オフシーズンを利用して、クリアソン新宿のアカデミーに所属するタイ、レオ、レオンの3人からトップチームのキャプテン 須藤岳晟への質問会を開催。試合中の声かけのバリエーション、サッカーと仕事の両立などなど…。須藤からも「アカデミーから見て、ぶっちゃけトップチームはどう見えている?」と逆質問。同じクリアソン新宿のエンブレムを背負って闘う仲間同士で交流を深めました。

試合でキツい状況のとき、どんな声掛けをしてるんですか?
――今日はクリアソン新宿U-14の3人に須藤選手に聞きたいことがあると言うことで集まっていただきました。では、まず自己紹介をお願いします。
タイ:U-14のタイです。
レオ:U-14のレオです。
レオン:U-14のレオンです。
須藤:よろしくお願いします!僕も逆に聞きたいこともいろいろあるので。
―まずはタイから、須藤選手への質問をどうぞ。
タイ:自分はU-14でキャプテンをやっているんですが、ピッチの中でチームがキツい時にはどんな声がけをしていますか。自分は「ここ集中!」とか、どうしてもレパートリーが少なくなってしまって。

須藤:わかる!僕も同じようなことばかり言ってるかも(笑)。でも、意識しているのは、言う内容も大事だけど、それをものすごい熱量で伝えることですね。苦しいときにみんなでパワーを出すことが大事なので、そのために声量にも頼ってデカい声で叫んでいます。もう一つ、意識しているのは、するべきプレーをはっきりさせることです。例えば相手のCKのとき、ボールは誰に飛んでくるか分からないけど、飛んできたら弾き出そうとか、何をするべきか明確だとはっきりしたプレーができるようになります。チーム全体の共通認識を作るような声かけですね。あとは、目を合わせて個人の名前をめちゃくちゃ呼びます。U-14でも、下のカテゴリーから上がってきたばかりの選手、上級生でも集中が切れやすい選手がいると思うけど、特にそういう人には目を合わせて、その人にきちんと向かって声をかけるのは大事かもしれません。
タイ:なるほど…。ありがとうございます。
―ではレオから、須藤選手への質問をどうぞ。
レオ:自分の質問も、タイの質問に少し似ていますけど、一人のプレーヤーとして、あとはキャプテンとして、それぞれ試合中に意識していることは何ですか。

須藤:プレーヤーとしては、僕は何かにすごく優れているわけではないんです。DFだけどヘディングで勝てるわけでも、スピードで勝てるわけでもなくて。もちろん気合いで負けないことも大事だけど、サッカーは一対一ではないので、どう仲間と連携して守るかが大事。僕の武器はしゃべることなので、例えば高さのある選手が競ってきたら、できるだけ早くカバーに入ってもらって、セカンドボールを拾えるようにコミュニケーションをする。そうすると僕が競り合いに負けても、チームとしてはマイボールになって、結果的にそれは勝ちだと思うんです。自分の短所を補うために仲間に助けてもらうこと、逆に仲間の短所を補うために自分が助けてあげることです。そのためには、その日、自分の隣には誰がいるか、その選手はどんな特徴を持っているのか考えることが大事です。
レオ:(頷きながら聞く)
須藤:キャプテンとしては、ミスしてもいいから、次のプレーに集中できるような空気を作ることを意識しています。試合になると、練習でできていたこともミスしてしまうことがありますが、それを試合中に反省している時間はないよね。同じミスは繰り返してはいけないけど、落ち込んでいる場合ではないので、すぐに切り替えて次に集中させることを大事にしています。
サッカーと勉強の両立が難しいです…!
―では、最後にレオンから、須藤選手への質問をどうぞ。
レオン:僕はクリアソンに入ったときから、トップチームの選手たちがサッカーと仕事をどう両立しているのかが気になっています。同じではないですけど、自分もサッカーと勉強の両立が大変で…。どんなことを大切にしていますか?

須藤:これはトップチームの選手も常に葛藤していて、正解がないと思います。ただクリアソンの掲げていることに「世の中を豊かにすること」があって、サッカーと仕事、やることは違うけど、どちらも目的は同じです。だから、サッカーと勉強の両立も、それぞれ何のためにやっているかが大事じゃないかな。レオンはそれぞれ何のためにやってる?
レオン:サッカーはプロになるため、勉強は良い高校に行くためかな…。
須藤:じゃあ、サッカーでプロになることと、良い高校に行くことは両方成し遂げたいことなの?どちらを大事にしてる?
レオン:うーん、そこはプロになることですね…。
須藤:プロになるために勉強ってどんなところで大事になると思う?
レオン:サッカーでJリーグのユースに上がれなかった時、次に高いレベルは高校サッカーで、そこで少しでもいい高校に入るためには勉強もできた方がいいと思います。
須藤:今の話だとレオンの大切にしている夢はプロになることで、そのための選択肢を広げるために勉強が大事だというように考えると、勉強も大事だって言えるよね。ここが大事だと思っていて、クリアソンはサッカーで世界一になりたいと目標を定めている中で、ビジネスでしか得られないものを経験して、サッカーでも生かしています。何のためにやっているかを考えることが大事ですね。

