Match Result
栃木シティ 0(0-0、0-0)0 クリアソン新宿
Member
Starting Lineup
GK 浅沼優瑠
DF 米原祐、竹内諒太郎、黄誠秀
MF 相澤佑哉、高橋滉也、池谷友喜、西山大輝、小島心都、大﨑淳矢
FW 齋藤和樹
Substitute
岩舘直、瀬川和樹、須藤岳晟、原田亮、澤井直人、佐野翼
74分:池谷友喜→原田亮、大﨑淳矢→澤井直人
82分:高橋滉也→瀬川和樹、齋藤和樹→佐野翼
Match Review
3戦で勝ち点5、2試合連続無失点と強固な守備と割り切った攻撃で調子を上げているクリアソン。第22節は前節に続きアウェイに乗り込んでの一戦となった。
迎え打つのは栃木シティ。昇格組ながら3位との勝ち点差7で2位につけ、J3昇格も現実的になってきている強敵だ。ここ15試合でわずか1敗、そのうち9試合で3得点以上と強力3トップを軸に得点数はリーグ1位と圧倒的な攻撃力を見せている。ただ第5節の対戦ではクリアソンが2ー0で今季初勝利を収めており、相性が良いとも捉えられる。
この日、前節からのメンバー変更は中盤に小島、シャドーに大﨑。
相手攻撃陣への対策としては「SBやウイングの立ち位置によって、サイドで時間を作りたいのか中央で時間を作りたいのかが決まってくる」(監督 北嶋)と、相手の狙いを見極めることを念頭に置いて臨んだ。
前半は決定機まで行くシーンはないものの、守備の狙いがハマりクリアソンの特徴が出るシーンが続く。16分、30分、45+2分と相手のパス回しをハーフライン付近でカットし、ショートカウンターを仕掛けるシーンが続く。決定的なシュートにはつながらなかったものの、守備を固め相手にチャンスらしいチャンスを作らせず。手応えをつかみながら前半を終えた。
後半序盤は起点をサイドから中央に変えた相手に対し後手に回り、何度か決定機を作られる。そこで74分に池谷に代え原田を投入し、5ー3ー2へとシステムを変更。「5ー3ー2にして中を固め、ボールを外で回させようと思った」(北嶋)。
さらにこの変更には攻撃面でも「2トップにして前で収まれば、カウンターから相手陣内での時間が増えると思った」(北嶋)と、ここ数試合で課題となっていた後半終盤でのペースダウンにも対策を立てた。
しかし、得点数リーグ1位の力は想像以上。「相手の攻撃の圧力がすごくて、なかなかカウンターを出せる機会は多くなかった」(北嶋)と押し込まれる時間が続く。それでも「危ないシーンはあれど体を張って耐えることができたし、出た課題をピッチの中ですぐに解決できた」(黄)。ポストにも救われながら相手の猛攻を凌ぎ切り、スコアレスのまま試合終了のホイッスルを迎えた。
これで3試合連続無失点。3バックの一角を担う黄も「手応えしかない」と4失点以上の失点で勝点を落としていた時期から、チームとしての成長を実感する。
しかし、下位に沈む現状は変わりない。次節はホームで残留争いを共にする横河武蔵野FCとの6ポインターとなる。「精度を上げて、点を取れる場面で取り切るところを突き詰める」(北嶋)。
守備陣が強固となった今、次の課題は得点力。しっかりと克服し、前期の大戦では辛酸を舐めさせられた武蔵野との東京対決をものにしたい。
Comments
監督 北嶋秀朗
――試合を振り返っていかがですか。
個の力があり、得点力も強い栃木シティを相手に得点を与えなかったこと、選手たちの頑張りを称えたいと思います。その中で、前節同様に勝ち点3につなげることのできるチャンスもあったので、その精度を上げて点を取れる場面で取り切るところを突き詰めようという話は選手たちにもしました。ただ、やはり3試合連続で失点がないというところには自信を持って次節にも臨みたいと思います。
――特に前半は相手の強力な攻撃陣に対して守備がうまく機能していたと思いますが、どのような対策をされてきましたか
前線のプレッシャーのところは、誰がどう出るかというところに時間を割いてすり合わせてきました。どの位置にCBがいるかによって誰がどう出るかの部分は選手たちの中でもアジャストさせながら、意識しながらプレッシャーをかけることができたと思います。
また、相手のSBが中に入ってくるかが勝負のキモになるところでしたが、中に入って来ないでうちのシャドーをサイドに釣り出したいという意図が見えました。そこにどの程度ウイングバックが出るのか、シャドーが追いかけるのか、その駆け引きを選手たちは高度にやってくれたと思います。右サイドは特に奥井選手、田中選手というルートに対しての対応はうまくできていたと思います。
後半になってうちの矢印が外に強いことに気づかれ、相手がもう少し中を使い始めて、何回か後半の立ち上がりにクリアソンのホールにボールを入れられていました。5ー3ー2にして中を固めて、ボールを外で回させようという狙いでやりましたが、そこは選手と自分の温度も合っていて理解もし合えていました。
――ただ、後半は押し込まれる時間が長かったように感じます。どのような変化があったのでしょうか。
今のサッカーをやる以上、後半は体力が落ちて相手への強度が落ちる部分はどうしてもしょうがないと思います。今日は2トップに収まってカウンターが発動し、相手陣内での時間が増やせればそこを改善できると考えて5ー3ー2試しました。相手の攻撃の圧力がすごくてなかなか出せなかったところはありますが、これもオプションとして使っていきたいと思います。
もう少しボールを持つ時間を意識して作ればやりやすくなることはありますけど、選手たちと「今やるべきことはそれではない」と話しています。「あり方」で勝負してるので、体力の落ちる後半も頑張ろうというところです。
最後のところは、栃木シティの攻撃の圧力はものすごく脅威でしたが、それを守り切った選手たちには感謝したいです。
黄誠秀
――3試合連続無失点となりましたが、手応えはいかがですか。
手応えしかないです。危ないシーンはありましたけど、体を張って耐えられるというところが今チームとして良いところです。また、危ないシーンの後は「次はこのシーンをどう守るか」という課題をピッチの中ですぐにコミュニケーションを取って解決できています。それが無失点が続いている要因だと思います。
――守りの時間が長く、体力的にも精神的にもキツかったのではないでしょうか。
これまでは、僕もそういう風に感じていたと思います。僕は大学までずっとFWをやっていたんですが、それでキタジさん(監督 北嶋)に「ソンスはマインドが攻撃の選手すぎる」と言われました。そういうように考えたことがなかったので、確かになと思いました。今は守備の選手なので「まずは守備から」というように自分のマインドを変えたので、守りの時間が長くなってはいますがストレスには感じていないです。