Criacao Index ~豊かさの体現者たち~ Chapter2 卓間昭憲

2013年より、株式会社Criacaoは新宿に拠点を構え、事業を進めてきました。ここ数年は社員やパートナー、インターンなど共に歩みを進める仲間が急増するとともにクラブ事業部、キャリア事業部、アスリート事業部という3つの柱で仕事の幅も広がり、それぞれの姿が見えにくくなってきました。Criacaoの取り組みを支えて頂いている方々に、もっとCriacaoのことを知ってもらいたい。そんな時、まだ伝えていない姿があることに気づきました。それは、それぞれの人間がどのように歩み、どんな思いを抱きながら、何を実現しようとしているのかです。豊かさを体現する個々の姿を、この“Criacao Index”でお届け致します。

 


Chapter2

相手目線に立って、本音で話す

卓間 昭憲

卓間昭憲は、2017年の入社後、東大サッカー部時代 に磨いた突破力に気づき、主将主務研修を新規開拓。現在はキャリア事業で学生の相談に乗ることをメインに、パートナーであるアセットリードとの窓口を務めたり、試合のYouTube liveで解説したりしています。

 

 

――現在の担当を教えてください。

2017年11月に入社をして1年半ぐらいは、ほぼ全ての事業に関わっていました。メインはキャリアの仕事だったんですが、当時は人数が少なかったためクラブのパートナーの営業をしたりとか、ブラインドサッカー研修の講師をしたり、グローバルカップという新宿区とクラブという形での地域貢献の企画運営など他の事業にも携わっていました。その当時は岡本や阿部はトップチームの選手で忙しく、何でも屋として人手が必要な仕事はカバーしていました。そこから人数が増え、キャリア事業部、クラブ事業部、アスリート事業部と分かれてきて、軸足をキャリアに置きながら、少しずつクラブと研修にも関わる形になってきました。

前職では人事だったので、最初の見立てでは、社内を整える人材になるんじゃないかという話でした。本当に最初だけですが、土田と一緒に社内の法務を整えたりしていました。東大の主将主務研修の講師の仕事を取ってきたあたりから、突破力がある、と言うことに気づき、ちょっとずつキャリアの最前線、開拓する側になったという感じです。

大学時代サッカー部でプロトレーナーと交渉したり、新歓活動でマネジャーを増やすために女子学生の知り合いを増やしにいくなど開拓系の仕事はずっとやっていたので、得意ではありました。東大生の中では開拓や人とのコミュニケーションが得意と思っていましたけど、入社後早い段階で、社会においても強みになると気付けました。

今は70%がキャリアの仕事で、学生との面談、イベントの企画運営などをしています。だんだん増えてきているのが、社会人向けのキャリアの仕事でイベント運営など20%ぐらいです。残りの10%ほどがクラブ、うち、立ち上げにも携わったアカデミーが2%、トップチームの試合運営が8%くらいです。現場運営に加えて、Twitterを担当していたのですが、仕事の領域が広がりYouTube liveで解説も務めています。

 

◆母校に恩返し

――思い出深い仕事の場面を教えて下さい。

1つはCriacaoが2018年に東京都リーグから関東リーグに昇格した時が、やっぱりすごく思い出深いです。当時は、インターンで一緒に仕事をしていたり、悩みごとを聞いていた選手が試合に出ていたのでより自分ごと化できて、自分はプレーしていないですけど、「こんなに嬉しいんだ」と感じました。

もう1つは母校への恩返しです。入社してすぐ、東大での主将主務研修を実現できた時は「こんなに早く恩返しできるのか」と思いました。Criacaoが大事にしている事や僕が大事にしていた事は、学生やスポーツ界にとってもプラスなんだなと実感できた瞬間でした。

東大の全55くらいある部活の主将主務が集まる研修で、「横のつながりをつくる」「リーダーシップ、チームマネジメントについて学ぶ」という目的がありました。ディスカッションを多めにしようとか、あとはリーダーシップ、チームマネジメントについて社会から学ぶ知識を入れました。自分の原体験とか自分の想いをアウトプットする時間も取り、参加学生から「大事なことを体感させてくれた」などの声を頂きました。

 

――大変だった仕事や自分で新しく開拓した仕事はどんなことですか?

