ロシアW杯を通じて、スポーツを多様な視点で見る楽しさを感じる~Criacao Athlete College Vol.22~

アスリート、ビジネスパーソン、教員、学生…様々なフィールドで活躍されている方々が混ざり合い、学び合う事によって、それぞれが新しい価値を創造していくことを目的として開催している Criacao Athlete College

22回目となるアスリートカレッジの講師は、サッカー日本代表のキャプテンを務め、現役引退後は指導者としても活動された経歴を持つ、森岡隆三さんです。ご自身も選手時代に日韓W杯で活躍され、現在は監督や解説者として様々な視点からサッカーを捉えている森岡さんには、今年のロシアW杯から考える『スポーツを多様な視点で見る楽しさ』についてお話しいただきました。

経歴
桐蔭学園高校出身。
高校卒業後、J1の名門、鹿島アントラーズに入団。
清水エスパルスへの移籍を経て、日本代表に選出。
2002年初の自国開催となった日韓W杯時の日本代表のキャプテンを務め、史上初の決勝トーナメント進出を果たした。
W杯後もキャプテンとして京都サンガFCをJ1に昇格させるなど、活躍し、2008年、現役を引退した。
引退後は指導者としての道を歩み、Jリーグガイナーレ鳥取の監督も務めた。
現在は指導だけでなく、解説やニュース番組でのコメンテーターなど幅広く活躍中。
(株)Criacaoのパートナーとしても活動中。

ロシアW杯を通じて、スポーツを多様な視点でみる楽しさを感じる

森岡さんは、日韓W杯で日本代表のキャプテンとして活躍されました。その後、監督としてマネジメントの視点を持ったり、解説者として俯瞰してサッカーを見てみたりと、沢山の視点を持っておられる方です。森岡さんはW杯の中継解説のためにW杯の全試合をみたそうです。今回はそうした中で見えてきたことについて、森岡さんの視点から、W杯についての再考を行います。

ディスカッション

まず、参加者でW杯についてどのような印象があったか、ディスカッションを行いました。白熱し、さまざまな意見が出ていた中で、日本代表のポーランド戦での戦い方について意見が集まっていました。

肯定的な立場に立つと、海外でも点差がついた時に勝っているチームがボールを保持し続け、失点のリスクを回避することは多々あるといいます。自陣でゆっくりボールを回しているから、露骨に見えたかもしれないのですが、攻めながらやるのは海外でもあることだそうです。森岡さんは、「大切なのはその是非だけではなく、日本でそのような議論が行われるようになったことだ」といいます。

W杯で解説をするために行った先は、どこに行ってもブルーのユニフォームを着ている人ばかりのホテルだったそうです。全然スポーツに興味がなさそうな20代がラーメン屋でポーランド戦の話をしていたことから、サッカーが日本の文化になってきたことを感じたといいます。サッカーは芸術であり、芸術は人の心を豊かにするもの。その状態に近づいてきている、ということを感じたそうです。

キーワードから見る日本代表の戦い

『個』
全員の個のレベルが世界で戦えるところまで達していた。

今回のW杯は、直前に監督が変わって、組織としての積み上げはほぼなかった状態でした。そんな中、西野監督は『受け身にならないサッカー』を掲げ、選手もその言葉を口にしていました。その結果、積極的に自分達からアクションを起こし、初戦開始早々でPKを取り、予選リーグを突破することができました。乾選手のドリブルであったり、昌子選手が技術の部分で世界のプレイヤーを抑えていたりもそうですが、さらにコミュニケーションも良かったことがあげられます。お互いがお互いを理解しあう協調性をもってやれたことは、海外クラブに多くのメンバーがいる良さと言えるでしょう。

個のあり方。1人だけでは戦えない試合

この点に関しては、世界と日本で対照的な示唆を得ることができました。世界の現代サッカーで、突出した個といえば、間違いなくメッシ。彼を、組織がどのように止めに行こうとしたかを、アイスランドでは見ることができました。アイスランドを、メッシが一人で突破できなかったことから、スーパースターと組織の価値が見直されたといえます。翻って日本では、前回厳しい局面を打開できなかった個が着実にレベルアップしていることがわかりました。どちらが正しい、ではなく、両方の視点から見ることが大切です。

