AbemaTVのFリーグ(フットサル)配信は人気コンテンツになれるのか?
プロジェクトを検証する舞台は「Fリーグ」です。2007年に始まった日本フットサルの最高峰のリーグは現在、トップカテゴリー(F1)に、北は北海道から南は大分まで12チームが参加していて、3回戦総当りのリーグ戦および、上位チームによる優勝を争うプレーオフが行われています。
AbemaTVが、オフィシャルスポンサーとして2017シーズンから試合のリアルタイム配信をしているので(全試合ではなく、ピックアップした試合のみ。ただし、昨年は198試合中80試合以上を配信)、試合会場に行かなくても楽しめるスポーツコンテンツとして、多くの注目を集めています。
AbemaTVは、テレビ朝日とサイバーエージェントの共同出資で2016年に始まってから、“可能性のある業界”に注目して次々と人気コンテンツを生み出してきました。
実際に、AbemaTVによるFリーグへのバックアップは確実に成果をもたらし、この1年半で「見るスポーツ」としてのフットサルの価値が認知され、視聴者数は、今シーズンに入ってからも上昇曲線を描いているようです。
「フットサルは面白い」という意識は、間違いなく浸透しているのです。
ですが一方で、Fリーグに対する世間の注目度はまだまだ大きいとは言えません。
フットサル の競技人口は2011年頃に数百万人とされていましたが、当時から自分たちがプレーを楽しむ「プレーヤー層」と、試合観戦を楽しむ「ウォッチ層」が乖離して、その価値は圧倒的にプレーヤー層に偏ったものでした。
この流れは今も変わらないどころか、競技人口が150万人程度まで減少してきたとさえ言われています。つまり、業界全体の人数が減っている影響もあり、Fリーグの人気が突き抜けることはなく、AbemaTVという “起爆剤” も業界を飛び超える効果を生み出せていません。だからこそ、今まさに検証する価値があるのです。
Fリーグにどれほどの価値があるのか──ということを。
・Fリーグは人気を得られるコンテンツなのか?
・フットサルにはどんな魅力があるのか?
・まずはマスへの認知や視聴、観戦環境をもっと整備することが先決ではないか?
現状を踏まえた上で、そういったあらゆる仮説を検証し、その過程で導き出される課題や問題を精査していくことで、Fリーグ(スポーツ)の価値を再定義できるはずです。
そして、フットサルの価値と可能性を追求していき、さらなる新規ユーザーを獲得していった先に、この業界の明るい未来が待っているのかもしれません。