義」ですから(笑)。

クリアソン新宿と自分を重ねていた

伊藤:
クリアソン新宿との出会いについて教えてください。

髙橋さん:
丸山さん(Criacao Shinjuku代表)の伊藤忠商事株式会社時代に、仕事でお付き合いをしていたのが始まりです。そこから、伊藤忠を辞められてクリアソンに専念するようになったときから、試合を観に行くようになり、応援するようになりました。当時は、碓田さん(法人パートナー 株式会社金吾堂製菓 代表取締役社長)と、よく試合観戦に行っていましたね(笑)。それまでは、あまりサッカーを観る機会がなかったんですが「サッカーって面白いな」「クリアソン新宿って面白いな」と思うようになりました。

ただ当時は、今みたいな感情ではなく「時間があったら行こう」くらいの感じでした。しかしいつの間にか、他人ごとではなく、クリアソン新宿の試合を観ると自分が奮い立たされる感じがするようになっていきました。そのときのクリアソン新宿は、東京都1部で何度か昇格を逃し停滞していている時期で、ちょうどTTCもうまくいっていない時期で、そのときにクリアソン新宿と自分を重ねていたんです。

そこから、遠方の試合でも足を運ぶようになりました。会場では選手の親御さんたちとスタンドで一体となって、声を出して応援して…僕が応援に行かないと、みんな寂しがるんじゃないかと思うようになっていきましたね(笑)。

伊藤:
そこから、クリアソン新宿とTTCがパートナーになるまでには、どんなストーリーがあったんですか?

髙橋さん
丸山さんからパートナー契約のオファーをもらったのが、会社として厳しい時期を脱し、さらに理念をバージョンアップしたときでもあったので、すごく良いタイミングで声をかけてきたなと思ったんですよ(笑)。

過去に一度「協力できることがあればするよ」って伝えたことがありました。当時は今以上に、クリアソン新宿は援助をしてもらいたかったはず。にもかかわらず「我々はまだ準備ができていないので、何年後かにしっかりと支援してもらえるようなクラブになるまで待っていてください」と丸山代表に返事をされ、すごいなと。

また、その当時から「2025年に世界一になる」ということを言っていて「正直難しいのではないか」と思っていました。いつか「世界一」なんて言わなくなるのではないかとも思っていました。ただ、そこに向かって緩めることなく突き進み、そして、そんな人の周りにはすごく素敵な方たちが集まる姿を見て、これも純粋にすごいなと思いました。私自身が丸山さんに惚れ込んだことが、パートナーになったきっかけです。

なので、6、7年前から「いつか、パートナーという関係になれたら良いな」と思っていました。2021年のこのタイミングで、会社として応援していきたいと考え、一緒に歩みを進めていくために契約に至りました。

人間臭く、手探りで試行錯誤しながら乗り越えていく姿をこれからも見たい

伊藤:
素敵なお話しをありがとうございます。長年の想いが実ったパートナー契約ということですが、最後に、これからクリアソン新宿と取り組みたいことを聞かせてください!

髙橋さん
「最幸のチームワークで通関をもっと楽しく」というVisionのもと、通関というビジネスをしていますが、やっぱりチームワークがうまくいかないこともあります。そんなときに、クリアソン新宿や、株式会社Criacaoがチームワークを大切にしながら活動をしている中で得た学びや気づきを共有してもらいたいです。ブラインドサッカー研修や、プロを経験した選手が経験を語る研修、試合観戦…形は何でもいいので還元していただき、私たちもチームワークの本質に迫っていきたいです。

逆に私たちからも、チームワークを通じて、通関という仕事で働く社員の幸せを実現し、その成功事例をクリアソン新宿に還元できるかもしれない。お互いが良い刺激を与え、高め合い、お互いの理念を共感できるような、そんな関係を築いていきたいです。

クリアソン新宿には、上のカテゴリーを目指して、まずはJリーグに進んでほしいですし、実現できると信じています。だけど、ただ勝つだけではなく、チームとしての「あり方」、理念を体現しながら勝っていく姿を見たい。人間臭いけど、手探りで試行錯誤しながら乗り越えていく姿を、これからも見たいです。クリアソン新宿の場合は、その先に、結果がついてくると思います。

今、お互いの理念は、言葉は違いますが意外とつながっていて、だからこそ共感しあえる部分が大きいと思っています。とにかくクリアソンの理念が好きなので、ここに共感して、応援し続けたいです。


インタビュー後記

6年、7年のときを経てのパートナー契約締結の話を聞き、髙橋さんと丸山のぶ厚い関係性を改めて感じたインタビューでした。これから共に歩みを進めていく中で、TTCの皆様が、クリアソン新宿と関わることによって価値を感じてもらえるような取り組みに努めていきたいと思いました。

#16 伊藤大介