学生の集客ですね。入社した時はCriacaoはまだ6、7人だったので、会社の規模も小さく学生から見てよくわからないので、あまり人が来なくて、大変でした。1日300件から600件くらいLINEを送っていて「日本人で一番LINEしているな」と思ったこともありました。

各部活とのLINEグループにはセミナー情報やためになる情報を送っていたんですけど、「とりあえずいい情報を送っていたら来るだろう」から「学生が求めているものを送ろう」となり、集客がうまく回り始めました。また、学生がいつLINEを見るのかなどマーケティングの視点を入れていきました。平日は電車の移動中に見られそうな文面で送るとか、双方向にしようと定期的に学生アンケートを入れました。

新しく開拓したのは、質問②で話した主将主務会議ですね。当時開拓した東大、京大、名古屋大、東北大などの旧帝大に加えて、現在は各私立大学でも講師を務めています。





――お客様から教わった大事なことは何ですか?

本音で話す重要性です。アセットリードさんの社員の方一人一人と話すと、「そんなところに悩みがあるんだな」という点に気付いて、解決していったら、本当に結果がついてきました。向こうからすると僕は社外の人間ですが、本音で話すとか、本当に思っていることを共有することが成果が出る第一歩になると学びました。

僕が入社したタイミングで、同社が翌年からクラブパートナーになるところでした。今の社長の北田さんがスポーツに想いがある方で、最初は丸山さんが持っているサッカークラブは遊びでやっていると思っていたそうですけど、本気で世界一を目指していると知り、サポートして頂くことになりました。想いと想いで支援して頂く一方で、現場からすると、「なぜCriacaoにお金を出すの?」と思った人もいたはずで、その費用対効果が出るよう、ここ2年半ほどは僕が中心で不動産投資の営業のお手伝いをやっています。恥ずかしいのですが、ずっと結果が出なくて成果が出たのが去年からです。

必要以上に悪く見られている不動産投資を、正しく伝えることがすごく大変でした。セミナーで集客して接点を持たせればいいと思っていたところ、「成果が出てないのはこちらにも問題があると思っています」とお伝えして、アセットリードさんの営業の方に「実際、どうやって契約が決まっていくんですか」と聞きました。一対一の面談につなげなければ難しいとわかったので、僕が一生懸命一人一人つなぐように変えました。そうしたら、きれいに2倍に結果が変わりました。要は、僕らの理解の解像度が浅かったと反省しています。

 

――仕事でのマイルールは?

「早く放す、抱えないこと」です。何かをつくったら手放して、すぐに他の社員からフィードバックをもらって、速攻でまとめるよう、スピードを意識しています。例えば、イベントの集客のための文案をつくったら、すぐに展開するようにしています。

それを意識し始めたのは、前職時代に、先輩がすごく長く考えて課長に提出したら、ボコボコに怒られているのを見てからです。僕が結構実験するタイプなので、その後に、短い時間で一生懸命考えて出してみると、怒られ方があまり変わらなくて、「怒られるなら、早く出した方がいいな」とルーティーンができました。

もう一つは、「相手目線に立つ」です。これはアセットリードの件やLINEグループで学生とやりとりする件で学びました。言葉にすると当たり前だと思いますが、意外と難しくて。やってみて、結果を見て、相手にヒアリングするよう心掛けています。アセットリードのセミナーに来てくれた子に不動産投資についてどう思っているか聞いたり、学生とのLINEグループへの投稿の件も実際に自分の投稿について聞いてみると「結構、スルーしてました」と言われたり、「さっき送ったんだけど」と言うと、「どれですか」と返ってきたり。そういうヒアリングをして、自分がやることの解像度を高めることは意識しています。

――Criacao入社前にしていた仕事は?

