Interview by Player e-kids

語り手:e-kids 石田 真紀 先生
聞き手:Criacao Shinjuku選手 #16 伊藤大介
撮影 :(株)Criacao デザイナー・カメラマン 川口創史

掲載日 2021年3月4日

NFLチアリーダーから、e-kidsインストラクターへ

留学から帰国した際、チアで学んだ経験を子どもたちに伝えたいと思って、色々なスクールの話を聞きましたが、あまり魅力を感じることができませんでした。私はNFL(National Football League・アメリカのプロアメリカンフットボールリーグ)でチアリーダーをやっていましたが、実はダンスが得意ではなく、ダンスだけを習いたい人には「私じゃなくてもいい」と感じたからです。では「私が教えるのって何だろう」と考えたときに、ダンスはもちろん、夢を叶えるために大事な「あきらめないこと」を伝えたいと思いました。

そんなとき、e-kidsという組織に出会いました。e-kidsはスポーツ(チア)に英語というアプローチをかけ合わせ、「根性を鍛える英会話スポーツ教室」としています。私はその「根性」という言葉に、自分のスイッチが入る感覚があって、e-kidsで先生をすることになりました。

この「根性」とは、将来、子どもたちが自分の夢を自分で叶える力を持つための教育です。子どもたちが、自分でやりたいことや、目標・夢が見つかったときに、自分でそれを掴む。自分の感情をコントロールしながらも、感性豊かであること、できないことを一つずつクリアしていくことの大切さを伝えています。

そして、夢を実現することは、一人だけの力ではできません。たくさんの壁にぶつかりますが、それでも周りの人たちの協力を得ながら進んでいくものです。そんなときに、分からないことを「分かりません。教えてください」と素直に、勇気を持って言える心が備わっていることが大事です。だから、e-kidsでは、ただスポーツと英語をするのではなく、心を鍛える、つまり「根性」について厳しく指導しているのです。

また、e-kidsの教育理念「出来る子がやるのではなく、やる子が出来るようになる」に年齢は関係ありません。実際に、私はダンス未経験で、みんなからは絶対無理だと言われている中で、大人になってからチアリーダーを目指すという経験をしました。「大人になってからでも、あきらめずに頑張れば夢は叶えられる!私が証明してやる」と思って、チャレンジし続けたことで、世界最高峰のNFLの舞台に立つことができました。子どもたちにも「やるから出来る」というあきらめない気持ち、根性の大切さを伝えていきたいと思っています。

「クリアソンって良い人たちがいる」

クリアソンとの出会いは、ブラインドサッカー研修に私が参加したのがきっかけです。目が視えるという、自分が当たり前だと思っていた世界から離れたとき、改めて人と人とのコミュニケーションの大切さについて学ぶことができました。

そこで講師をされていた、剣持(# 22)さん、(岡本)達也(#50)さんの人柄に触れて「クリアソンって良い人たちがいるな」と思いました。話をしていく中で、サッカークラブの存在やクリアソンの理念を知り、e-kidsと出会ったときと同じくらいの衝撃と感銘を受けたんです。その後、私からお願いをして、達也さん、そして丸山(Criacao Shinjuku 代表)さんにもお時間をいただきました。そこで「クリアソンの試合で、e-kidsチアリーダーの応援の場をつくっていただきたい」とプレゼンをしました。

e-kids チアリーダーズはチアの競技や大会に出場しているわけではなく、応援をリードする存在であるにも関わらず、その応援の場がありませんでした。もちろん、自分たちの応援の場がほしかっただけではなく、保護者様や子どもたちにもチームを知ってもらい、クリアソンのことをしっかりと理解した上で、ぜひ、応援をさせていただきたいと打診をしました。

クリアソン新宿がJリーグクラブになったとき

クリアソン新宿とは、東京都社会人サッカー2部リーグ時代から、一緒に活動をしています。2017年にクリアソン新宿の公式チアリーダーとなりました。最初は、エスコートキッズを任され、選手のご家族にも見守られながら、本当に温かく迎え入れていただき、子どもたちも嬉しそうでした。今では、チアの応援パフォーマンスをはじめ、会場運営のお手伝い、ヒーローインタビューを一緒にやっています。

グラウンド外でも、株式会社金吾堂製菓がクリアソン新宿のパートナーであると知って「みんなが好きなクリアソン新宿を応援してくれている仲間を、e-kidsも応援しよう!」ということで、年2回の大売り出しのお手伝いをしています。

e-kidsチアリーダーズの応援とは、パフォーマンスをするのみではなく、クリアソン新宿の勝利を信じ、共に戦うということです。e-kidsが会場に来ると負けないというジンクスまで生まれました(笑)。クリアソン新宿の試合を観戦してくれた方々が、e-kidsの姿を見て、笑顔になったり、クリアソン新宿をもっと身近に感じ、好きになってくれると、とても嬉しく思います。

これから取り組みたいことは、本当にたくさんありすぎて…(笑)。クリアソン新宿がカテゴリーを上げていく中で、子どもたちにも、クリアソン新宿専属チアリーダーズとして、プロの舞台でも活躍する場所つくってあげたいと思っています。

クリアソン新宿がJリーグクラブになったとき、小さい頃から応援していたe-kidsが大人になっても変わらずにクリアソン新宿を応援している姿は、新宿の地域の方々やファンから愛されるチアリーダーとなることでしょう。また、トップチームのチアリーダーとして活躍する中で、キッズチアの育成を担ってくれるような雇用をつくり、チアとして子どもから大人まで、クリアソン新宿と関われるようなサイクルができると良いですね。

これまでもe-kidsの活動や多くの要望を、形にしてくれたのがクリアソン新宿の皆さんです。子どもたちと誰も見たことがない景色を見ること、人々の心が豊かで、誰もが笑顔でいられる世界を実現してくれることを願っています。とにかく、皆さんが素晴らしい理念の元に成し得ようとしていることを、共に達成していきたいです。これからもよろしくお願いしマッスル!!!


インタビュー後記

石田さんの非常に明るい人柄によって、終始笑顔があふれるインタビューとなりました。そして何より、元気をいただきました。

e-kidsは、スポーツと英語をしているだけでなく「心」の教育をしていること、その中で、石田さん自身が経験した、本場アメリカのチアの良い部分と日本の良い部分を融合させていることを知り、魅力あるスポーツ教室だなと感じました。

インタビュー後には、レッスンも見学させていただきましたが、石田さんがお話されたことが体現されていて、子どもたちも充実した顔でレッスンを受けていたのがとても印象に残っています。2020シーズンは新型コロナウイルスの影響で、無観客試合、静かな中での公式戦を戦いましたが、改めてインタビューをさせていただき、早くe-kidsの皆さんの声援や笑顔があふれる会場で試合をしたい、たくさん喜びを分かち合いたいと思いました。

伊藤 大介