東京ダービーは悔しいドロー|選手が書く!マッチレビュー 関東リーグ 前期第9節 vs 東京ユナイテッドFC 文=#1 阿部 雄太

東京ダービーは悔しいドロー|選手が書く!マッチレビュー 関東リーグ 前期第9節 vs 東京ユナイテッドFC 文=#1 阿部 雄太

6月27日 (日)
関東サッカーリーグ 1部 前期第9節

■ 試合結果
Criacao Shinjuku 1(1−0、0−1)1 東京ユナイテッドFC

■ 得点(アシスト)
16分 15 米原 祐
71分 東京ユナイテッドFC(PK)

■ メンバー
<スタメン>
GK:26岩舘
DF:2瀬川、3井筒、15米原、51小林
MF:8須藤、13高橋(滉)、16伊藤(大)、20樋口
FW:28岩田、50岡本

<サブ>
1阿部、17池谷、25千葉、27岡野、55髙橋(亜)、9原田、11伊勢

■ 交代
後半24分 樋口 ⇒ 池谷
後半39分 岩田 ⇒ 原田、伊藤大 ⇒ 高橋亜
後半45+1分 高橋滉 ⇒ 伊勢


■ マッチレビュー(文= #1 阿部 雄太)
中断期間を経て、3週間ぶりのリーグ戦となった第9節。昨年敗戦を喫した、強豪東京ユナイテッドFCとの一戦。全国社会人サッカー選手権大会への出場権を勝ち取り、チームとしてより一層の成長を感じつつ、試合に臨む。今節は『WE LOVE SHINJUKU! MATCH』と称し、新宿のパートナーの皆さまを招待。試合前のミーティングでは「新宿の人たちのために、自分たちは何ができるか?」をテーマに議論し、それぞれのこの試合を闘う意味、意義を共有し、試合に入る。

開始早々からお互いのプライドをぶつけ合うような展開に。クリアソン新宿も東京ユナイテッドFCも同様のフォーメーションのため、競り合いや 1対1 で激しい局面が何度も出てくる。個々人が、目の前の相手に打ち勝てるかどうか。まさにプライドをかけた闘いとなる。

東京ユナイテッドFCは、序盤からロングボールをメインにクリアソン新宿陣地に攻め込んでくるが、この日 好調の米原(#15)がことごとく相手のロングボールをはじき返す。安定した守備陣に呼応するように、前線も積極的にゴールを目指す。

前半16分には右サイドから高橋滉(#13)が突破を図り、コーナーキックを獲得。瀬川(#2)の高精度のコーナーキックから混戦となり、米原が押し込んで先取点。守備でも攻撃でも存在感を放つ米原がチームを勢いづける。

東京ユナイテッドFCの反撃に危ない場面も作られるが、キャプテン 井筒(#3)を中心に集中力を切らさず、1-0で前半を終える。ハーフタイムには監督の成山から「もっと積極的に点を取りに行こう」という言葉もあり、2点目の獲得を目指し、後半へ。

東京ユナイテッドFCは、後半スタートから3枚を交代し、より積極的に前からプレッシャーをかけてくる。一方、クリアソン新宿も小林(#51)を中心に相手のプレッシャーをひらりとかわし、簡単には相手にボールを渡さない。後半に入ってもクリアソン新宿ペースで展開が進む。

後半18分には瀬川が左サイドを突破し、鋭いクロスボールを入れたところ、相手 選手が思わず手を使って防ぎ、PKを獲得。緊張するこの場面、岩田(#28)がキッカーを務めるものの、相手GKのビッグセーブにより、追加点に至らない。

息を吹き返したかのように出てくる東京ユナイテッドFC。後半26分には逆にクリアソン新宿がペナルティエリア内でファールの判定。PKを与えてしまう。岩舘(#26)が一度はPKをストップするが、こぼれ球を決められてしまい、1-1に。

その後は一進一退の展開。後半30分には、高橋滉からのクロスボールに池谷(#17)がゴール前に飛び込む。相手との競り合いの中、こぼれたボールを岡本がビューティフルシュート。一度は得点となったが、得点前の競り合いがファールという判定になり、得点は取り消し。終盤には原田(#9)、高橋亜(#55)、伊勢(#11)を投入し、迫力をもってゴールに迫るが得点に至らず、試合終了のホイッスル。リーグ戦 第9節は惜しくも1-1のドローとなった。


■ レビュー担当 阿部が語る試合の裏側
ゲームレビューを担当いたしました、背番号1 阿部 雄太です。今節は「クリアソンらしさ」というものを考えさせられるシーンがあったように思います。

後半、一度はゴールとなったものの、判定が覆り、得点が取り消しになるという大変珍しいジャッジメントがありました。ジャッジメントの見解は様々な意見がありますが、私が着目したいのは、ジャッジメント後の一人一人の「態度」です。誰一人として、暴言を吐いたり、試合を投げ出すことをせず、一人一人が「自らが正しい」と考える態度を決定していたように感じました。

以前監督成山が選手に共有してくれた、ヴィクトール・フランクルの「態度価値」の話を思い起こします。目の前で起きた事実に対してどんな態度を取るか。そこには一人一人の自由がある。ピッチに立つ一人一人の「態度」に私は心を動かされました。「与えられた状況に対し、一人一人が自分自身の態度を決断していく」ここに「クリアソンらしさ」の一面が見出されるように思います。勝ち切れなかったことは大変悔しいですが、今回の試合を通じて、「クリアソンらしさ」を捉えなおす一つの契機になったと思っています。

■ レビュー担当が選ぶ、ピックアッププレイヤー

15 米原 祐

<選出理由>
空中戦では ほぼすべて勝利し、試合の流れを生み出す得点など大車輪の活躍でした。何よりもヘディングの音と飛距離はギネス記録に認定できると思っています。

<メッセージ>
泰然自若。この言葉が、こんなにぴったりくる人は中々いません。試合中、どんな状況になっても動じずにやるべきことをやり続ける。身体を張って守り切る。GKの私としては頼もしい気持ちでいっぱいです。(※ 一方で、たまに繰り出す、関西人として笑いを取りに来る姿勢が、絶妙なギャップで大好きです)

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