ぶっちゃけトップチームはどんな風に見えてる?
―ここからは逆に須藤選手から3人に質問してもらいたいと思います。
須藤:アカデミーの選手と話す機会は貴重だなと思って聞くんですが、トップチームの練習や試合を見て、クリアソンってどんなチームだと思ってますか。
タイ:僕は小6のとき、どのチームに入るか迷っていたんですが、2022年の国立競技場での試合を観に行って、そこでクリアソンに入ることを決めました。トップチームから熱く学べそうだということと、「闘う、走る、声を出す」が徹底されていることを感じたからです。昨季は負ける試合も多かったけど、それでもみんなが最後まで走っていて、アカデミーの自分たちもこうあるべきだなと思っています。
須藤:国立での試合を観て、僕たちが大切にしていることを感じてクリアソンに入ってくれたことは嬉しいね!あとは、それを自分たちのチームでも大切にしたいと思ってくれているのは本当に素晴らしい!
タイ:頑張ります。
須藤:レオンには、今までクリアソンのアカデミーでやってきて、一番印象に残っている瞬間を聞きたいけどどうかな?
レオン:僕は一昨年のTリーグで、後半から試合に出て試合にも勝てて、みんなと喜べたのが一番感動しました。小6では試合に出れない時期もあったんですが、その中でクリアソンに来て、みんなに愛されながら試合で得点に関わることもできて、ここまで頑張ってきてよかったなと思えた瞬間でした。
須藤:「みんなに愛されながら」というのを感じられるのがクリアソンの独特なところな感じがしました。
レオン:小学生の頃も、チームメイトと仲が良かったですが、結構 勝負の世界でした。今は、森村監督が直接言ってるわけではないですが、自然とチームワークを大事にしている感じがします。トップチームが、ワイワイ元気にやっているからというのもあるかもしれないです。
須藤:でも、仲がいいだけじゃダメだよね。
レオン:クリアソンにも競争もありますけど、それ以上にチームワークが大事にされていて、いいバランスだと思います。
須藤:レオは、アカデミーとして、もっとこうなっていきたいというのはある?

レオ:僕はサッカーをするとき一番大事にしているのは、サッカーが楽しいことです。ピリッとした空気を持ちながら楽しくサッカーをする、その姿勢を忘れずにみんなで高め合っていきたいです。
須藤:今はピリッとした空気が足りていないと思う?
レオ:足りていないと思います。ゆるいわけでもないですけど、もっとオンとオフの切り替えははっきりしなくてはいけないと思います。そのために、今までは、あまり個人のプレーに対してみんなで話すことはなかったんですけど、要求を増やすようにしています。森村監督からも「どんどん伝えろ」って言われています。
タイ:最近は練習や試合の入りがあまり良くないんです。アップもみんなでしゃべりながら、次に対人のメニューやるよって言ってるのにのんびりしていたり…。トップチームではどんな意識をしているんですか。

須藤:入りがゆるいていうのはトップチームでもある話です。僕たちももっと意識しなきゃいけないというのが前提なんですけど。浦和レッズのユースにいたころ、トップチームの練習に参加したときに山田直輝選手(現:FC岐阜)に同じようなことを聞いたんです。「最近入りがゆるくて、直輝くんのときはどうしていましたか」みたいな。直輝くんは「俺はゆるいと感じたら、思いっきりハードにプレッシャーにいく」と言ってたんです。そうすると向こうもやり返してきて雰囲気が締まる。味方を傷つけてはいけないですけど、そのくらいの基準でやらなくてはいけないなと思ったことを覚えています。だから、口で言い続けるのも大事だけど、3人が超集中してやっていくと、それが仲間に広がっていく可能性もあるね。
―須藤選手もアカデミーに在籍していたときに、トップチームの選手に質問したことがあったんですね。月日が流れて立場が逆転し、感慨深いですね。時間になったので、今日はこれで終わりとさせていただきます。
須藤:ライン交換しよっか!今日話しきれなかったこと、いつでも連絡してきてくれていいよ!
タイ&レオ&レオン:お願いします!