『組織』
いい空気がいいチームを作る

勝ったからいい空気になるのではなく、いい空気先行でそれが勝利になるのが理想のチームです。いま、町田ゼルビア(予算規模はリーグの中でも大きくないが、昇格争いをしている)では、「チームが一つの生き物のように喜びを共有している」と現役のサッカー選手からも声が上がっていました。ガンバ大阪を長谷川健太さん(現FC東京)が率いていた時に、指導者としての勉強のために、森岡さんがピッチ内だけでなくチームに張り付かせてもらい、様々な場面を見学させて頂いたそうです。その時、選手やピッチにいるスタッフだけでなくピッチ外のフロントスタッフの目も輝いていていい緊張感がありました。「人を見て仕事をしない。胸にソニーをつけるという野望がある」と言っていたとか。それは、パナソニックのライバル会社がつけさせてくださいというような素晴らしいチームになる、という意思表示でした。そして、ガンバはその年に三冠をとりました。

組織の成功循環モデルを考えた時に、『関係⇨思考⇨行動⇨結果』の順がグッドサイクルです。

これなら、悪い結果が出ても、関係の質で巻き戻すことができるから。しかし、関係を結果に依存してしまう順番にすると、結果をいつまでも引きずってしまうということが起きるのです。

監督の役割とキャプテンの役割

優勝したフランス監督のデシャンは森岡さんが現役の時に対戦経験もあり、身長は小さいのに存在が大きな選手でした。そしてキャプテンとしては、監督が求めているベクトルへ率先して行動をして、みんなを同じベクトルにのせるのが上手な選手でした。監督に立つと、ジルーなどのやんちゃと言われていた選手が特色を活かしつつ、エゴイスティックにならないように、うまくコントロールをしていました。

日本について考えます。ハリルは解任されたものの、W杯に出場させることができました。同じ監督業としてはとても羨ましいことです。結果を出す監督は素晴らしいからです。しかし、いろいろなところから聞いてもいい話が全く入ってこなかったそうです。ハリル時代の日本代表はみていてつまらなかったという声がよく聞かれます。それは選手にも現れており、その頃の選手の顔は試合中も曇ったものでした。監督が変わり、解き放たれた時に気持ちよくプレーしていたのを見て、監督業の醍醐味はここにあるんだろうと思ったそうです。

日本代表の長谷部選手については、「日本代表キャプテン」という同じくくりにするのが申し訳ないくらいのキャプテンだと語られていました。チームの中でいいプレー、悪いプレーの基準を監督がつくった時、それを具現化した選手でした。ポーランド戦の物議を醸したプレーは、プレーの中でいきなり始まったら混乱する選手が必ず出るものです。もし誰かが混乱して、後ろから追いかけてラフプレーをし、イエローカードをもらったら決勝トーナメントには出ることはできませんでした。そこを途中から入って、チームをまとめた長谷部選手の功績は大きいと言えます。

端的にまとめると
『絶対を求めた⇨ハリル監督』
『納得を求めた⇨西野監督』
となるでしょうか。

森岡さん自身は、キャプテンを務めたトルシエ監督時代、監督と喧嘩をすることが多かったそうです。トルシエは、エキセントリックではあるものの、日本人をリスペクトしつつ分かっている監督でした。「日本人は下手だから頭を使ってプレーしろ」と言いつつ、その上で、もっと自分を出すことを求めていました。その方針から、「よく言われる協調性はいらない、協調性を履き違えるな」ということを常日頃から言っており、森岡さん自身、スパイクを投げつけたこともあるそうなのですが、そんなことを受け止めてくれた監督でした。日本では、監督と選手は、先生と生徒・上司と部下の関係だと思われてしまいますが、海外では、いい仕事をしたかったらぶつかり合おうという姿勢が求められます。長い遠征の時などに、みんなが弱っている時には、わざと監督に話しに行くこともあったそうです。それは、言われるよりこっちから言ったほうがいいという考え方からでした。キャプテンと監督というのはある意味不可分なものだと考えます。その上で長谷部選手のように監督が変わってもキャプテンでいつづけるのはすごいことです。

