Criacao Bussiness College(CBC) Vol.12

今日は7月13日に行われました、 Criacao Bussiness College(CBC) についてレポートさせていただきます!

■1.目的

CBCは入社1年目から5年目の若手ビジネスパーソンを対象とした勉強の場となっており、以下を大切にしています。

  • 第一線で活躍しているビジネスパーソンと 直接対話 すること。
  •  モデルケース による理解
  • 参加した 他業種の同世代 のつながり(Criacaoならではのスポーツの色も含め)

■2.講師紹介

今回の講師は、弊社CEOの丸山が担当させていただきました。
maruyama

講師経歴
2006年3月立教大学経済学部経営学科卒業。 2006年4月伊藤忠商事株式会社入社。食料カンパニー食品流通部門にて7年間営業として、メーカー販売代理店営業、商品開発、新規事業等に携わる。2013年3月に同社退職。 2013年4月当社創業。

■3.講演のテーマ

今回のテーマは、 ロジカルシンキングとアナロジー思考 でした。
ゴールとしては、明日からのビジネスの見え方が変わること。
具体的には、社会の仕組みを理解して仕事に取り組む他者理解の姿勢を獲得し、他業界や他社のビジネスと自分のビジネスをつなげていく人材となるきっかけとなることです。
1~5年目は、自分らしくビジネスに本気で向き合うので精一杯の時期ではあるものの、そこであえて視点を変えてみることが今回のゴールでした。

■4.講演内容

三つのグループワークとその合間に講義パートを挟みこむ形で進みました。

一つ目のワークは、『ワールドカップについて自由に話してみる』
というアイスブレイクでした。
ワールドカップについてはいろんな意見が出そうということが容易に想像されますが、一通りアイスブレイクが終わった後、丸山はそれを四種類に分解しています。

  • サッカーに縁がある
  • スポーツに縁がある
  • スポーツに縁がない
  • そもそも興味がない
自分はこの中のどのポジションでどのような話をするでしょうか?またそれぞれの立場の人はどのような話をするでしょうか?お時間のある方はぜひすこし考えてみてください。

『他者理解』の第一歩として、盛り上がるワークでした。

丸山はまとめとして、

  • 自分に関係が近い話︎→専門的だが視野が限定
  • 自分と関係が浅い話︎→俯瞰的であったり新しい視点であったりするが浅い情報になりがちという仮説を立てていました。
これはサッカーだけでなく当てはまる話かもしれません。
世界のトップコンサルに必要な能力はどんなことにも自分のことのように興味を持つこと、という話もありました。何事に対しても自分なりの働きかけをしていけるという自信と能動性が社会人になって大切になるのだろうと思います。

二つ目は、構造分析とロジカルシンキングについてのワークでした。
そのワークに入る前に丸山自身のフレッシュな時代の経験の話がありました。

仕事を始めてすぐの頃は、顧客訪問を五分で帰らされていました。
商社の営業では、商社の肩書きでクライアントである食品メーカーの役職者に会えることがあります。一見魅力的ですが看板だけの新人が業界の玄人に会いに行くということ。お互いの立場も知識も異なりすぎて話すことができるものがないために訪問してもすぐに帰されていました。
そこで丸山が価値を出すためにしたのは、朝一で日経新聞を端から端まで読んで相手が知らない情報を鮮度感を売りに、持っていくことでした。
丸山が相手が知らないことを伝えると、相手はその裏の業界事情を教えてくれたといいます。その情報をもって次の会社にいって話すとまたその裏の話が聞ける。
その営業を繰り返した結果、よく勉強している面白い男という評判が立ちました。そこから信頼関係を勝ち得て、色々なことがうまく回り始めたそうです。

さて、本題に戻ります。

・自社、業界理解の成熟に伴う、既存ビジネスでの成果というのは
➡︎ロジカルシンキング、構造化によって更に再現性が高まった、ということが語られていました。

今度は丸山が入社4-5年目の時の話です。

某食品メーカーの販売代理店ビジネス獲得に向けた提案についてです。
丸山がこの案件を引き継いだ時、某メーカーは商品数が少なく営業がシンプルであることから、営業を外注して、自分たちは違う領域に特化すればいいのでは、という仮説があることを前任者から聞いていました。
さて、業績向上ということを考えたときに、手段は売り上げをあげるかコストを削減することしかありません。 この観点でロジックツリーを作るときに登場するのが MECE という考え方です。

MECEとは、
Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive』の略称で、日本語では「もれなく、重複なく」というように訳されます。

詳細は省略しますが、実際に丸山が作った顧客分析のためのロジックツリーが当日は示されてそれに対する説明がありました。
お客さんにヒアリングすることを出発点に、問題意識をなるべく分解していって、さまざまな方策を探り、お客さんにいわれた点の課題だけ解決する点のアプローチではなく、

