仕事をしながらサッカーするって? Vol.2 岩舘直(後編)

前編では、岩舘のとある一日に密着をしました。後編では、株式会社Criacaoの社員また、Criacao Shinjukuの選手として仕事とサッカーを両立する岩舘に、改めて想いを聞きました。

 

――Jリーガーからビジネスパーソンになって変わったこと
営業をさせてもらっていたり、地域の飲食店さんとかと関わらせて頂くので「どういった人たちが応援してくれていて」「どういった想いを持ってくれているか」を直に接しながら聞けています。
選手としてピッチに立っている時に、「何のためにこの試合に勝たなきゃいけないのか」とか。「自分たちが影響力を持った時にあの人たちにもっといいことが起こせるな」とか「巻き込む範囲を広くすることができるな」っていうのをイメージできるようになり、昇格することが自分だけの目標じゃなくなりました。そう感じながら試合できるようになったのは大きいなと思っています。

 

――2年前に初めて営業を担当した時と今を比べるとどうですか
クラブの知名度は全然変わってきているし、単純にポスターの数にしても自分が入ったばかりの時は20か所くらいしかなくて全部自分たちで張りに行っていたけど、今は、200か所を超えて、回り切れないくらいの数になっています。
あとは「サッカーやってるんだ。頑張ってね」くらいの温度感だったのが、「本当にそんな真剣にやってるんだね」って言ってもらえるようになってきました。今年は特に、リーグ戦で優勝っていう成果も出せたので、追い風が吹いてるなと感じています。

 

――サッカーと仕事を両立する上で大切にしていること
自分が選手としてじゃなくて、会社の一員としてクラブに関わっている中で、ビジネスの場面で貢献できることってまだまだ少なくて、色んな人と支えてもらいながらやっています。
ただ、競技で貢献することは、事業としてクラブを支えている、株式会社クリアソン社員の優秀な人たちにはできないこと、選手だからできること競技で結果を出すことが会社に対してできる一番の貢献だと思っているので、当然ビジネスとの両立も努力しているけど、そういう意識でサッカーをするようになってきました。

 

――サッカーと仕事を両立する上できついこと
きついことはいっぱいあるけど(笑)。ひとつは、どこまで仕事に向き合って、どこから自分の身体のコンディショニングをするのかっていう線引きのところがいつまでたっても定まらないっていうところかな。
まだまだ全然仕事ができない中で、要領も悪いんで人より時間がかかる。だけど、そこに必死になっちゃうと自分の身体のケアがないがしろになっちゃって、満足にトレーニングできない感覚になる。そうなると、両方中途半端な状態が続いてしまう。サッカーの部分で今は貢献をしなければと思っている中で、仕事に引っ張られ過ぎて、本来貢献できるはずのサッカーのところでパフォーマンスが落ちてしまう。「どっちが大事なんだろう」っていう葛藤の中で、生活を続けているのはきついなあと感じることがあります。

ただ、この2年間で割り切れることとか、できることは増えてきて、要領がつかめているものに関しては、去年よりアップデートされている感覚はあります。担当の企業も最初の3社から、今は7社と増えているので、どうバランスをとるかは常に考えながらやっています。

 

――JFL昇格に向けて意気込みを教えて下さい
JFLの時から地域CL(全国地域サッカーチャンピオンズリーグ)っていう存在は知っていて「とんでもない大会があるな」と思っていました(笑)。高卒でJFLに加入した時は、「Jリーグに行けなかった。プロになれなかった」と自分としては目標に届かなかったという感覚があったけど、今になるとありがたいスタートラインだったなと感じています
地域CLっていう大会のハードさも「そこまでハードだったらもう面白いな。楽しみだな」と思っていて、そこにトライできることって人生においてもなかなかないことだなと思うので、楽しみつくしてJFLに行きたいです。
それでまた、自分が高卒の時に入ったJFLでやれる。今度は自分で駆け上がってたどりつきたいっていう想いは強く持っていますね。


さて、岩舘の密着企画はここで終了です。社員選手は、仕事とサッカーの両立に悩みながら、もがきながらも本気で向き合っています。きたる11月12日より新たなチャレンジ、全国地域サッカーチャンピオンズリーグ が始まります。ぜひ、応援をお願い致します!