『個と組織』
協調と競争のバランス

チームスポーツにおいて、『いいパスを出せばいいパスが返ってくる』というのは大切な考えです。それは、協調と競争のバランスの中で得られるものなのです。幼少期から、自分は技術が高いのだと考えていましたが、試合に出れないというときはあります。例えば、鹿島に入った時に、練習やらないまま三ヶ月リタイアすることになって同期が活躍するのに嫉妬していました。しかし、変な心でいると必ず自分に返ってくるものです。どうせ試合には呼ばれないと、すごく気が抜いていたら、準公式戦でいきなり出され、悪いプレーをして、2-0で勝っていたのが2-3にひっくり返されて負けたことがあったそうです。どんな時でも、個の準備を怠っては組織をダメにすると感じた瞬間だったように語られていました。今回の日本代表は、組織と個がいいバランスになっていたと言います。例えば、本田選手は、悔しい場面も多かったと思いますが、それでも誰かが点をとったら一番に出てきました。フランス代表もそうです。サブの選手がよろこんですごく跳んでいる写真がありました。日本にいると組織の視点が強くて、個を消そうとするが、その認識は違っています。組織は個を活かすためのものなのです。今回の日本代表はそこがよくできていたので、いい結果に繋がったと分析されていました。

いつも通りのレベルをあげていく

常にゲームの想定で、判断であったりのレベルを上げて行くことが大切です。
例えば、失点について考える時に『①GK ②DF ③MF ④FW』の順で分析するのが一般だが、森岡さんは逆で、ゴールから一番遠いところから分析します。対処療法ではなく、予防療法ということです。

同じような状況にGKがなることは少ないから、合理的だと言えます。スターバックスやディズニーはまさにこれができている企業です。接客という遠うものから、100%正しいと分かっていてもむずかしいことを徹底して、サービスを向上させています。森岡さんは選手の頃はボールばかり見ていたが、指導者になったらボールから最も遠い人を見るようになったという変化に気づいたと言います。そういう人たちのプレーをきちんと見ていて、褒めてあげて、いいプレーの基準をつくることが監督として大切なことになるそうです。メンバーについて、北京世代が多かったのは、森岡さん個人的に嬉しかったそうです。それは、それぞれが北京からステップアップして、南アフリカで活躍して、最強と言われてブラジルで辛酸をなめてそれからさらにステップアップしてみせたリバウンドメンタリティに感服するからだそうです。日本のサッカー界も成長しているのだと言います。奥寺さん、中田などパイオニアとしてのポジティブなチャレンジ精神の連鎖がいまになって実ってきており、海外でなくてもJリーグを身近で見て、高校生はさらにチャレンジしていきます。そうしたいい循環ができているのです。

パネルディスカッション

後半は、本田圭佑選手のビジネスパートナーを長年している鈴木良介さんを交えて、パネルディスカッション形式で進んでいきました。
まずは、先のW杯における本田圭佑選手の視点について、鈴木さんからお話がありました。

鈴木さん

「一般に北京世代と言われるのは、五人の選手です。南アフリカの時の本田選手は、自分の夢で無我夢中だったそうです。そして、ブラジルでは期待を背負ってすごいプレッシャーを感じておりとてもピリピリしていたといいます。他愛のない話をしても、仕事の話をしても気が立っていて、気づいたら予選を敗退していた。今回のW杯がうまくいった理由は、5人がピッチ内と外にいたことだそうです。すると、次に何が起こるか、ベンチでもピッチ内でも予測ができ、そのためにチームが一丸となれたそうです。普段は責任を負うタイプの本田選手なのですが、今回はすごく楽しかったと言っていました。一つの目標に一丸となって結果が出たのは初めてだったと言います。本田選手は、ミランの時にすごく苦労したのですが、いろいろな選手とコミュニケーションがとりたいから毎日イタリア語を勉強することを欠かしませんでした。海外では、言語が違い、更に自分よりもすごいキャリアの選手と話していかないといけません。そうした環境に身を置く選手が増える中で、コミュニケーションスキルが上がり、いま素晴らしい選手が集まっているのです。」

