「ピッチに立たない強み」静岡大学サッカー部 増田さん

第24回リレーブログ「学生スタッフ キャラバンpresented by Criacao」 を更新しました。今回は、静岡大学体育会サッカー部マネジャーの4年生 増田実奈(ますだ みな)さんです。

静岡大学体育会サッカー部 4年 増田実奈(ますだ みな)
中学1年生の時、高校サッカー選手権に憧れた。進学先の高校ではマネジャー募集がなく、カメラマンとなる。選手との交流を通じて「選手が目指す勝利に貢献したい」という想いから、大学ではマネジャーとなった。
役職
マネジャー
会計
OB会運営
広報

「学生スタッフが与える価値は何か」
「自分自身は、その価値をどのように体現するのか」

2014年1月13日、寒い冬の国立に長いホイッスルが鳴り響きました。

喜び、悲しみ、それぞれの想いを抱えピッチに倒れる選手、スタッフ、応援団。国立最終章は、残り3分まで2点を追っていた富山第一がロスタイムに追いつき、延長後半に逆転をするという劇的な幕切れとなりました。

中学1年生の冬、この試合をテレビの前で観戦していた私は、高校サッカーの虜になり、高校ではサッカー部のマネジャーになりたいと思うようになりました。しかし、実際入学してみると、進学先の高校では、マネジャーを募集していませんでした。それでも諦め切れなかった私は、カメラマンの立場から、サッカーに関わることを選択しました。足を運べる試合にはできる限り出向き、静岡県のあらゆるチームの写真を撮り、SNSで発信や情報提供をしていました。活動を通じ、選手とコミュニケーションの機会を持つことや、モチベーションビデオの依頼などもいただくようになりました。選手のひたむきに頑張る姿に感動したことをきっかけに、自分が行動したことでしたが、今度は少しでも選手の力になれたことにもやりがいを感じることができました。

マネジャーは本当に必要か?

しかし、私は外部の人間であることは揺るぎない事実でした。だからこそ、チームの一員として貢献したいという想いから、大学では絶対にサッカー部に入ると決心しました。そんな強い想いを抱き、晴れて静岡大学体育会サッカー部のマネジャーとなったにも関わらず、入部当初は、なかなか主体的に動くことができませんでした。

皆さんは、「マネジャー=サポーター」という認識をつい、してしまわないでしょうか?本来マネジャーには、運営統括の責任者という意味があります。しかし、日本では、部活動におけるマネジャーの意味は、雑用係として認識されることが多いのではないでしょうか?

私は、長い間、この「マネジャー=雑用係」という世間のイメージに悩まされ、囚われ続けてきました。「マネジャーは本当に必要なのか?」「そもそも自分のこの考え方は間違っているのか?」「自分にできることはあるのか?」

このようなことを思い、存在意義を見いだせずにいたのです。そんな私が、この呪縛から解放されたきっかけは、部員ブログやSNSを通じて、全国の学生スタッフの想いを知ったことでした。

「マネジャーがチームを勝たせる」「選手のもうひと踏ん張りになる」

そんな想いを抱き、毎日部活と向き合っているマネジャーさんがたくさんいました。これにより、「マネジャーでも勝利に貢献できる方法がある」と思い直すことができ、”自分が思いつく限りのことは、徹底的に行動する“ことにしました。それが、選手や勝利に貢献できることなのかはわかりません。ただ、自己満足かもしれないことでも、少しでも貢献できる可能性を感じたものは挑戦したくてたまらなくなりました。

私に何ができるのか?

夏場の暑さ対策として、他チームのサポートを天皇杯のベンチの様子やSNSで調べることや、相談させていただいたことを元に練習で実証実験をしたこともありました。どうしたら暑い中で、適切に水分やミネラルを摂ることができ、少しでも快適で、良いコンディションで試合に送り出せるかを考え続けました。冷感タオルやバケツを取り入れたりと、仕事量は圧倒的に増えましたが、みんなの喜んだ顔や、たくさん使ってもらっている様子を見ると、やってよかったなと嬉しくなりました。そして、もっとみんなと同じ目線で闘うためにできることはあるのではないかと考えています。

それから、Instagramで毎日の練習で得た気付きを共有すること。試合形式の練習でプレー成功率の可視化を行うこと。OB会の立ち上げやチラシの配布、選手・スタッフ・OBと様々な立場の人の想いや意見を探り、課題を見つけ、解決策を考えることも行いました。

一つ一つは小さなことですが、思いついたことは全て行動しました。”選手のため”を前提に置き、勝敗という結果にこだわらずに雑用をやっていたときよりも、楽しくなりました。さらに、選手と密にコミュニケーションを取ることができることや、感謝や激励の声をいただくことが増え、微力ながらも”チームに貢献できている”と実感することができました。

ピッチに立たない強み

マネジャーも選手も、ピッチに立つ、立たないに関係なく、「”勝利”に貪欲になり、自分にできることを追求する」。それが、まさに”チームの一員である”証拠ではないか、と私は思います。チームのためにプレーやコーチングをすることは、確かにできません。だけど、マネジャーだからこそできることもたくさんあります。

サポーターではなく、「チームの一員として、“ピッチに立たないことを強み”として貢献できること」こそが、学生スタッフの価値であると私は思います。

また、表現方法が縛られないこともマネジャーの強みだと思います。サッカーでのアプローチに縛られなくて良いので、フラットに広報活動やOB会など様々な角度から挑戦しやすいのかもしれません。その点を考えると、チームに多様性を与えることができるのも価値であり、役割だと思っています。

こんなことを言ったとしても、未だにサッカーができないことに悔しさや自信をなくすことはたくさんあります。しかし、マネジャーにしろ、選手にしろ、価値を与えられるかは、自分次第だと思います。残りあと半年で、どう活かして、どう貢献できるのか。たくさん悩み、考え、行動し続けていきたいです。

学生スタッフ キャラバン presented by Criacao

全国の学生スタッフがリレー形式で「学生スタッフが与える価値は何か」「自分自身は、その価値をどのように体現するのか」という2つのテーマについて、自身の言葉で書いていただいています。これは、弊社の理念である「スポーツの価値を通じて、真の豊かさを創造し続ける存在でありたい」を、体育会の現場から考えるという記事です。

体育会部活に向き合ったクリアソン社員

最後まで読んでいただいた皆さま、ありがとうございました。クリアソンにも体育会での活動に向き合ったメンバーがいます。そんなメンバーの想い、部活と就職活動についてなど、紹介した記事がありますので、気になる方はこちらも是非ご覧ください!!

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