【トップアスリートが語る】個人よりもチームの方が成果はあがる

【VUCAワールドを生き抜く】というコンセプトの下、株式会社日本マンパワーと弊社共催で毎月1回、企業の人材育成ご担当者を対象にトップアスリート研修無料体験会を開催しております。2021年度7回目となる体験会は、「トップチームのチームワーク」というテーマを設定し、水泳元日本代表キャプテンでオリンピック2大会に出場経験がある伊藤華英さんをお招きし、オンライン上での開催になりました。

冒頭に、研修趣旨、ゴール、コンセプトをご説明したのち、参加者の皆様より「マネジメントに関する『トップアスリート』と『一般ビジネス』の共通性と異質性について、比較したい」「主体的にチャレンジし続けるチームを作るためのコツ」「トップアスリートの方が成果を出すために日頃意識されているチームビルディング手法」といった知りたいこと、学びたいことの共有をしていただきました。

伊藤さんのこれまで

人生最大の挫折を経験

第1部では、伊藤さんのこれまでの経験や実績をキャリアストーリーとしてお話しました。現役時代の映像を見せながら「水泳って、とってもきついスポーツなので、最後まできついことに耐えられる人が勝てます(笑)」と伊藤さん。

伊藤さんは、生後6ヶ月から水泳を始め、小学校3年生になる頃には、全国大会に出場するなどメキメキと頭角を現していきました。その頃は、あまり水泳に執着はなく、中学受験を機に2年ほど水泳から離れたといいます。中学生になって再び水泳部に入部し、2年生で全国大会を優勝します。「誰かに勝ちたいとか、負けず嫌いといったことはなく、唯一、頑張るのが得意だったかな」と自己分析していました。

高校2年生で日本代表デビューを飾り、順調に成長していると思われた伊藤さんは、大学2年生で人生最大の挫折を経験します。アスリートとしての貪欲さ、探求心、勝ちたいという気持ちを持てずに水泳をしていた結果、大きな壁に当たりました。しかし、それをきっかけに「国際大会に出場したい、水泳選手として自分の人生を肯定したい」と思うようになったと言います。

仕事もスポーツもチーム

第2部では、伊藤さんが北京・ロンドンオリンピックで水泳日本代表として戦い、経験したチームワークについて迫りました。そもそもチームとは、共通の目標や目的を認識した上で、2人以上からなる集団のことを指します。ただ集団だからといって、チームに属する全員が、全く同じことをすることは少なく、個人の活動も存在します。1人で完結する仕事もあれば誰かと協力することもある中で、重要なことは、チームと個人の活動を同時に実行することです。これができるのであれば、チームは個人の集まり以上の力を発揮し、優れたパフォーマンスや高い成果をあげることができます。

仕事でいうと、テレアポをする人がいて、対面で営業をする人がいて、売上を管理する人がいます。これを1人ですることも可能ですが、チームで分担することにより優れたパフォーマンスをあげることにつながります。

これらを踏まえて、伊藤さんがロンドンオリンピックに出場した際に経験したチームについて話がありました。水泳という競技の特性上、プールサイドに立てばコーチから離れて、泳ぐのも1人です。それでも、日本代表チームとしてメダルを何個取るのか、入賞をいくつ果たすのかなどの目標を設定しました。例えば、金メダルを取れる可能性が高い選手がいるのであれば、その選手が金メダルを取ることによって自分たちの成果として捉えられる環境を創ります。もし自分の試合が終わったからといって、選手村にいて応援もしない選手がいれば、試合が控えている選手は集中力が削がれる可能性もあります。

またロンドンオリンピック時の日本代表には、15歳の選手もいれば30歳の選手もいました。だからこそ、コミュニケーションを執拗にすることも目標としました。そうすれば、心理的安全性が確保でき、不安や緊張などを1人で抱え込むことなく試合に挑むことができます。これは仕事でも同じで、22歳の新入社員もいれば、60歳の社員もいます。お互いに歩み寄りコミュニケーションを取ることで心理的安全性が確保され、不安な感情を共有できれば、業務面でも連携ができ生産性が上がります。

これらの話を踏まえて、伊藤さんから締めくくりの言葉がありました。

チームワークについて、正解はありません。人が入れ替わることもあれば、時代が変わっていくこともあり、そうすればチームとしてのやり方も変わります。今の時代で言えば、様々な人の価値観が認められてきています。だからこそ、第2部でも話したコミュニケーションが重要です。VUCA時代とあるように、変化の激しい世の中だからこそ1人1人が変化に対応して、チームを創っていきましょう」

トップアスリート研修とは

2018年から本格的にスタートし、トップアスリートからビジネスにおいて活かすマインドやスキルを学べる企業研修です。研修の対象や、目的、課題、ゴールについて確認をしながらカスタマイズ型の設計・実施を行います。代表的な展開としては新入社員、次世代リーダー、管理職、健康経営等の対象が挙げられます。

講師にトップアスリートをお呼びし、ファシリテーターが進行を行うため、アスリートの原体験から思考や姿勢、価値観を変換することができ、ビジネスの場面でも活かせる気づきや、学びを提供します。

なぜトップアスリートなのか

アスリートは、多様な価値観を持ったメンバーの中で、短期的な成果を挙げる必要があり、厳しい競争環境の中では差別化、市場価値の向上が求められます。また、テクノロジーや技術の進歩が速く、勝ちパターンはすぐに陳腐化します。こうした環境は現代のVUCA時代と共通する点が多く、トップアスリートの習慣や思考を学ぶことで今後のビジネス界を生き抜く力を得ることができます。

研修の体験会へはどなたでもご参加可能です。ご興味がある方は、弊社HP内お問い合わせよりご連絡下さい。