Interview by Player 株式会社金吾堂製菓

語り手:代表取締役社長 碓田剛士さん

聞き手:Criacao Shinjuku 選手 #16 伊藤大介
撮影:株式会社Criacao デザイナー・カメラマン 川口創史

掲載日 2020年7月6日

みんなをまるく。世界をまるく。

1950年8月に祖父が始めた金吾堂も、今年の8月で創業70年になります。当時、祖父はあられ屋さんで働いていて、そこから独立をして、現在の本社があるこの地で、お煎餅屋をスタートしました。

金吾堂という名前の由来は、創業者である祖父が、当時人気だった落語家 柳谷金五郎さんから抜粋したことで金吾堂となりました。弊社は、創業から長い歴史を歩み、代々受け継がれてきたものを大事にしてきました。変えてはいけないものと、それでも変えなければならないものは、多くの時間を使って、会社に関わるみんなと話をして、現在に至ります。

私たちは「真面目においしいものづくりを通して、笑顔の絆をひろげます」という理念を掲げています。弊社の仕事は、ただおいしいお煎餅を作って販売することではありません。お煎餅を購入していただいたお客様が、家族・友人・仲間と団らんしている中で、皆が笑顔で繋がり、その中心にお煎餅がある、いつもそんな光景を想像して商品作りをしております。お煎餅がみんなの笑顔を作ることを、何より大事にしているのです。

経営方針にも「社員の笑顔を作ります・お客様の笑顔を作ります・社会の笑顔に貢献します」というように、ここでも「笑顔」はキーワードになっています。笑顔、みんなを繋げる=丸いというイメージは、お煎餅の丸さも重なり、この世界観は「みんなをまるく。世界をまるく。」という、私たちのビジョンにも反映されています。

クリアソン新宿は、理念をピッチで表現するチーム

丸山さん(Criacao Shinjuku 代表/株式会社Criacao 代表取締役社長)との個人的なお付き合いから、クリアソン新宿とのご縁が始まりました。お互いの前職である伊藤忠商事時代に、丸山さんが私の二期後輩で、同じ食料カンパニ―という部署で働いていました。伊藤忠商事のサッカー部でも一緒で、丸山さんがFW、私がGKでした。当時から、先輩後輩関係なく近い存在として公私ともに仲良くさせてもらっていました。

丸山さんは職場で活躍をしていました。特徴としては顧客目線で、顧客のために良いことを実行していて、上司からも高い評価。ずっと伊藤忠商事で活躍し続けていくのだと思っていましたが、そんな中で伊藤忠商事を辞めて、一から起業されました。

そして、創業当初に丸山さんからクリアソン新宿のパートナーシップのお話を聞き、今に至ります。

まずはクラブにというより、丸山さんの人柄と想いに魅力を感じました。仕事を一生懸命にやり、自分の利益だけでなく、利他の精神を持ち、時にはチャーミングな丸山さんの人柄に惹かれていたんです。「選手が誰かに応援されているという想いを感じて、サッカーに向き合ってほしい」という想いを聞いて、力になりたいと思いました。

最初は、丸山さん個人を応援するような感じでしたが、試合を見て、選手・スタッフ・関係者を知って、今ではクリアソン新宿に惚れ込んでいます。クリアソン新宿を応援したいという気持ちになっています。特に、サッカーに対してただ勝ち負けだけを求めるのではなく、自分たちの在り方や、理念を大事にする、それをピッチで表現しているところを見ると、すごく気持ちが良くなる。

ピッチ外でも、SNS を通して価値を発信していて、クラブが伝えたいこと、選手の深い部分を知ることもできて、次の試合を見るのが楽しみになっています。クラブの理念を仲間と体現する、クラブとして伝えたい価値をピッチ内外で表現する、そんな姿勢に、みんなが応援しているのだと思います。

今のまま変わらずに、突き進んでほしい

これまでの取り組みとしては、弊社のお煎餅のPR活動、年二回の創業の地(本社)で開催する感謝祭売り出しでは、選手の方々がお手伝いに来てくれたり、e-kids(e-kids NFL cheerleaders/Criacao Shinjuku アライアンスパートナー)の子供たちが場を盛り上げてくれたりしました。昨年の関東リーグ第4節では、試合会場でお煎餅を配る『おせんべいマッチ』を実施しました。

今後は、株式会社Criacao、クリアソン新宿との交流を通して、切磋琢磨していける関係になれたらと思っています。私自身、仕事のスタイル・経営のスタイルが見えてきている中で、我々老舗の会社にはない、クリアソン新宿の良い部分の刺激をもらいたいです。現状、弊社としては社員向けの研修などを実施していないので、クリアソン新宿の選手の方との研修などを実施できるよう、進めていければと思います。組織は、外部からの刺激や、正しいことを正しく教えてもらうことが大事だと思うので、考えていきたいです。あとは、みんなでの飲み会も実現したいですね(笑)。

クラブは、今のまま変わらずに、突き進んでほしいなと思っています。そして、それを全力で応援しています。当然、試合が一番面白いし、楽しみにしていますが、ピッチ外での発信もクラブの考えや選手の内面などを理解できるので、期待しています。

 


インタビュー後記

社員・顧客・社会の三つの笑顔を経営方針としているだけあって、碓田社長からは笑顔や明るい雰囲気が発せられていて、自然と笑顔があふれるインタビューとなりました。

金吾堂製菓は、ただおいしいお煎餅を販売しているのではなく、お煎餅を通じて笑顔や平和な時間をお届けしている。これは、ただサッカーをしているのではなく、サッカーを通じて豊かさや感動を創り出したいというクリアソン新宿と、想いが似ていると感じました。お煎餅とサッカー、ツールは違いますが、人々に対して価値を届けるという考えは一緒だなと思いました。

6年前、丸山と碓田社長の深い関係性から始まったパートナーシップ。今では、クリアソン新宿というチームに惹かれ、応援してくださっています。しかし、クリアソン新宿の認知度は金吾堂の社員の中ではまだまだ低いと碓田社長はお話していました。お互いの交流と繋がり、社員の学びとなるような取り組みを、研修などを通して実施し、社員の方々を巻き込みながら、より良い関係を築いていきたいと思いました。二社間での飲み会も是非実施していきたいです(笑)。

伊藤 大介