Match Result
クリアソン新宿 2(2-0、0-1)1 ミネベアミツミFC
Member
Starting Lineup
GK 浅沼優瑠
DF 須藤岳晟、米原祐、竹内諒太郎
MF 相澤佑哉、石井圭太、高橋滉也、池谷友喜、中山雄登、大﨑淳矢
FW 齊藤和樹
Substitute
岩舘直、瀬川和樹、小池純輝、澤井直人、佐野翼、黄誠秀、今井聖士
61分:中山雄登→澤井直人
72分:池谷友喜→佐野翼、大﨑淳矢→瀬川和樹
84分:齊藤和樹→小池純輝、高橋滉也→黄誠秀
Goal
40分:大﨑淳矢
45+2分:齊藤和樹
80分:ミネベアミツミFC
Match Review
残り2節でクリアソン新宿、ミネベアミツミFC、横河武蔵野FCが勝ち点22で並ぶ大混戦の残留争い。そんな中迎えたホーム最終戦はミネベアとの直接対決。前節の試合終了後、池谷も「人生を懸けて戦う」と語った通り、まさに大一番となった。

国立競技場での前節は、11試合ぶりの複数失点でスコアの上では完敗となったが、カウンターからの決定機も多く、スコアほどの差は感じられなかった。勝負を分けた「攻撃でも守備でも、あと10センチの差をどう突き詰めるか」(監督 北嶋)を中4日という短い期間でどこまで追求できたかがカギを握る。
試合は両者ともにロングボールを多用する展開。その中でも序盤はセカンドボールの回収で優位に立ったミネベアが攻め込む場面が多く、前半だけで7本のCKを獲得するなどゴールに迫る。
22分、30分には強烈なミドルシュートが枠をとらえるが、浅沼の気迫のこもったセーブでゴールは割らせない。

守備の時間が続く中で指揮官はシステムを4ー4ー2へと変更する決断を下す。すると「セカンドボールが拾えるようになったり、前線からのプレッシャーがうまくかかるようになったりした」(北嶋)と、徐々にクリアソンも敵陣へと攻め込むシーンが増え出す。
40分、左サイドで大﨑が倒されFKを獲得する。ニアサイドを狙った速いボールが中山から送られると、これに合わせたのが大﨑。コースを変えるようなヘディングでGKの頭を超えてそのままゴールイン。大一番で先制点を奪った。

このゴールに大﨑は「ニアサイドに入っていくことが自分の役割で、来たらコースを変えるかシュートを狙うかということは意識していた」と振り返る。個人としても今季ここまでノーゴールと悔しい時間が続いていただけに、その喜びはひとしおだった。
さらに前半終了間際、相手DFラインで池谷と齊藤のプレッシャーでボールを奪うと、そのまま齊藤が持ち運ぶ。PA内でGKと一対一になったところを倒されPKを獲得。これを自らゴール左へと決めリードを広げた。

後半序盤はクリアソンが3点目かと思われるシーンを作るものの、自力残留に向け後がないミネベアが猛攻を仕掛ける。
80分にはスーパーミドルを決められ1点差へと詰め寄られ、さらにピンチが続いたが守備陣の気迫のこもった守備で同点弾は許さず。リードを守りきり試合終了のホイッスルを迎えた。

「チーム全員でつかんだ勝利だった」(北嶋)。生きるか、死ぬか。来季の命運を占う一戦で会心の勝利を手にした裏には「練習で対戦相手の側をやってくれている選手が、そこでパワーや強度を高くやってくれていたからこそ、苦しい時間帯を耐え抜くことができた」と、ベンチ入りが叶わなかった選手たちも含めた全員の貢献があった。
さらに終盤のピンチを守り抜くには、会場に詰めかけた1,208人の声も欠かすことができなかっただろう。