伊藤忠商事に勤務しており所属は人事・総務部でした。その中で、特に給料や評価の手続き面をミスなく処理することがミッションの仕事をしていました。日々の仕事は、データを打ち込むとか、支払うとか、銀行に書類渡すとか。あと、お給料で一番大切なのは税金なので、税務署や市区町村に納税することもしていました。元々は営業を志望していて、人事・総務部配属になりました。よく言う、商社の配属リスクですね。人事は一番下の第12志望だったんです。

就活では、最初は、「スポーツに薄くでも関わっておきたい」と思ってオリンピックに関わると言っている企業を受けたり、あとは、力をつけるという観点で、コンサルティング会社などを見ていたものの、自分の能力を活かすという観点でピンと来なくて。「何か、自分の強みを生かせて、スポーツに関われるところはないかな」と考えていたところ、周りから「商社っぽい」と言われていたので変えました。2015年当時、伊藤忠商事の社員からスポーツビジネスにも関わるという話を聞き、面接でも「関わりたい」と言ったら「いいね」と言って貰えて、これは希望とおりそうだなと思い入社を決めました。





2度の「まさか」

――Criacaoを知ったきっかけと入社の経緯を教えてください

Criacaoを初めて知ったのは2013年、大学3年生の時でした。当時Criacaoのインターンが東大アメフト部の主将の方で、プロテインを紹介してもらいました。部活で感じていたことなどをお話しすると、「それを解決してくれる人がいるよ」という感じで、Criacaoのセミナーに参加しました。伊藤忠商事に入社したら、まさかという感じなのですが、その先輩が同じ職場にいたんです。

それとは、また別の接点もありました。社会人1年目の時、東京LBという東京都一部リーグのサッカーチームでプレーしていました。伊藤忠の新人研修には山登り研修というのがあって、その講師に怒られて怖い人だなと思いながら、研修は終了しました。その翌日、試合会場に行ったら、まさかのその怖い講師が相手チームのCriacaoの監督だったんですよ。その横にセミナーなどで顔を合わせていた丸山さんがいました。学生時代はCriacaoにサッカークラブがあることを知らなかったので驚きでした。そこから3か月に1回くらい試合やセミナーに行くようになり、社会人になってから接点が増えました。

社会人3年目になった時に、伊藤忠商事は部署異動の可能性が低いので、転職しようと思い、コンサルティング会社の選考を受けて内定を頂いていて、経験を積んでから、ベンチャーに行くなり、起業するなら勉強するなりしようと思っていました。フットサルの会場で丸山さんに会った時に、その報告をしたら「Criacaoに来ればいいじゃん」と言われました。翌週に一緒に食事に行き、サッカーがただ強いだけでなくて、スポーツを通じて人を豊かにしたいという理念や思いを聞いて、それを具体的にどうするのかのイメージもできたので、「一緒に世界一にしたい」と本気で思えました。



――あなたの考えるスポーツの価値を教えてください。

「自己肯定感」と「行動変容につながること」だと思います。そう思うには、弟との原体験と、東大サッカー部での原体験がありました。

これまでスポーツをあまりしてなかった弟が、ボーリングでハイスコアを出したことをきっかけに熱中するようになりました。休日も練習を重ね、鹿児島県代表として全国障害者スポーツ大会に出場するなど、生活が豊かになる変化を目の当たりにしてスポーツの力を実感しました。また、大学時代在籍した東大サッカー部で、途中で辞めていった部員がいたという逆の経験もあります。必ずしも辞めることが悪いとは思いませんが、プレーや人間関係など様々な観点でうまくいかずに、部活人生が幸せだったとは言えない部員がいるという事実を目の当たりにし、スポーツの価値とは何だろう、と考えるきっかけになりました。

現在は体育会学生のキャリア支援を通して主に、学生と向き合って自己分析を行っていますが、スポーツを通して目標に向かって努力する中で、成長したり、組織での役割を学んだり、感動を生みだしたりすることが価値なのではないかと感じています。


――Criacaoを通じてどんな豊かさを創造したいですか。

Criacaoのお陰で仕事が楽しい、イキイキとした人生を送ることができるという状況をつくりたいと思っています。今の日本の社会課題を考えた時に、「仕事が楽しい」と言っている人が6~8%しかいない、ということが思い浮かびました。社会人向けに行っているセミナーや勉強会や、Criacaoの文化を発信するなど、スポーツの力で変えていけば、94%の仕事にやりがいを感じていない人が豊かになるのではないかと考えています。