今回のW杯では、ダイバーシティ&インクルージョンがうまくいって、代表内でいい雰囲気ができていたのだそうです。

森岡さん

「いい空気がいいチームをつくるというのは分かっていても、どうやったらいい空気が作れるか、のアクションの落とし込みは難しいです。それをするのが、リーダーなのか、監督なのかもチームにより異なることもあります。ここにいていいという安心を与えてあげることが、その役割になるのです。スポーツを楽しむことが根源にないといけないのに、日本人はやらされているようなことが多いと思います。

監督業をやって、一番パワーを使うのは開幕前の七週間。いいプレーとわるいプレーの基準こそがチームの哲学。ここで色をだして、いい雰囲気を作ることが大切です。トレーニングでもなんでも、自分たちのチームだけの共通の言葉を作ることを実際にしたそうです。例えば、私はいいボールタッチの基準として、「相手がボールの文字をよめるように」というのをチーム内に浸透させました。また選手という立場で、監督として外国人が来た時を考えます。やってくる違和感はは非常識ではなく、異常識です。すべきことは、彼が納得するために勉強をすることです。外国人が日本人に対して殻をやぶるようなプレーを求めることを、自分でも活かすことができれば強みになります。」

鈴木さん
「先日、本田選手は新しくテクノロジーの会社を立ち上げたのですが、エンジニアチームのことがわからないから、コミュニケーションミスがとても起きています。頑張ってもらっているのに、世には出せないものができてしまっている状態です。それを改善するために、一週間70時間本田圭佑選手はプログラミングを勉強しました。本田選手の行動はチームのメンバーにとって、とても嬉しいものでした。チームをつくる時に相手を知ろうとすることはとても大切です」

森岡さん
「本田選手の場合とは違って、サッカーチームの監督業は自分がいるから来たというばかりではないメンバーに、自分の色を出さなくてはいけないから大変。自分が選手時代に覚えているミーティングは何百試合出ていて10はないし、さらにサッカーのことで覚えていることはほぼないのです。長谷川健太さんが一回やっていた「今日のテーマは強か」 と書き、「強か」について読み方を聞いてきたようなミーティングは忘れないものですが。(笑)(ちなみに“したたか”と読みます。)自分が言ったことが、そこまで届いていないという気持ちでそもそもいて、いい意味でがっかりしないようにしています。相手の目線にはいることも必要なことです。監督として、個人のベクトルに寄り添うことが自分の仕事だと考えています」

次に、育成という観点から、日本がより上にいくにはどんなことが必要かというテーマについて考えます。

森岡さん
「日本の高校世代は、高体連(勝利至上主義)とユース(過保護)の二つに別れています。過保護の問題は、プレーの判断を奪うことです。転ぶ前に助けると、痛みを覚えることができず学びが少なくなってしまいます。逆に、勝利至上主義の問題としては、日大タックルに代表されるようなことがあります。自分自身は、高体連に所属しながら勝利至上主義ではなかったのですが。勝利至上主義の結果として、体罰だったりとか、悲しいことが起きてしまっています。」

判断を奪わないようにするには?

