Criacao Shinjuku 終了間際の劇的勝利で3連勝。いよいよ残り3戦へ。

Criacao Shinjuku 終了間際の劇的勝利で3連勝。いよいよ残り3戦へ。

関東サッカーリーグ1部 後期第6節
Criacao Shinjuku vs ジョイフル本田つくばFC

第6節 試合レビュー担当 原田 亮(#9)

●試合結果
Criacao Shinjuku 2(1-1、1-0)1 ジョイフル本田つくばFC

●得点(アシスト)
3分 ジョイフル本田つくばFC
34分 #15 米原 祐
90+1分 #40 渥美 瑛亮

2連勝し、ようやく明るい兆しが見え始めたCriacao Shinjuku。後期のみとなった影響で、早くも残り4試合。4試合で終わるのか、それとも勝ち上がって地域チャンピオンズリーグを含めて10試合できるのか。既に3敗しているCriacao Shinjukuにとっては、全勝必須の戦いが続く。1試合ずつを積み上げるしかない。

「経験上、2連勝はよくある。3連勝できるか、本当に実力あるチームかが試される」と平日練習から成山監督がはっぱをかけた今節。「俺ら、よく持ち直したな。」そうした隙を少しも見せまいと、選手、スタッフ、全員で意識的に雰囲気を作り上げてきた。

今節の対戦相手は、ジョイフル本田つくばFC。小気味よいテンポのショートパスから、流動的な前線が繰り出すドリブルや、スルーパスを武器にチャンスを作り出す関東1部の中では特徴的なプレースタイルを持つ強豪チームである。

昨年の市原カップでは実力差をまざまざと見せつけられ、1-3と完敗。強い警戒心を持って、守備の確認を念入りに行い、準備を進めてきた。

いざ、最高のピッチコンディションで迎えたキックオフ。前節同様にまずは立ち上がりがと意気込むものの、空回りしたのか開始2分にキャプテン井筒(#3)が相手クリアボールの処理を誤り、抜けだされた相手へのファールは決定機阻止で一発退場。

まさか残り88分を10人対11人で戦うとは、事前のシミュレーションでは追いつかず。チームに激震が走る。

与えてしまったFKは、ペナルティエリアアーク付近の絶好の位置から美しい弾道でゴール隅へ。失点。激震に次ぐ激震。ピッチの選手たちは、一度は頭が真っ白に。

キックオフまでの数十秒。ここですかさず成山監督から具体的な指示が入る。
「慌てなくていい。ポジションはこう修正を。当初のプランから前線のかみ合わせが悪くなるだけ。守備のスタートポジションを少し下げ、全員でコンパクトに。取ったボールは判断を入れて、シンプルに前線か丁寧にビルドアップか選択を。」

ピッチの全員が頭を整理でき、大丈夫だ、ここからだと目を合わせ確認。どんな逆境でも簡単にあきらめるわけにはいかない。いざ、リスタートである。

すると数的不利にもかかわらず、見事に調和の取れたバランスで、相手にほとんどチャンスを作らせない。逆に、積極的にサイドアタックを敢行し、センタリングやコーナーキックから多くのチャンスを作る。「10人でもいけるぞ。」2度の給水タイムを挟み、自信がみなぎってきた前半34分。左サイド深い位置で仕掛けた高橋滉(#13)へのファールからFKを得る。高橋亜(#55)が得意の角度から鋭いシュート性のボールを入れると、両選手がなだれ込んだ結果、混戦状態で相手GKがキャッチできず、弾いたボールが米原(#15)に当たりゴールの中へ。
ゴールへの執着心がもたらした、リーグ戦初の同点ゴールでスコアは振り出しに。

いい流れが継続し、終了間際には左からのクロスが流れたところを高橋亜がライナー性のクロス。これに反応した岡本(#50)がヘディングでゴールネットを揺らすが、判定はオフサイド。一瞬見えた勝利への道、やはりそう簡単な展開とはいかない。前半を1-1の同点で折り返す。

