株式会社Criacaoは、ビジネスパーソン、アスリートをはじめとする様々な世界で活躍している人たちが集い、出会い、つながり、学び合う場としてクリアソン・アスリート・カレッジ(以下CAC)を2015年から続けています。
昨年までの約3年間は、オンラインでの実施でしたが、今年に入り、会場に集まる形が復活しています。6月5日に行われたVol.67は、「お金でスポーツを紐解く」をテーマに、プロテニスプレーヤーの藤原里華さんをゲストに招きました。
弊社からは、株式会社Criacaoの社員で、現在スウェーデンでプレーしているプロサッカー選手でもある籾木結花がオンラインで、クラブ事業部の藤林拓哉が会場で登壇、経営学修士(MBA)取得者でもあるキャリア事業部の中村俊一が講師・進行を務めました。
お金とスポーツ
Jリーグクラブの決算資料を例として使いながら、会計の入門的な内容を学び、出席者がお金とスポーツついて対話しながら考える時間となりました。
参加者は25名。パートナー企業で働く方々、クリアソン新宿の応援に通う方、また、そうした人たちに誘われて参加した方などもいました。働いている業界は様々で、新入社員から役員まで、そして年齢層も幅広い。しかし、クリアソンでつながっているという共通点があります。また、冒頭のブラインドサッカーの要素を使ったアイスブレイクが、自分のコミュニケーションについて考えるきっかけになり、対話が盛り上がっていきます。
藤原さんは2年前にもCACに登壇し、アスリートのキャリアとお金について語りました。今回、プロテニス選手が世界を転戦する上でのお金事情を話し、個人スポーツのテニスとチームスポーツであるサッカーの違いが対比できる形になりました。また、グループでの対話の際にも自ら人の輪の中に入って対話していました。
講師の中村は、「専門的な話には入り込みません。若手社員に教えるつもりで学んでいって下さい」と参加者に呼びかけました。
複数のJリーグクラブの損益計算書を簡単な図で表した表を見ながら、それぞれの特徴を説明していきます。例えば、サッカークラブの場合、選手の年俸は売り物をつくっていく費用なので、原価に含まれます。しかし、運営するスタッフの人件費は販売管理費として扱われることが伝えられました。
クリアソン新宿の場合は、選手の多くが運営会社での仕事を兼ねているので、会計上は選手の給与がすべて原価になるわけではなく、原価が下がり、販管費に一部が含まれることになる、ということも加えて説明していきます。
海外でプレーする籾木は、どんな特徴のあるクラブがいいと思うかを選手としての経験を基に語り、藤林からは、運営の立場では、どこにお金を使うクラブがいいと思うかという話も出てきました。
このような考える材料がインプットされる間には、グループディスカッションで他の人の意見を聞く時間や自分の考えを話す時間があります。サッカーやスポーツを題材にしながら、日頃の自分の仕事につながるような対話が会場内のあちらこちらで行われました。
サッカークラブを運営する会社が、なぜこのような場をつくるのか
株式会社Criacaoのミッションである「スポーツの価値を通じて、真の豊かさを創造し続ける存在でありたい」がその根底にあると、企画運営も担当する籾木は言います。「スポーツの真の価値を問い続けること。スポーツの価値を違う世界と掛け合わせることで創造すること。それをどのようにして拡げていくのかということを体現する一つの場です」。
各回の内容は、「サッカー、スポーツと何を掛け合わせると面白い化学反応が生まれそうか? ビジネス界がスポーツ界から学べそうなものは何か? 逆も同じく、スポーツ界がビジネス界から学べそうなものは何か?」を頭に置きながら考えていると言います。今回のような講義形式以外に、体を動かすアクティビティ形式もあります。
公認会計士の資格を持つ参加者は、「自分の専門ではあるが、改めて初心者に(会計を)どう伝えればいいかを考える機会になった。すごく参考になった」と話しました。また、クリアソン新宿を応援する同僚に誘われて来たという参加者は「プロスポーツ選手の話が聞ける機会は貴重。いろいろな業界の人がいて、会社の人たちとはまた違ったビジネスの話ができた」と笑顔を見せていました。
この日の会場としてイベントスペースを提供したCPAエクセレントパートナーズ株式会社は、このほどクリアソン新宿とパートナーシップ契約を結んだばかり。すべての会計人材の可能性を拡げていく事業を展開しています。同社取締役の飯塚祐司氏は、「会計とスポーツは相性がいい。選手もこういうことを知っていれば、セカンドキャリアの考え方も変わるのではないか」と指摘しました。
「Criacao Athlete College Supported by アセットリード」とは
クリアソン新宿初の元Jリーガー岡本達也が、サッカー界からビジネス界に飛び込んで感じた「異なる世界から学べること」「異なる世界でも共通すること」。普段は交わることのない人たちが出会う、学び合う場を作りたいという岡本の想いから誕生したCriacao Athlete Collegeは、2015年にスタートし、クラブの法人パートナーの株式会社アセットリードにサポートいただきながら計70回以上開催。毎回、各業界で活躍する方をゲストにお呼びし、講義、対話、時に身体を動かし、領域を横断して、豊かに生きるためのヒントを探します。