森岡さん
「スペインのサッカーの育成には哲学があります。美しいサッカーに見えるが、現場では勝利至上主義が徹底されている。勝つために、判断を奪うのではなく、とことん考えさせる。先に答えを与えるのではなく、少しヒントを与えることで過保護も脱却できます」

鈴木さん
「判断というところ育成において大きなウェイトを占める観点です。イングランドでU12のライセンスを取ったのですが、そこでは、子供をすごくリスペクトしていました。イングランドでは、コーチが中に入ってデモンストレーションを行なうことはありません。それを見た子供が、それが正解だと思ってしまい、子供の発想を奪うことを恐れているからです。他にも、親の入れないリスペクトゾーンがあったり、審判の判断で、子供の判断を奪うヤジの多い試合を没収とすることができたりします。ドイツでは子供の試合にはレフェリーを付けず、自分たちで考えさせます。」

森岡さん
「一方アメリカでは親の主張が強い。それでも、自分の子供だけでなく、全選手にいうから、子供がたくましくて、誰に何を言われてもまったくめげません。コーチも中にはいってしまうくらい熱くなっているのですが(笑)そして試合後には、必ず親は子供にハグをします。そういうメンタリティーの作り方もあるのかもしれません。日本人は判断の質が低いと、よく言われます。それは、育成年代の監督をやっていても実感しました。日本はモデルがあったら、育成年代でもジュニアでも、指導者が勉強したことをやらせたがり、その結果それしかできなくなって応用が効かなくなっています。ドリブル教室も決して悪くはないし、自分の子供も通っているのですが、なんのためにするのかが大切です。結果が出てない時は、手段を目的にして頼りたくなるが、そこを履き違えてはいけないのです」

鈴木さん
「日本の教育では、先生や大人が強すぎて、子供はそれを信じています。海外では、なにかやることにたいして質問をしてきます。これにより子供は指導者から学びを得ることができます。同じプレーをし続けることができることは日本人のよさかもしれないが、それでは、指導者側が成長できない。指導者も、何のためにやるかをきちんと説明しないといけないと思います」

日本人の強みは?

森岡さん
「勤勉性というのは、一つ大きなキーワード。だが、日本人の中にもいろいろな選手がいます。将棋のように、うまく掛け合わせていき、それぞれのキャラがある中で自分が得意なものを伸ばしていくことが大切です。また、モノマネ上手というのもあります。それは、徹底的にやり込めばいい。監督が毎回違うカラーで、いいとこ取りがきちんとできていているのは素晴らしいことです。選手の好奇心が旺盛であることが、いい結果をもたらしています」

鈴木さん
「間違いなく、他の国に比べると規律があります。中国人は全く規律がないです。国が教えていないし、一人っ子政策の関係で過保護になっていて、子供は人の話を聞かないし、片付けもできなくなっています。そういう国の人々は日本の規律を学びに来るのです。日本人はその規律を武器に、監督の言うことを理解するので海外でも重宝されます」

まとめ

森岡さん
「個人としてプレイヤーの頃から心がけていたのが『エンブレムを外した時に生きていけるか』ということでした。世の中で生きていけるか?家族を養えるか?それは力がないとできないことです。技量だけでなく、コミュニケーションなども含めての力です。元日本代表という肩書き、さらにいうと、サッカー選手という肩書きをとられても生きていける人でいたいと考えています。組織をまとめるのは仕事として当たり前だが、そこに集中していると個のことを忘れてしまう。今、自分が関わる人たちは、個がしっかりしている人たちです。そういう仲間を見習いながら、一緒に生きていきたいと考えています」

鈴木さん
「本田選手はいつも通りのレベルがとても高い選手です。自分とやるときでも、120%の力を出して向き合ってきます。だから、W杯のピッチに立っても、練習と同じなのです。勝手に周りが浮き足立ってくれるから、自分はいつもと同じプレーをしているだけで、普段にないラッキーが生まれてくるのです。本田選手は何かするときに、三木谷さんなら。イーロンマスクなら。と考えます。そういう視点はいろいろな場面で必要になってくるでしょう」


今回のCACでは、W杯を題材にサッカーの価値であったり、そこに携わる監督、キャプテン、プレイヤーそれぞれの立場に求められることであったりのお話がありました。参加者にはサッカーを第一線でプレーしている人から、本当に見たこともない人までいました。そういった人たちが混じり合って意見を言い、一緒に勉強する姿に、森岡さんがおっしゃっていた「サッカーが文化になっている」証拠の一端を見た気がしました。