相手の立場になって考える 福岡県築城小学校でブラサカ体験

 11月16日(月)、福岡県築上町立築城(ついき)小学校の4年生全児童52名を対象に、パラスポーツ体験イベントを実施しました。ブラインドサッカーを通じ、チームワークやコミュニケーションの重要性及び障がいに対する理解を深め、「心のバリアフリー」とは何かを学ぶことを目的にしています。講師には日本ブラインドサッカー協会の辻一幸選手をお呼びし、進行は弊社CSOでホストタウンアドバイザーの竹田が務めました。

 冒頭、「ブラインドサッカーを知っている人」という質問に対し、手を挙げたのは5名程度でした。「視覚障害ってどんなイメージ?」という質問には「目が見えない」「ぼやける」といった答えが返ってきました。

 ブラインドサッカーの動画を流し、辻氏がドリブルなどのデモンストレーションを行います。これからどういった競技を行うか、また弱視である辻氏がどんな見え方をしていて、視覚障がいがどんなものかを伝えた上で、実際にアイマスクを着け、体験をします。

 最初に、二人一組で体操を行います。見えている人が、アイマスクを着けて見えていない人に対し、どんな動きをするかを説明します。「クロールのような動き」「右足は伸ばして、左足は曲げる」等、言い表し方に苦戦しながらも元気な声が飛び交いました。

目が見えているガイド役がゴール側に立ち、目が見えていない人に指示を出します。

 2つ目は、見えていない人が見えているガイド役の声を頼りに、2mほど先のゴール地点まで歩きます。アイマスクをした人は物や壁、人と接触をしないように腕で防御姿勢を取りながら、慎重に前に進みます。「もうちょっとだけ右」「行き過ぎだよ」と、相手の気持ちを考えながら声掛けをします。2回目のチャレンジは、1回目よりもスムーズに進むことができました。

 3つ目のボール拾いと、4つ目のコーン当てはブラインドサッカー用の転がると音が出るボールを使って体験をします。
 「相手からはどう見えるか」「どう説明してくれると嬉しいか」などを考え、見えている人と見えていない人が協力しながら進めます。途中、チーム対抗でタイムを競うゲームも行い、作戦会議では「早くゴールするためにはどうすればいいか」について活発なコミュニケーションが行われました。
 辻選手への質問タイムでは、「ブラインドサッカーの試合で難しかったことは何ですか」「チーム数はいくつあるんですか」「普通のサッカーと同じように控え選手がいますか」といった質問が出ました。

 最後に、辻氏から実際に白杖を見せながら、どんな人がこれを持っているかの説明や「相手の立場に立って考えること。視覚障がい者にもいろいろな見え方の人がいることを知ってほしい」とメッセージを送りました。
 中村校長からは「相手の立場になったら、こう考えればいいのかなと声掛けが変わりました。そして、目が見えない人の立場になった時に、仲間を信じようという気持ちが湧いたと思います。ゲームでみんなが喜んでいる姿を見た時は、目が見える人も見えない人も一緒になれるスポーツがブラインドサッカーなのかなと思いました。今日をきっかけに図書室やインターネットでブラインドサッカーのことを調べたり、学校の中で相手の立場に立って、自分が何ができるかを考えてほしい」と児童に伝えました。

 イベント終了後、子どもたちからは「声をかけてもらって嬉しかった」「友だちが困っている時は助けてあげたい」との声が上がりました。

心のバリアフリー教室・パラスポーツ体験イベント

 視覚障がい者のブラインドサッカー選手らを講師に迎え、転がると音が出るボールやアイマスクを使って、見える人と見えない人の間でどんな声を掛けるかを体験し、チームワークやコミュニケーションの難しさや大切さなどが学べる内容となっています。
 小中高生向けのコンテンツをはじめ、大人向けのコンテンツも展開しています。1回90分の基本研修を基に、実施時間や人数、実施目的に合わせてカスタマイズ型で研修構築を行っています。お問い合わせはこちらからご連絡下さい。