アマチュアからプロサッカー選手になった後「諦めた」こととは? 岩舘直

8月より新たに、弊社サッカークラブの法人パートナーとなった株式会社リアークスファインドにおいて行われた社内研修に、弊社社員兼Criacao Shinjuku選手の岩舘直小林祐三が登壇しました。その一部をお伝えします。

法人パートナーとは?

弊社サッカークラブCriacao Shinjuku(クリアソン新宿)では、クラブの理念や行動指針に深く共感し、目指す社会を「一緒になって」つくっていく、そんな仲間を「パートナー」とお呼びし、様々な取り組みを共に進めています。

その一環として、弊社からは社員選手の経験からビジネスにおいて活かすマインドやスキルを学べる研修を実施しています。新規パートナーへは、研修の他、共に取り組みを進める上で、目的や意義をお伝えし、相互理解を深め、より強固な関係構築を目指しています。

不動産業を営む同社で、9月3日に行われた研修は、主に営業職の方が参加しました。
研修設計の際、「営業活動は、個人の成果が求められる。実力主義という点で、アスリートと重なるところがあるため、トップアスリートの声が聞きたい。」とのご要望があり、プロサッカー選手としての経験から成果の出し方についてお話することになりました。

第一部では、岩舘のアルバイト生活をするアマチュア選手からプロサッカー選手へとステップアップした経験をもとに、成果を出し続けるマインドをお伝えしました。GKの岩舘は、浦和レッズ(J1)在籍中はアジア王者も経験していますが、試合出場がないまま、8年間プロ選手の契約を更新しました。

自分の中でステップを設定

サッカーを続けてきて一番難しかったことは、プロになった後のことでした。念願のプロサッカー選手になれたものの、JFLからJ2リーグにステップアップした時に、自分の実力が全く通用しないという感覚に陥りました。

水戸ホーリーホックには契約期間1年で入団したため、結果が出ないとまたアマチュアでサッカーをするか、サッカーをやめるか。スタートから焦りがありました。
「自分はこのチームで試合に出る実力は明らかに足りないな」と思っていて、試合に出るための方法を考えました。「今、出ている選手よりいいプレーをしなければいけない」「ミスをしちゃいけない」「劇的に評価が上がるプレーを見せつけなければ」。そうやって自分にプレッシャーをかけて、余計に上手くいかない状況に陥りました。

その時、僕は周りからの評価を一旦諦めるというところに自分のマインドを持っていきました。一旦、諦めて、自分を見つめ直したことによって、「周りからの評価は仕方ないから、自分ができないことに向き合おう」と思えました。試合には出られないんですが、自分の中で小さなステップを設定して評価軸を持てていたので、同じ練習を繰り返していても、ステップアップしている感覚を持てるようになりました。自分に自信が持てるようになり、積極的なプレーができるようになり、結果的に周りから評価され、約3年間の契約更新を勝ち取りました。

周りからの評価を諦める

試合に出ていない中で浦和レッズへ移籍できたのも、稀な移籍の仕方でした。浦和はビッククラブだったので注目度が増して、また周りからの評価を気にするスパイラルに入りました。ただ、その時「あ、これ全く水戸の時と同じだな」と思えて、再び、周りからの評価を一旦諦めることにしました。そこから、ひとつひとつ自分なりのステップや目標を刻んでいくことで、5年間契約をしてもらうことができました。

8年間プロサッカー選手としてプレーしたんですが、1試合も公式戦には出てないです。周りが求める結果は出せなかったですが、8年間も契約更新して頂けたことは、自分なりに結果を出せたと思っています。

今、自分はクリアソン新宿に移ってきて、パートナー企業に関わりを持たせて頂く営業の仕事をしています。33歳にして社会人2年目で、正直、全然結果を出せていないと思います。周りからは「33歳だったら、これくらいできるよな」とか「社会人2年目だったら」って思われることもあると思いますが、一旦周りからの評価は諦めています。自分を見つめ直して、そこに対して挑戦できるのは、上手くいかない時を経験しているからだと思っています。

サッカー選手とビジネスの違い

第二部では、小林より両社のビジョン実現に向けてこれから共に活動する上で、改めて株式会社リアークスファインドとクリアソン新宿がパートナーとして取り組みをする意義、目的についてお伝えしました。

プロサッカー選手は、ひとりのサッカー選手として生きています。先ほど岩舘の話にもありましたが、自分のプレーをどう良くして、どう評価されて、どう契約を更新するのか。もちろんその先にファンやサポーターの顔も見えていますし、自分たちのやっていることが、契約にだけつながっているわけではないと思っています。ただ、仕組み的には自分の課題を解決すれば生活できるようになっています。
一方で、クリアソン新宿に入って8か月になり、その違いを強く感じているところなのですが、ビジネスにおいては他社の課題を解決すること。そこで契約を頂く。そこはサッカー選手とは違うと思っています。

僕は、平日はビジネスパーソンとして働きながらサッカーをしています
ビジネスの世界で接点を持たせて頂いた皆様が、土日に僕や岩舘がサッカーに本気で向き合っていることに対して、何か豊かさを感じて頂けたら、ビジネスの世界にチャレンジした意味があると思えるので、応援して頂ければ嬉しいです。

研修終了後に実施したアンケートでは満足度4.2(5点満点)の高評価を頂くことができました。また、「挫折しそうになった時に、周りからの評価ではなく自分自身と向き合うことの大切さが印象に残っています。 私自身どうしても、周りにどう思われているのかを気にしてしまい、自分の本質的な部分や、自分のポリシーを見失ってしまいそうになる時があります。その際は本日の岩舘選手の話を思い出し、一旦諦めて、自分自身と向き合っていこうと思いました」「岩館直さんの下積み時代を聞き、 多少の事で凹んだり、他人のマイナス評価を気にしすぎず、自分のやるべきことに真剣に向き合ってやりきる事に意識を向けようと思いました」といった声を頂きました。


株式会社クリアソンは、豊かな社会の実現に向け、引き続き株式会社リアークスファインドと連携を進めて参ります。