Criacao Shinjuku 虎の子の1点を守り切り、4連勝で5位に浮上。

Criacao Shinjuku 虎の子の1点を守り切り、4連勝で5位に浮上。

関東サッカーリーグ1部 後期第7節
Criacao Shinjuku vs 日立ビルシステム

第7節 試合レビュー担当 岡本 達也(#50)

●試合結果
Criacao Shinjuku 1(1-0、0-0)0 日立ビルシステムサッカー部

●得点(アシスト)
34分 #9 原田 亮(#50 岡本 達也)

前節は、10人、0-1のビハインドからロスタイムに逆転し、チーム全員で勝利を掴み取って、開幕3連敗からの3連勝で今節をむかえた。地域チャンピオンズリーグへの切符を得るためには、全勝するしかない。

劇的な試合の次は、経験上難しい試合になることが多い。「あれを乗り越えたんだから、きっと何とかなるでしょ!」小さな気の緩み、一歩の遅れの積み重ねが取り返しのつかないことになる。

多くのフットボーラーは、身に覚えがあるのではないだろうか。一瞬の隙も見せない。俺たちはやれることを全て出し切って、目の前の試合を勝つしかない。そんな想いをみんなで強く持ちながら、今週の試合に準備してきた。

対戦相手の日立ビルシステムは、大卒1~3年目の若くて勢いのある選手たちが多く、全員で自陣に引き込み、しっかりと守って、前線の個の能力の高い選手たちの特徴を生かし、鋭いカウンターでゴールに迫るスタイル。

「ゴール前を固める相手から、いかに点を取るか」「能力の高い選手たちに仕事をさせず、得点を与えないか」が、ポイントになると予想された。また、前節 0-2から3得点で逆転勝利をおさめ、流れにのっているチームでもある。

試合が始まると、慎重に試合を進めようとする日立ビルシステムサッカー部に対し、クリアソン新宿は相手のDFラインの突破を試みるパスを積極的に入れる。

弾かれたボールも、チーム全体が素早く反応し、再度敵陣に押し込む。懸念していたカウンターも、奪われた瞬間の前線のプレッシャーと、DFラインのリスク管理が噛み合い、相手に攻撃の糸口を作らせない。

ボランチの伊藤大(#16)と西山(#23)がゲームを完全にコントロールし、序盤はサイドの高橋滉(#13)、高橋亜(#55)のサイド攻撃から多くのチャンスを作る。

前半10分には高橋滉が左サイドを突破し、スリッピーなグランドを生かしたグラウンダーの速いクロスをゴール前に。走り込んだ伊勢(#11)が右足でコースを狙って丁寧にシュートを打つも、相手DFがブロック。クロスボールやミドルシュートの数は時間とともに増えていき、ゴール前までは入りこむが、人数をかけた守備を崩しきれない。

攻め込み続けながら点が入らないと嫌な雰囲気になりがちだが、ピッチの中では「とにかく焦れずにやるべきことをみんなでやり続けよう」と声を掛け合い、全員が仲間の頑張りを称え、仲間のミスを取り返すために走る。ベンチからもたくさんの声が響き渡る。クリアソン新宿らしい空気が流れていた。

むかえた前半35分。中盤から相手DFラインの裏に飛び出した西山がボールをキープし、上がってきた岡本(#50)にパックパス。トラップした岡本が狙いすましてクロスボールをあげる。このクロスに相手DFとの駆け引きを制した原田(#9)が得意のヘディングで合わせて、待望の先制ゴールを挙げる。

守っては、米原(#15)、須藤(#8)、千葉(#25)を中心とした守備陣が集中したプレーで相手の攻撃の芽を摘む。スピードのある相手FWに抜け出され前半唯一ヒヤリとしたシーンも、守護神 岩舘(#26)が勇気を持った飛び出しでシャットアウト。前半を1-0で折り返す。

ハーフタイムには成山監督から、「前線のプレス、後ろのリスク管理がきちんとできている。でも、相手はここから必ず、点をとりにくる。全く終わっていない。やるべきことを最後まで、一人一人が怠らずにやり続けられるか。そして、前線でアイディアを出してもう一点取りにいく」と冷静ながら緊張感のある言葉が、選手たちの集中力をより高める。

後半に入ると、日立ビルシステムがポジションを全体的に高くし、同点ゴールを狙いにくる。前半は相手コートに押し込んで、試合を進めていたクリアソン新宿だったが、徐々に自陣での時間が長くなる。

相手の両ウイングが果敢に縦に突破を狙い、ロングスローでゴール前に何度も放り込まれるも、全員がセカンドボールまで集中を切らさず、チャンスを作らせない。

クリアソン新宿も、中盤で伊藤大、西山が的確な読みからボールを奪い、カウンターでチャンスを作るも、得点には至らない。後半14分に前節決勝ゴールを挙げた渥美(#40)、28分に岡野(#27)を投入し、攻守に運動量を上げ、勝利を目指す。

日立ビルシステムサッカー部も前線に高さのある選手を投入し、一進一退の展開が続くものの、集中力と仲間とのコミュニケーションを切らさずに、目の前の相手に絶対に負けないと気迫をみなぎらせ、全員が走り続ける。

後半39分には大野(#18)、45分には剣持(#22)と樋口(#20)を投入。チームのために闘い、走る。ベンチメンバー、交代してピッチを後にしたメンバーもベンチから最後まで声を送り続ける。試合終了のホイッスルがなった瞬間、多くのメンバーが真っ暗な空に向かって勝利の雄叫びをあげた。

チーム全員で勝利を手にし、4連勝。地域チャンピオンズリーグへの望みを繋げ、残り2節に挑む。


●レビュー担当選手コメント
背番号50 岡本 達也です。ご覧いただき、ありがとうございました。

開幕3連敗からの3連勝で臨んだ一戦。勝っても負けても、次の試合とは関係がなく、やるべきことは変わらないはずなのに、どうしても勝っていると「楽をして勝とうとする」「これくらいで次も勝てるんじゃないか?」という弱い自分が出てきます。

どんな試合でも、まずは弱い自分に勝つことがとても重要です。練習から全員が、楽をしたい自分、このくらいでいいやという自分に打ち勝ち続けた結果が、今節の勝利に間違いなく繋がっていると感じています。

また、ゴール前を固める相手に対して、これまで勝ちきることができていなかったので、1週間全員でイメージを共有し、準備をして勝利できたことは、チームにとって大切な成功体験になりそうです。

厳しい試合をなんとかモノにして、崖っぷちの状況を首の皮一枚で繋ぎ続けています。次節はリーグで首位争いをしている栃木シティです。

開幕3戦の上位陣との闘いで勝ち点を奪えなかったクリアソン新宿の真価が問われる一戦。地域チャンピオンズリーグに挑む資格があるのかどうかを試される重要な試合になります。

苦しい時期を乗り越えて培ってきた力を、存分に発揮して、ぶつかっていきます。ここ1番でどんな闘いができるのか、今から楽しみです。

引き続き、応援よろしくお願いいたします!

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