池谷魂の先制弾・PKのピンチも守り抜き、待ちに待った勝利|9/16(月) JFL第20節 vs レイラック滋賀 レビュー、ハイライト、コメント

池谷魂の先制弾・PKのピンチも守り抜き、待ちに待った勝利|9/16(月) JFL第20節 vs レイラック滋賀 レビュー、ハイライト、コメント

Match Result

クリアソン新宿 1(1-0、0-0)0 レイラック滋賀

Member

Starting Lineup

GK 浅沼優瑠
DF 米原祐、竹内諒太郎、黄誠秀
MF 相澤佑哉、石井圭太、高橋滉也、池谷友喜、中山雄登、西山大輝
FW 齋藤和樹

Substitute

阿部雄太、瀬川和樹、小池純輝、原田亮、澤井直人、大﨑淳矢、佐野翼

73分:中山雄登→大﨑淳矢
77分:池谷友喜→澤井直人
85分:齋藤和樹→原田亮

Goal

45+1分:池谷友喜

Match Review

前節の引き分けで連敗を4で止めたクリアソン。勝って最下位を脱出したい今節は、前期の対戦で勝利をおさめているレイラック滋賀をホームにむかえた。

一定の手応えを得た直近2試合からの変更は、佐野に変わり池谷がシャドーに入る5ー4ー1の布陣となった点のみ。

前半の序盤はボールを握る滋賀とシンプルなサッカーを仕掛けるクリアソンといった構図。両者ともにチャンスを作ったが、飲水タイム以降はクリアソンに試合の流れが傾く。

32分にはゴール右で中山からのパスを受けた齋藤が振り抜くもこのシュートはクロスバーに嫌われ先制点とはならない。ただ、着実に相手ゴールへと迫る。

待望の瞬間が訪れたのは前半終了間際。西山がコーナーフラッグ付近で倒され絶好の位置でFKを得る。ファールをもらった西山が蹴った低い弾道のクロスをニアサイドで高橋がコースを変えると、ファーサイドで詰めたのは池谷。

昨年までの2年間であわせて12ゴールをあげながら、今季はゴールネットを揺らせていなかった池谷の待望の初得点で先制点を挙げた。

このゴールに池谷は「ニアサイドに2人いて、当ててくれるだろうと思った。普段ならゴールから離れるが、当ててくれると信じてゴールに寄ったらボールがきた。各々がそれぞれの場所で役割を果たして、『あいつならやってくれる』と信じて飛び込む。そんな『信じる』というクリアソンらしさが出たゴールだった」と振り返った。

後半は序盤こそクリアソンが追加点のチャンスを作るも、早めに交代カードを切った滋賀が徐々にゴールへと迫り始める。いつも以上に気迫の入った守備でなんとか体に当て同点弾を許さず時間は進む。

しかし、88分に相手のクロスがPA内の黄の手に当たりPKを与えてしまう。

絶体絶命のピンチをむかえた中、ゴールマウスを守るのはこの日相手FWとの交錯もありながら魂のセーブを見せていた浅沼。

「キッカーの三宅とは栃木SC時代に一緒にやっていて、話す時間も長かった。対峙した時に左上に来る予感がしていた。結果的に相手が外してくれたが、蹴らせた感覚はあった」。浅沼の読みがキックを枠外へと誘いこのピンチを切り抜けた。

その後も最後まで体を張った守備で耐え続け、1ー0のまま試合終了。10試合ぶり、待望の勝ち点3を掴み取った。

「中断期間明けからやってきたサッカーには手応えがあって、そして勝ち点3が取れたというのはすごく大きなことにつながったと思う」(監督 北嶋)。

第18節のHonda FC戦から守備に比重を置き、シンプルなサッカーを志向。感じていた大きな手応えはついに結果へとつながった。

今節の結果を受け勝ち点を15へと伸ばし、ついに自動降格の最下位を脱出。それでも「あと10試合、今の状況を抜け出すだけではなく一つでも上にいきたい。毎試合が決勝戦のような気持ちで戦っていきたい」(池谷)と勝って兜の緒を締める。