しかしまだ残留が決まったわけではない。今節の結果を受けて次節は引き分け以上で残留が確定。負けても、最下位の横河武蔵野FCが5点の得失点を埋められなければ残留が決まるが「今季連勝がない中での最後のチャンス」(北嶋)。
2位以内、つまりJ3への挑戦権を得ている高知ユナイテッドに対し力を見せ、来季の戦いへとつなげていきたい。
Comments
監督 北嶋秀朗

――大一番を制した今の心境はいかがですか。
今日の試合は、本当にみんなで勝ち取った勝利だと思います。練習から対戦相手側としてやってくれている選手が、パワーや強度をものすごく高くやってくれていたからこそ、苦しい時間帯を耐え抜くことができました。それが勝利につながりました。本当にチーム全員でつかんだ勝利だったと思います。
――試合序盤は押し込まれる時間が続きました。
相手もリスクを取らずに前に蹴ってきた中で、そのセカンドボールが相手に転がることが多く、押し込まれる要因になりました。
セカンドボールを拾いやすくするために5ー3ー2にするか4ー4ー2にするかで悩んでいたんですが、その時にナリさん(ヘッドコーチ 成山)が「このままだと時間の問題だから4ー4ー2にしてもいいんじゃないか」と言ってくれて、それで決断しました。
そこからセカンドボールが拾えるようになったり、前線からのプレッシャーがうまくかかるようになったりして、その流れからまずはセットプレーで得点が取れました。さらに前線のプレッシャーでボールを奪って追加点も取れたと考えると、ムサシ(コーチ 斎田)も含めたベンチワークで良いジャッジができたと思います。
――終盤でも相手の猛攻を1点で凌ぎ切りました。
今季、途中からシステムを変えて守り切ることが試合を通して鍛えられました。最後は5ー4ー1、5ー3ー2を駆使し、選手たちはうまくやってくれました。選手たちの心の体力について、攻め込まれてもへこたれずに、最後のところで守り切るというメンタリティがすごくついてきています。
――最終節に向けての意気込みはいかがですか。
まだ何も確定しているわけではないので、次のゲームもすごく大事な試合になります。今季連勝ができていなくて、最後のチャンスになるので、しっかりと高知の嫌がることをして、力を見せたいなと思います。
大﨑淳矢

――ゴールシーンを振り返っていかがですか。
たまたまですね(笑)。ヘディングの軌道が見えていなかったので入ったか分からなかったんですけど、歓声で入ったと分かりました。
ニアサイドに入っていくことが自分の役割で、来たらコースを変えるかシュートを狙うかということは意識していました。最近はゴールに向かう姿勢を意識しているので、それが上手く結果につながってくれたと思います。
――今季はチームとしても苦しい時間が続き、大﨑選手も退場する試合もありました。悔しさが大きかった分、このゴールの喜びは大きいのではないでしょうか。
なかなか勝てていないシーズンでしたし、降格させたらシャレにならないという中での大一番で、そこで結果を残せたことは本当にうれしいです。
浅沼優瑠

――開始直後は攻め込まれる時間が続きましたが、浅沼選手のナイスセーブもありしのぎ切りました。
試合の最初「絶対に相手の勢いに飲まれないように」と思っていたんですが、相手も同じような気持ちでやってきていました。ただそこでしっかりと耐えて先に点が取れて、良い流れで試合を進められたと思います。
――終了間際にも苦しい時間が続きましたが、守り切れた点はいかがですか。
最後は押し込まれてキツかったですけど、チーム一丸となって、やることを徹底して守りきれたのは一つ成長した点だと思います。セットプレーからでしたが複数得点も取れました。やはり2点、3点と取れば勝率もグッと上がってくると思うので、こういう試合展開を続けられればいいと思います。
――最終節に向けての意気込みはいかがですか。
相手も優勝してJ3に昇格するか、2位で入れ替え戦に回るかが懸かっている状況で、本気で勝利を目指してくる手強い相手になると思います。自分たちも受け身にならずに、食いにいってやろうという気持ちで勝ち点3につなげられればと思います。