「スタッフは、麦わらの一味」福岡大学サッカー部眞崎さん

第23回リレーブログ「学生スタッフ キャラバンpresented by Criacao」 を更新しました。

学生スタッフ キャラバン presented by Criacao

全国の学生スタッフがリレー形式で「学生スタッフが与える価値は何か」「自分自身は、その価値をどのように体現するのか」という2つのテーマについて、自身の言葉で書いてもらいます。これは、弊社の理念である「スポーツの価値を通じて、真の豊かさを創造し続ける存在でありたい」を、体育会の現場から紐解いていただきます。

第23回は、福岡大学サッカー部分析官の2年生眞崎 惣介(まさき そうすけ)さんです。

福岡大学サッカー部 2年 眞崎惣介
小学2年生から高校卒業までの約10年間選手としてプレーした。その後、全国制覇や70人以上のプロサッカー選手を輩出している九州の強豪、福岡大学ヘ入学。大学入学と同時に、分析官(学生スタッフ)としてサッカー部に入部。
現在、トップチームの分析とB2(D)チームのGKコーチを担当している。
役職 
分析官
GKコーチ

「学生スタッフが与える価値は何か」「自分自身は、その価値をどのように体現するのか」

初めまして、福岡大学サッカー部に所属しています眞崎惣介です。入部当初から学生スタッフとして活動してきた経験を踏まえ、「学生スタッフが与える価値」について書いていきます。

 まず、はじめに私の役職をご覧になった方は、「分析官って何者?」と疑問に思った方もいるかもしれないので簡単に説明します。分析官とは「目標達成に導くために、映像やデータなどの情報を駆使し高いレベルでの専門性を持ってチームや選手をサポートする存在」です。分析官を別名、「スポーツアナリスト」と呼ぶこともあります。

関東や関西の大学では様々な競技・種目で分析専門のスタッフがいるということを聞きますが、九州ではサッカーや野球などのメジャーなスポーツでさえ、普及し始めた段階です。なので、まだまだ発展の余地がある分野になります。このように、周りに分析官をしている人がいるわけではなかった私が、なぜ分析官を目指すことになったのか、それは高校2年生の冬休みに起きたある出来事が関係しています。

「分析官」をテレビで知る

その日は練習が午前で終わったので、昼過ぎから前日に放送されたイングランドのプロリーグの試合を見ていました。いつも通りソファーに座ってボーっと見ていると、とあるシーンが私の目に留まりました。それは、スタンドの上の方でチームウェアを着た3人がパソコンやカメラを操作しながら、無線で誰かと会話をしているところでした。何かアンテナに引っかかったかのように感じた私は、「この人たちは何をしているんだ?」と思い、テレビの向こうでスター選手が試合をしているのにも目もくれず、グーグルで「スタンド スタッフ」「パソコン サッカー 無線」など見えた情報をとりあえず打ち込み、彼らが何者なのかを必死に探しました。そこで初めて「分析官」という存在を知りました。私は当時、自分の将来と向き合う時間が増え「プレーヤーとしては、もう無理だな」と思い悩んでいたため、この役職を発見した瞬間に「これで世界に出よう!」と決意しました。

前例なし、右も左も分からない

そうして、猛勉強の末、スポーツに力を入れていると名高い福岡大学に入学し、サッカー部に入部しました。ただ、分析専門でサッカー部に入ってきた部員は私が初めてであり、前例もありません。さらに、私は分析官をしたことがなく、右も左も分からない状態からのスタートでした。

なので、いきなり「分析をしたいです!」と言っても、能力や信頼関係は無かったので、何かできることはないかと考えました。その結果、選手が映像でのフィードバックを受けられる環境を作ろうと思い、多いときは1日4カテゴリーの練習を撮影し、Youtubeに上げるという作業をしました。このように、世間一般が思う「分析」は何一つ行っていませんでしたが、選手から「自分のプレーが見返せるから助かる」「めっちゃありがたい」などの声を聞き、選手の自己分析に役立っていることを感じました。私が「分析する」のではなく、選手が「分析をする」方法もあることに気づきました。「分析官は、分析してこそ価値がある」。そう思い込んでいましたが、このときにチームや選手の役に立つ方法は、いくらでも創れることに気がつきました。

スタッフは脇役

 その後、サッカーや分析の勉強をしていき、本格的に行っていくのですが、この入学して間もない頃の経験が私の中にある一つの考えを生み出しました。それは

「スタッフというのは、どこまでいっても脇役でしかないんだな」と言うことです。

当時(現在もですが)、私は、手を変え、品を変え選手の強化に努めようとしていましたが、選手は私の活動結果を享受するだけで、自身の成長のために努力をします。そもそも何のために、誰のために努力をしているのか、というところが違うのです。脇役なんて言い方をすると「自分で自分の価値を下げるな」と怒られそうですが、結局サッカーはピッチに立つ選手が主役で、私たちスタッフは脇役なのです。人々はピッチ上の選手の名前は覚えますが、分析官やトレーナーの名前は覚えていません。

ピッチに立つ主人公をもっと

私は少年ジャンプの作品が好きなので、チームを「ONE PIECE」(ワンピース)に例えると、選手はルフィ(主人公)です。そして私たちスタッフは、麦わらの一味(脇役)と考えることができます。いい作品と呼ばれるものは主人公やストーリーが面白いのもそうですが、脇役の設定が作り込まれているものです。脇役が緻密な設定を持っていることやキャラクターが濃かったりすればするほど、主人公は霞まないようレベルアップしますし、作品はより深いものになっていきます。

何が言いたいのかというと、スタッフというものは、チームという1つの作品の中の脇役であり、決して主人公にはなれない存在です。だからこそ私は日常的に接する選手たち(主人公)を輝かせるために「最高の脇役になろう」と日々自身のスキルを磨くことや知識を一つでも多く得ようと努力しています。

昨今、SNSが普及し、分析官やトレーナー、マネジャーといったスタッフ、私が言う「脇役」が日の目を見る機会が増えてきたわけですが、私たちスタッフはどんなに注目を浴びようと決して驕らずに、ピッチに立つ主人公をもっと輝かせようと努力し続けるべきだと思います。

体育会部活に向き合ったクリアソン社員

最後まで読んでいただいた皆さま、ありがとうございました。クリアソンにも体育会での活動に向き合ったメンバーがいます。そんなメンバーの想い、部活と就職活動についてなど、紹介した記事がありますので、気になる方はこちらも是非ご覧ください!!

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