「勝利に向かう共闘者である」東京大学女子ラクロス部高木さん

第8回リレーブログ「学生スタッフキャラバン presented by Criacao」 を更新しました。

学生スタッフ キャラバン presented by Criacao

全国の学生スタッフがリレー形式で「学生スタッフが与える価値は何か」「自分自身は、その価値をどのように体現するのか」という2つのテーマについて、自身の言葉で書いてもらいます。これは、弊社の理念である「スポーツの価値を通じて、真の豊かさを創造し続ける存在でありたい」を、体育会の現場から紐解いて頂きます。

第8回は、東京大学ラクロス部女子4年生の高木美帆(たかぎ みほ)さんです。

東京大学運動会ラクロス部女子 4年 高木美帆
高校まで運動部とは無縁だったが、運営的な面からスポーツに関わってみたいと思いスタッフとして入部。現在はスタッフ唯一の4年生として、スタッフ長・主務を務める。
役職
主務(幹部)
スタッフ長
コロナ対策管理者
広報班

「学生スタッフが与える価値は何か」
「自分自身は、その価値をどのように体現するのか」

初めまして、東京大学運動会ラクロス部女子でスタッフを務めています、4年の高木美帆です。普段、部活内では「ゆづ」というコートネームで呼ばれています。コートネームとはコート上で呼ばれるあだ名であり、本名からどんどん連想ゲームをしていって最終的に「ゆづ」にたどり着きました。私は高校まで全くスポーツに関わったことがありませんでしたが、運営面に関わる興味や一度スポーツに関わってみたいという気持ちから、雰囲気の良かった女子ラクロス部にスタッフ(マネジャー)として入部しました。今はスタッフ長、そして主務として活動をしています。スタッフとはどんな存在なのか、拙いながら私が今まで考えてきたことを書かせていただきたいと思います。

私にとっての学生スタッフが与える価値は「勝利に向かう共闘者である」ということです。

勝心共闘(しょうしんきょうとう)
勝つ心、勝つ気持ちを持って、選手と共に闘う。

入部した時から、私のチームにあった言葉、スタッフスピリットです。入部当初、勝ち負けとかスポーツの世界なんて全く分かっていませんでしたが、この言葉を見て、「自分も選手と同じように頑張るんだ」とスタッフに誇りを持って活動していました。選手の先輩がスタッフの私のことを気にかけてくださったり、新歓で選手と同じくらいスタッフにも注力していたり、選手とスタッフが対等であるという文化を感じました。

そして2年生の時のリーグ2戦目、今までの部活の中で最も鮮明に覚えている試合です。私は2年生でありながら、ベンチに入らせてもらいました。当時2部昇格を目指していたチームにとって、全勝しないと入れ替え戦にも進めないので負けられない試合でした。なかなか苦しい状況が続き、気づけば、試合終了10分前で5点もの差がついていました。その場で何もできないことがもどかしく、ただただ怖さに震えながら試合を見つめていました。その後、奇跡的に逆転勝利を収めましたが、私は何もできず、役割として与えられていたデータを取ることすらままならなくなってしまった自分を悔しく思いました。

試合後、コーチからチームに対する叱咤の言葉を受けながら、私は何をしていたら、何ができていたら良かったのかと思い返しました。「初戦の勝利で少しフワフワしていたかもしれないチームに、緊張感を与えられたら良かったんじゃないのか」「もっとタイムマネジメントを工夫して、少しでも練習時間を多く確保できたんじゃないか」。浮かぶものは全て試合中ではなく、試合までの練習で変えられたことでした。

チームの一員として、勝つために、何をするのか。何をすべきか。

そう問われた時、もちろん勝利への貢献の仕方はそれぞれあると思いますが、プレイヤーにとってはラクロスを練習して、上手くなって、点をとることやディフェンスで守りきることが答えとして一番に思い浮かぶものだと思います。

スタッフには、そうした明快な答えがあるでしょうか。性質上どうしても、間接的にしか勝利に貢献することができません。だからスタッフは「この試合は自分が勝たせた」という実感は得にくいし、逆に「自分のせいで負けた」と思うことも比較的少ないと思います。あの試合のように決定的で大事な瞬間にできることは限られていて、スタッフの力の発揮を発揮する場面はそこではなく、日々の練習運営にあります。勝ちがすぐには結びつかない場面で、実は真価が問われています。

勝つためにラクロスをすれば良いわけじゃないスタッフは、勝利という目標に対して何をするのか、何をして貢献するのか。明確な答えはありませんが、それを日々追い求めて行動することで、初めて勝心共闘が体現されると思っています。コートに立たない私たちが、ただいるだけでは、共に闘っているなんて言えません。ただ目の前のことを仕事としてこなすのではなく、勝つためにベストなことは何かを考えて行動することで共に闘っていると言えると思います。

そして、私がどうその価値を体現するのか。日々の練習において、妥協をしないことで体現したいと思っています。

タイムマネジメントを正確に行う、選手にどんなビデオが見やすいか細かく聞いて工夫してビデオをとる、審判員としての目線から危ないプレーを指摘する、そのような練習運営での一つ一つの行動が勝利に直接結びつきにくい分、「まぁいいかな。大丈夫かな」という気持ちが生まれることもあると思います。その日の練習が滞りなく行われれば問題ないと、現状に満足してしまいがちです。しかし、その妥協は確実に質を落とし、時にはチームにとって大きな損失を生むことにもなります。逆に、ひとつひとつに妥協せず、少しずつチームにとってプラスになることを積み重ねることが、強い運営体制を作り、勝利への大きな要因になると信じています。特に私はビデオを撮る時、少しでもファールになりそうな危ないプレーがあったら、その指摘の声をビデオに入れることに意識して取り組んでいます。実際に試合でファールにならなくても、ファールになる可能性があることを伝え、少しでもフェアプレーで試合をして勝利に繋がれば良いなと思ってやっています。

もうすぐ、私にとって最後となるリーグ戦が始まります。私がもう一度ベンチであの試合のような場面を迎えたとしても、怖さに震えることなく、最後までプレイヤーを信じて声を出し続けることができるように、妥協することなく、日々スタッフなりに勝利を追い求めて共に闘いたいと思います。

体育会部活に向き合ったクリアソン社員

最後まで読んでいただいた皆さま、ありがとうございました。クリアソンにも体育会での活動に向き合ったメンバーがいます。そんなメンバーの想い、部活と就職活動についてなど、紹介した記事がありますので、気になる方はこちらも是非ご覧ください!!

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