最も大事なのは、自分を知ること

10月27日、大阪成蹊大学経営学部のスポーツキャリア論という授業で、弊社社員の森村昂太が特別講義を行いました。講義の目的は、学生のうちから自身の将来計画や準備をすること、まずアクションを起こそうという意識を持つことでした。森村はプロサッカー選手として歩んできたキャリアについて話しました。

森村が特別講義を行うことになったのは、この授業の講師、古川先生とのご縁からです。こうして素敵なご縁が繋がり、学生の皆様に向けてお話しさせていただく機会があることに本当に感謝です。

古川先生と森村の出会い

2020年、森村が町田ゼルビアに在籍していたころ、二人の共通の友人の結婚式で出会ったことが最初です。古川先生が学生時代、サッカー部に所属していたこともあって話が盛り上がり、意気投合しました。その場で古川先生から、たまたまクリアソンという言葉が出たそうです。同年12月に森村のクリアソン入社が決まり、古川先生に連絡して今後のキャリアについて相談に乗ってもらいました。そして、今回は古川先生より連絡があり、学生に講義をさせていただくことになりました。

講演内容

主に、3つのテーマで話しました。

  1. これまでの経歴、現在のキャリアを決断した経緯
  2. 元クラブ選手会長からみたJリーガ―の日常生活と引退後の準備
  3. アスリートに対して求められるキャリア支援とアスリート自身に必要な準備

1つ目のテーマである、「これまでの経歴、現在のキャリアを決断した経緯」では、森村の意外な過去を明かしました。プロサッカー選手になるような人は、小さい頃からサッカー中心の生活を送っていそうですが、小学生の時は中学受験のため、塾に通い1日7~8時間も勉強することもあったそうです。ただ、並行してサッカーもしている中で、「勉強で一番になるよりも、サッカーで一番になりたい」という想いが強く、結局、中学受験はしませんでした。自分の想いに正直にアクションを起こし続ける森村の原体験を学生に伝えました。

2つ目のテーマである「元クラブ選手会長からみたJリーガ―の日常生活と引退後の準備」では、Jリーガーの日常生活を踏まえながら話がありました。クラブ選手会長とは、各クラブから代表して日本プロサッカー選手会に所属する選手のことです。詳細は、コチラからご覧ください。

サッカー選手である以上、個人事業主であり、いつ仕事が無くなるのかは分かりません。そんな環境にいるからこそ、クラブ選手会長になってサッカー界を取り巻く環境を知りたい、自分がいる環境を知りたいという想いで、ギラヴァンツ北九州時代に選手会長に立候補し、就任したという経緯です。

そして、この経験から選手は個人事業主だからこそ引退後に備えることも必要だと感じたと言います。ただ、現役選手にとって引退した状態なんて分かりません。「だからこそ、今の自分の価値を高めるための行動をする必要がある」という話がありました。

3つ目のテーマは「アスリートに対して求められるキャリア支援とアスリート自身に必要な準備」でした。

そもそもサッカー選手は、競技力にお金が支払われています。例えば、攻撃的なポジションのフォワードであれば、得点することに支払われているような形です。ただ、引退を迎えた瞬間に、これまで自分の競技力に支払われていたお金が0になります。一気に生計を成り立たせる能力が乏しくなってしまう傾向が強いのです。そのため、セカンドキャリアの問題が叫ばれています。

能力の乏しい状態を避けるために、アスリートのキャリア支援のために、クラブが準備できることもあります。サッカー以外の能力向上ができる場を設けることなどです。クラブのコネクションを活かし、選手を外の世界につなげることができたり、イベントの実施などもできます。また、アスリート自身にも必要な準備があります。“自分を知ること“です。自分に、どんな価値観があるのかを知っておくことで、次のステップに進んでもサッカーと親和性が高くキャリアを歩めます。また、たくさんの人と出会って外の世界を知ることが必要です。それが自分の価値観のブラッシュアップにつながります。

このような形で、森村のキャリアから感じた大事なことを学生へお伝えしました。

森村よりコメント

学生・アスリートに関わらず、『自分でアクションを起こすことが大切』をテーマにしました。キャリアを歩んでいく上で、環境、立場それぞれが変化していきますが、そのキャリアに沿って自分なりのアクションを起こすことで、次のステップや自分の視座をいかに高められるかという話をしました。選手会長を務めた経緯やクリアソンへ入社した経緯、意思決定の瞬間やポイントを学生に伝えることができ、アクションすることの大切さを伝えられたとは感じていますが、自分事として捉えてもらえるような工夫が少し足りなかったと感じています。

今後も、クリアソンとご縁のあった学生が、より良いキャリアを歩んでいけるように自分も成長してサポートしていきたいと思いました。