「フットサル選手のバックグラウンドは、必ず見る人の感性に何かを訴え掛けられる」
小林祐三、井筒陸也、籾木結花は、サッカーでトップカテゴリーまで到達しました。フットサルとは比較するまでもないほどに大きなサッカー業界、もしくはフットサルと同じような境遇を味わう女子サッカーでプレーしながら、彼らは、フットサルの現状をどう捉えているのでしょうか。最初に、こんなことをぼんやりと頭に思い浮かべました。
- 小さなコートとダイナミックなプレーの連続がもたらす臨場感がある
- サッカーを諦めた多くのフットサル選手は、様々なバックグラウンドを持っている
- サッカー選手が伝えたいフットサルの魅力とは、何なのか
そしてこうした導入の前に、彼らはまず、純粋な動機とも向き合っています。
なぜ、このプロジェクトに参加したのか──。
「フットサルは自分の中で近いようで、どこか遠い存在でした。失礼な話ですが、AbemaTVで見たことも、現地で観戦したこともありませんでした。それでもフットサルに興味はあります。
ではなぜ、足が現地に向かわず、スマホでも見ないのか。
僕は今回のプロジェクトのメンバーですが、この“獲得できそうでできていないお客さん層”目線を忘れずに、どうやったら自分はフットサルを見るのだろうという角度から、フットサルの魅力や課題を追求していけたらと思っています。
また、僕は静岡学園の卒業生であり、一緒にプロサッカー選手を目指して、共にプレーした先輩や後輩が、現在もFリーグでプレーしています。
彼らのようにサッカーは諦めても、ボールを蹴ることはどうしても諦められなかった選手が、Fリーグのコートの中にはたくさんいると思います。
そういった選手のバックグラウンドは、伝え方を工夫すれば、必ず見る人の感性に何かを訴え掛けられると思います」
サガン鳥栖/J1リーグ
小林祐三
1985年11月15日生まれ、東京都出身。32歳。元日本代表候補
Twitter:@KobayashiYuzo13
「フットサル選手の多くは “サッカーか、フットサルか” という、人生の決断を経験してきているのではないかと思っています。
幸か不幸か、サッカー選手としての僕は、そうやって自分のスポーツと真剣に向き合う機会もないまま、ただ流されてここに来た感じもしています。
やはり、いろいろな背景を持ったフットサル界だからこそ伝えられるものがあるはずで、それはサッカーと比較することで見えるかもしれないですし、サッカー界にも持ち帰りたいと思っています。
これは3人制バスケを先導する人に聞いたのですが、その魅力の一つは『都会のど真ん中にゲリラ的にコートを作れること』という話でした。
フットサルにも、それと近い可能性を感じています。
サッカーも素晴らしいですが、フットサルの持つ臨場感と親しみやすさは、もっと伝えていける余地があると考えています」
徳島ヴォルティス/J2リーグ
井筒陸也
1994年2月10日生まれ、大阪府出身。24歳。徳島ヴォルティス選手会長
Twitter:@izz_izm
「全体を俯瞰しつつも細部にこだわり、短時間で判断・決断をすることは、フットサルとサッカーの似ている点だと思うが、実際には違いがあるかもしれない。
こうした共通点や違いを、サッカーとフットサルを比較することで発見したいと思っています。
また、比較することで分かる、双方の魅力を発信していきたいと考えています。
フットサルは、 コートが小さいために試合展開が早くなり、スピード感や迫力が生まれ、それをアリーナという臨場感のある環境で観戦できることが、とても魅力的だと感じています。
また、フットサル場が多く、仕事帰りなどにプレーするなど、フットサル経験を持つ人も多いと思うので、フットサル界には、そういった一般の方々に広く普及していける可能性があると感じています」
日テレ・ベレーザ/なでしこリーグ
籾木結花
1996年4月9日生まれ、アメリカ出身。22歳。サッカー日本女子代表
慶應義塾大学卒業
Twitter:@nicole_m09