次節は中4日、アウェイでのFCティアモ枚方戦。ついに掴んだ白星をさらに大きな勢いへとつなげるべく、今季初の連勝を狙う。

Comments

監督 北嶋秀朗

――試合を振り返っていかがですか。

われわれの置かれている状況として、とにかく勝ち点を一つでも積み上げていくということがすごく重要だということは、僕も選手もみんなが分かっていました。

その中で上位をあらそっている滋賀相手に、苦しみましたが勝ち点3を取れたということは本当に嬉しいです。中断期間明けからやってきたサッカーには手応えがあって、それが勝ち点3というすごく大きなことにつながったと思います。

選手たちは本当に最後まで苦しみながらも頑張ってくれましたし、PKが外れたのもきっと選手たちがそれまで頑張ってきたからだと思うので、まずは選手たちに感謝したいです。

――10節ぶりの勝利となりましたが率直な気持ちはいかがですか。

本当に選手たちの頑張りに感謝です。試合前に「凡事徹底するんだ」というところで、自分の頭をこえたらダッシュで戻る、背中にボールがあれば挟み込んで奪う、チャンスになったら出ていく。そういうシンプルな部分を徹底するということを体現してくれたと思います。

ゴール前では体を張って顔を背けないというのも約束して練習してます。そういうのも最後のキワで、ちゃんと顔を向けて正対してボールにアタックすることを練習からやってくれています。メンバーに入れなかった選手も含めて、そういったことを意識高くやってくれていますし、それが結果につながってすごくよかったです。

――今日の試合は、守備がしっかりとはまっていた印象があります。

8月のブリオベッカ浦安戦に1ー5で負けて、守備から試合に入ることにしました。ここ数試合、安定してきてはいましたが、後半アディショナルタイムでの失点が続いていました。

今日は前半相手のビルドアップに対してのプレッシャーを選手たちがしっかり理解し、さらにピッチ内での微調整もしてくれて、すごくうまくはまっていました。後半は体力的な面でセカンドボールが拾えなかったり、プレッシャーに出られなかったりということもあって、相手の8番に背後を取られるシーンが何度かありました。

選手交代で体力が落ちた選手を代えていくことも考えましたが、5バックと2ボランチで阿吽の呼吸のようなものができあがっていて、なかなかそこを代えるのが難しかったです。

――ここ数試合で取り組んでいるシンプルなサッカーの手応えはいかがですか。

今はボールを持つことではなく守備から入るようにしています。プレッシャーのかけ方、外されたときの戻し方、守備を徹底するところのトレーニングを積んでいます。

選手たちが迷いなく体を張って戦ったり走ったり、そういうパワーを出すことは彼らは得意なので、クリアソンらしい良いところを引き出せるようにしたいです。勝ち点1でも積み上げていかなくてはいけない状況なので、そこを意識しながら精度を上げていきたいです。

――レイラック滋賀の印象がいかがでしたか。

相手の仕組みにやられているような印象はなくて、クリアソンの守備のオーガナイズで上回ることができるところはたくさんあると思っていました。ただ、個の強さは想定以上でした。ただ、そこに対してはクリアソンの太い繋がりで守ることを徹底できたし、選手たちはしっかりやってくれたと思います。強い個に対して、繋がりで勝てたというのは嬉しいですね。

池谷友喜

――10試合ぶりの勝利となりましたが、今の気持ちはいかがですか。
嬉しいですよね。「勝つ」って簡単じゃないなということを改めて感じました。今日もそうだけど、苦しんで苦しんでやっとつかみ取れました。そんな簡単には勝てないなというのを、この10試合ですごく痛感しました。

――今季初得点となりました。
ほんとにやっとですね。一昨年も去年もある程度 点はとっていて、今年はより点をとってチームに貢献しようと思って始まったんですけど、決定機を外すことも多くて。