ハーフタイム、ここでも成山監督の指示が飛ぶ。「開始30分はこのままでいい。相手が焦り始める残り15分が勝負だ。やり方は変えず、我慢しながら。交代選手も含めて90分で結果を出そう。」全員が深く頷く。我慢する覚悟を持って、ピッチに、ウォーミングアップに分かれ、さあ後半へ。

開始早々からパスのテンポを一段上げながら、サイドからシンプルにFWに放り込む機会を増やしてきたジョイフル本田つくばFC。
前半は前向きにパスカットしてそのまま攻撃に転じるシーンを作れていたが、奪っても後ろ向きやルーズボールになることが多く、前半より更にボールを保持できないCriacao Shinjuku。

「これが我慢比べか。これを45分間、痺れるぜ。」何とか持ちこたえながら、試合は進んでいく。

一人少ない影響もあり、前線の選手を中心に疲労の色が見え始め、後半19分に2人、後半25分に1人の選手を交代し、総力戦の様相に。この間、何度もゴール前まで運ばれるものの、岩舘(#26)のビックセーブ、DF陣の踏ん張りが奏功し、無失点で乗り切る。

さあ、いざ残り15分。ここからが勝負だと思いきや、変えられない流れ。コーナーキックを立て続けに浴び、迎えた何本目だろうか。右からのボールを完璧に合わされ、ゴールに突き刺さる…かと思いきや、ゴールカバーに入った岡本が決死のクリア。これが俺らの覚悟だと言わんばかりの形相で、チームが勢いづく。

しかし、これでは引き分け止まり。どうやって点を取るのかが見いだせないまま、後半40分を超える最終盤へ。残ったフィールドプレイヤーの同時3枚替えは、明確にゴールを奪いに行くメッセージ。ベンチも含め、不安な気持ちを押し殺し、前に向かっていく。

交代で入った剣持(#22)、岡野(#27)、渥美(#40)がサイドの深い位置を取り、コーナーキックを得るも相手の牙城を崩せず。いよいよロスタイム。

最終ラインの須藤(#8)から前線に入った樋口(#20)にボールを入れ、強引に突破にかかる。しかし相手は冷静に対処し、後ろ向きからキーパーへバックパスを選択する。チャンスは作れないか、そう思った矢先、スルスルと反応していたのは、途中出場の渥美。少し短かったバックパスをかっさらい、キーパーを横に外して角度のないところから右足アウトサイドシュート。ゴールまで距離のあるボールは、きれいに回転しながらゆっくりとゴールに吸い込まれていく。

後半45+1分、逆転。これが我慢した結晶かと、一同歓喜を爆発させあう。

今日のCriacao Shinjukuが油断するはずもなく、ロスタイム4分をしっかりと守り抜き、タイムアップ。これで3連勝、6位に浮上した。

人間万事塞翁が馬とはこのことか。チームは確かな自信を胸に、残り3戦に全てをかけて臨んでいく。


●レビュー担当選手コメント
背番号9 原田 亮です。ご覧いただきまして、ありがとうございました。

今節のマッチーレビューを拝命し、自らの興奮をどう表現しようと悩んだ結果、客観的な情報に加え、感情表現や実際の声を盛り込みました。少しでも臨場感が伝わっていましたら幸いです。

ここで、一人の選手に触れさせてください。今節のMVPであるえーすけ(渥美 #40)は、私もサブ組だった際に2トップを組んでいましたが、加入したてということもあり、中々プレーがうまくいかず、時には周りへの要求を激しくしていました。

ただ、最終的にはいつも自分に矢印を向け、自らの行動を変え、そしてこのチームに貢献したいと常に口にしていました。そうした彼が、自分が得点を決め、試合を決めると試合前に宣言。有言実行、本当に頼もしく、本当に嬉しい最高の瞬間でした。

攻撃の選手が刺激しあい、チームに更なる活力をもたらすことは、残り3戦非常に重要だと話しています。平日練習から高めあい、今週末も素晴らしい試合をお見せできるように準備します。

僕たちは、自分たちに期待しています。皆さんも、是非期待してください。

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