教育現場の課題を、ビジネスやスポーツから紐解くコミュニティ

2020年秋より動き出した教員向けオンラインサロンCriacao Leaders’ College for Teachers。全国各地で教員として活躍されているメンバーが集い、ビジネス界・スポーツ界に触れ、意見交換をしています。今回は、Criacao Leaders’ College for Teachersのメンバーに参加者の声を聞いてみました。クリアソンとの出会いからサロンの魅力までたくさんのことを話して頂いております。

Criacao Leaders’ College for Teachersは、ビジネス界・スポーツ界との交流を通じて、教育について考え、ともに学ぶ、現役教員が集まるオンラインサロンです。多様な人材の価値観に触れること教育の課題を解決することを目的として、月に一度、様々な経験をされたビジネス界やスポーツ界の方々が登壇し、交流をします。交流の様子は、アーカイブされ、サロン生は好きな時間に何度でも見ることができます。


クリアソンとの出会いは?

私は、とある国立大学のサッカー部に所属していて、大学4年の時にクリアソンを知りました。きっかけは、別の大学のサッカー部に所属していた、高校の同期だった友人から「岡本達也(キャリア事業部)っていう進路相談や部活の相談に乗ってくれる人がいるけど会ってみない?」と電話で言われたことでした。次の日にLINEで「この人は何者じゃ?イマイチ目的が分からないんだけど」と連絡しつつも、「面白そうだな」とも思って、警戒心MAXの中、会ってみました。何者なのかを理解してから、部活での悩みを相談することも増えていきました。部のマネジメントを学ぶ部活セミナーにも来てもらうようになり、大学内での複数の部活間の繋がりを作ってもらったこともありました。

そんな出会いから、なぜ教員サロンに参加することになったのですか?

昨年の緊急事態宣言中に、岡本さんから急に連絡がありました。お時間を頂き、最近の様子を話しました。大学卒業後は教員になっていたのですが、「教員は狭いコミュニティーで、外との繋がりが無くて困っている」と悩みを共有しました。それからクリアソンが教員同士の繋がる場やビジネスとも触れる場を作るという話があり、私もそのオンラインサロンに参加することになりました。

これまでのサロンの活動を通して、良かったと思うことを教えて下さい。

 めちゃめちゃありますね。その中でも一番は、同じようにもがいている教員の方々がいると知ることができたことです。同じような目的意識を持った教員同士で話をすると、教育現場で、こんな場面でこのような対応をしたんだけど、どう思う、と同じ視点で話ができますし、また、同じような課題を持っていると知ることができたことも良かったです。
 あとは、ビジネス界やスポーツ界で活躍されている方と話ができていることです。私たち教員と同じような課題感を持っていると思ったり、全然違うなと思ったりします。違う角度からの話を聞いて、自分の現場を見られていることも良いことだと思います。他の教員の方々が、登壇されている方に悩みをぶつけた時に、「それ、めちゃ分かる!」と共感することもあります。悩んでいるのは、自分だけではないと知るのも良いです。

サロンでの学びが、教育現場でどう活きていますか?

 初回のネットイヤーグループ株式会社代表取締役副社長COO林田さんの会で、「組織を変革したい。よりよくしたい」というテーマで話をしたことがありました。その中で、「人と関わる回数が大事だよ」という話がありました。「声を掛け続けることが重要であり、それはどんなことでもいい。内容に中身があるとかないとかに関わらず話す」ということを仰っていて「(自分には)その視点はなかった」と思いました。生徒とは、一回の関わりを濃くしないといけないと思っていました。
 私は今、高校3年生の担任を持っています。生徒は進路選択を迫られている環境ではありますが、一人一人と継続して話すこと意識した結果、軽い雑談をしたつもりが、いつの間にか進路についての深い話になることもあります。また、関わりが増えると、生徒からも関わろうとしてくれます。些細なことでも相談が来るようになったことは大きな変化です。
 また、「継続して話そう」と同じ立場の教員に言われても、私の場合は「それは分かってるよ」となってしまい、行動できない自分がいます(笑)。ただ違った立場の方々から言われると、それってどの環境でも大切なことなんだと気づくことができます。ビジネスやスポーツで活躍している方に言われると尚更です。(笑)

他にも、現場で活きていることはありますか?

 私は、生徒の進路相談もしますが、サロン内で、自己分析について話があり、自分の過去を振り返って、将来について考えるという引き出しがあることを知りました。生徒の将来ばかりに目がいき、過去を考える時間が少なかったです。過去の自分の出来事を書き出すようなことを、そのまま引用して、生徒に提出してもらうことも行いました。そして、提出してくれたものを踏まえて二者面談を行いました。その時に企業の人事が聞くような、過去の感情の揺れ動きを聞くことや、なぜその感情になるのかを聞いてみました。

サロンがもっとよくなるような提案はありますか?

話を聞いて、実際に行動に移したことを共有する場があればと思ったりもします。また、自分がサロンを聞いて学んだことの深掘りをする会など、アウトプットする場もあったらと思います。話を聞いても、すぐに実践できないこともあるので、話を聞いた後へのアプローチがあれば最高です!

最後に、教育現場からどんな豊かさを創造したいですか?

 教育現場から学ぶ楽しさを、生徒には知ってもらいたいと思っています。その中で、私が大切にしていることは3つあって、「他律から自律へ」「一生涯の仲間づくり」「学ぶことにワクワク」ということです。ワクワクしている人が多い社会にしたいです。それが豊かさに繋がると思っています。

本日はありがとうございました!!

過去登壇者

鈴木良介さん (NowDo株式会社 取締役副社長兼COO)
現在、サッカー元日本代表本田圭佑選手と共にビジネスを展開。NowDo株式会社の他にも複数事業を持つ。登壇時には、ビジネス×スポーツ×教育の観点からの話や世界中でサッカーをした経験もあることから、国や地域による教育の違いについてもディスカッション。

瀬田信吾さん (株式会社ウィル・シード代表取締役社長)
2003年にアクセンチュア株式会社に入社。その後、2008年にウィル・シードに参画し、マーケティング責任者などを歴任。2019年度より代表取締役社長に。登壇時には、学校教育で求められる知識のインプットは必要なのか、という問いに対して、ビジネスの観点から教員と一緒に考えた。