「どうやったら点をとれるだっけ」思い悩んだり「この試合で点をとらなければ終わりだ」と言い聞かせながらやったりしてました。

ただ今日は「俺もお前には点をとってほしいと思ってるけど、もうとらなくていいよ。お前の長所である守備やアグレッシブさに魂を注ぎ込んでくれ。それで点がとれたらラッキーみたいな感じでいった方がいいんじゃないか」みたいな話をしていました。

点もとりたいけど、球際と切り替えと運動量を自分の中で全力でやろう割り切っていて、そしたら点をとれちゃったっていう感じです。

結果も大事ですけど、結果を見すぎてその過程を少しおろそかにしていたのかもしれません。そこのバランスってすごく難しいなって。このゴールは、過程をちゃんとやって、そこに気持ちを込めるという姿勢の結果だと思います。

――今日の試合ではチーム全体から普段以上にクリアソンらしさを感じました

みんな戦っていたし、最後のところで体張ってシュートブロックして、攻撃の選手からすると守備陣のそういう姿に勇気をもらいました。

「信じられるか」というのはすごく大事だなと思って、得点シーンもニア側に2人いて、そらしてくれそうだなというのを感じました。普段だったらゴールから離れていくんですけど、そらしてくれそうだと思ったからゴールに寄っていったんです。

そしたらボールが来た。「信じる」というのはクリアソンの強さだし、そのためにもみんなが各々の場所でベストを出す、自分の役割を果たす、そして「あいつなら役割を果たしてくれる」と信じることができるから、走れる、体を張れる。そういうところがクリアソンらしさですし、今日はそれをみんなが体現できていたのかなと思います。

――ついに最下位を脱出しましたが、今後の試合に向けてはいかがですか。

あと10試合しかないという中で一つでも上で終わりたいですし、今は3チームが順位表では下にいますけど、上との差は勝ち点7くらい。

今の状況を抜け出すだけじゃなくて、一つでも上にいけるかとか、クリアソンらしさをどれだけ毎試合体現できるかとかは、毎試合にどれだけ魂を込めることができるかにかかっていると思うので、毎試合決勝戦のような気持ちで戦っていきたいと思います。

浅沼優瑠

――10試合ぶりの勝利となりましたが、今の気持ちはいかがですか。

チームとして戦い方をここ3試合で変え、まずしっかりと後ろで守って、前にどんどんと勢いを出していくことを積み上げてきました。実際に今日、ホームで狙い通りのゲームをして勝利できたことは率直に嬉しいです。

――チームとしてのスタイルが変わる中で、守備陣としてはどんな部分が変化したのでしょうか。

後ろの選手は、無失点の時間をどれだけ長くできるか、そして90分間無失点で終われるかというところを目指しています。

負けが続いていたときは、後ろでリズムを作ろうとするけどそれが失点につながって、もったいないところで勝ち点を落としていました。

ある意味「割り切る」じゃないですけど、リスクを負わないようにしてから、それがチャンスにつながっている感覚もあるし、去年、勝っていた時もこういう感じだったなと思います。

今は大量得点を奪うイメージがあまりわかないので、1点をとって守りながらどこかで2点目を狙うというゲームプランを持ってやっているので、現実的な試合運びとして狙い通りでした。

――アバウトなボールを出すスタイルでは、より球際や競り合いなどでクリアソンらしさを発揮することができると思います。

アバウトなボールを入れてそれで終わりじゃなくて、そこが始まりだということがチームとして共有できています。仮にそれが相手ボールになっても、クリアソンは前線から守備に入れるし、むしろチャンスかもしれないみたいな感じで意識を統一しています。

――PKの際にはどんなことを考えていたのでしょうか。

相手のキッカーの三宅とは栃木SCにいた時に一緒にやっていて、話す時間も長かった選手でした。対峙した時に左上に来る予感がしていて、結果的に相手が外してくれたけど蹴らせた感覚はありました。

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