「怖がらずに、挑戦してほしい」。 視覚に障がいのある子どもたちに、走り方とメッセージを伝える

 Criacao社員で陸上400mハードルで日本代表経験のある舘野哲也が、11月8日に行われた第二回「ブラックロック オンラインブラサカ親子広場」(主催:NPO法人日本ブラインドサッカー協会)の講師を務め、視覚に障がいのある小学生から高校生とその家族に、速く走るための走り方と、挑戦することの大切さを伝えました。大人から子供まで、「走り方」を教える機会の多い現役選手の舘野ですが、視覚に障がいのある人たちを相手にオンラインで指導するのは初めての経験でした。

 第一部の走り方教室では、子供たちの全身が映った画面越しに指導。冒頭、「体がどう動いているかは、目で見るより感覚で知るものです」と話して、家族など他の人に見てもらうことも大事だと伝えました。

 また、子供たちにわかるよう、体の部分を自分で触って確かめるように伝えたり、「床にチョンと触ったら、脚を上げて」など細かく表現しながら、体の動きを見て一人一人に声を掛けていきました。いい姿勢を保つことの重要性を繰り返し話していたほか、腕の振り方、脚の踏み込み方について、それぞれ大事なポイントを話しました。

 第二部では、協会のコーチからの問いに答える対談形式で、自らの陸上のキャリアを振り返りながら、子供たちに挑戦していく中で自分を知って欲しいというメッセージを伝えました。

 中学校の部活で陸上を始めたこと。100mから混成競技(1人の競技者が走る、跳ぶ、投げるなど多種目を行い、その合計得点を競う)に転向し、自分で考えていろいろな挑戦をするうちに面白くなっていったこと。高校に入って、八種競技の中で得意だったハードルと400mを合わせた400mハードルに絞ったこと。苦手なことを楽しんでやるための工夫のほか、大学時代に周囲の人にアドバイスを聞きまくって吸収した結果、日本代表に手が届く成績を残せたことなどを語りました。

 子供たちは熱心に聞き、走り方について「無意識に手が開いてしまうのは、どうしたらいいのか?」「どんなふうに休憩すればいい?」など活発に質問が出ました。締めくくりとして舘野は、先生からの助言で混成競技に転向し、あらゆることに挑戦する中で、得意なことや苦手なことがわかって成長していった経験から「怖がらずに、挑戦してほしい」と改めて伝え、笑顔でイベントを終えました。