  • ロジカルなフレームワークでの顧客課題整理、可視化による顧客の潜在ニーズの掘り起こし
  • それに加えてこちらが付加価値高く提案できる商材の提示
をすることによる、面のアプローチが有効でした。

その後、自分の仕事についてのロジックツリーを作ってみて共有しようというワークを実施しました。

最後は、専門性と俯瞰思考を掛け合わせたAnalogy思考についての話でした。

今度は丸山が5-7年目の話です。

新規事業の立ち上げを任されていた丸山は、商品開発プロジェクトに携わるようになりました。
時代背景として原料価格が上がって、メーカーが値上げをしていくなか、スーパーが商社と組んでプライベートブランドを展開し、価格を抑えようとし始めた頃でした。
プライベートブランドに関しては、欧米が発達しているのに比べて、日本はまだまだの段階であり、そこの展開に取り組むという仕事でした。

いざ取り掛かって直面した困難は、利害関係者が多いことでした。
一方の言うことを聞くと他方に不利益になり、調整が難しいのです。
伝達も伊藤忠商事中心なので、各利害関係者の横のコミュニケーションがとれていなかったといいます。

この状況に対して、丸山が考えたことはこのように、多数の利害調整を行わなくてはいけない部門は身近にないか、ということでした。そこで目を付けたのが、商社のプラント部隊のビジネスモデルだったといいます。

そこの部隊にアポイントを取り、ヒアリングをさせてもらう中で、気づきを得たとのことでした。

大切だったのは、複数の利害関係者の共通の目的を決めて、仲間意識を持つことでした。
共通の目的は疑いようもなく売り上げが上がることであり、個別最適を求めることは非効率である、といいます。
丸山が所属していた、食品の部隊にはそういった利害調整のノウハウはあまりありませんでした。しかし、総合商社は社内にそういうモデルをたくさん持っていることが強みであり、その中で学びを得て状況を打開することができたそうです。

アナロジーで成功した例はたくさんあるといいます。例えば、
ヒゲそり➡︎コピー機➡︎コーヒーマシーン(ハードで稼ぐのではなく、ソフトで稼ぐ(替刃ビジネス))
TVのCM➡︎フリーペーパー➡︎デジタル媒体 ホットペッパー、じゃらん(人が集まるところに広告)
Apple Music ➡︎ Microsoft office365➡︎amazon prime(サブスクリプションモデル)

ワークは実際に、自分の仕事をアナロジー思考で考えてみようというものでした。
アナロジー思考の大前提として、自らの仕事について深く理解していることが必要です。
この意味でアナロジー思考は自分のフィールドをないがしろにすることではなく、むしろ地盤を固めたうえで高くジャンプして、他の視点を得ることでさらにMECEを達成し、成功へと近づくことになります。

講義風景

■5.まとめ

自社ビジネスの突き詰め、専門性を高めながら、ロジカルシンキング等を用いて構造的にビジネスを理解することで、再現性ある力を獲得できると考えています。
一つの部門でなんとなくできてしまう人は確かにいますが、それには再現性がなくほかの部署に行ったときに活躍できない人材となってしまう恐れがあります。
いつも、目的に対してほかの手段を使ってもよいということを頭に入れた状態で、構造的にビジネスを理解することが一つのポイントであると考えています。

また、最近はグノシーやNewspicksなどのサービスが自分の思考に近い情報を連れてきてくれます。これにも当然メリット、デメリットがあるため、自社から遠い情報にもアンテナをはり、アナロジー思考を用いて、ほかの人には出せない価値を創出できるビジネス人材になれたらとてもいいことだと思います。
あえて、自分から遠い情報こそ価値がある、と考え、相対化していくなか、比較していく中で自分の立ち位置を理解していくことが重要です。

次回CBCのお知らせ
〈日程〉
  • Vol13 第1回:8月22日(水) 20:00-22:00@新宿(株式会社アセットリードセミナールーム)
  • Vol13 第2回:8月28日(火) 20:00-22:00@新宿(株式会社アセットリードセミナールーム)

〈講師〉
中村俊一
株式会社リアライブ
中途採用支援事業部 、人事、広報部 責任者

〈演題〉
働くを理解すると、明日はもっと働きたくなる。

〈概略〉
世の中には疲れたサラリーマンもいれば、熱量高く仕事をするサラリーマンもいます。この2人の違いは何か?もちろん各個人の能力・所属する会社の影響度もありますが、最も大きな影響度を与えるのは「仕事の構造理解度」になります。実は80%以上の社会人が働くことのルールや構造を理解しないまま仕事をしています。セミナーを通じて、今日から仕事構造を理解できる20%になる。明日はもっと働きたくなる!をみなさんと一緒に実現していきます。

〈経歴〉
2007年オーストラリア国立大学卒業
2008年リクルート入社
2012年MBA(クイーンズランド大学)
2014年マイナビ入社
2016年リアライブ入社

〈オススメ本〉
お金2・0
成人発達理論による能力の成長
Ai vs 教科書が読めない子供達

〈ブログ〉
http://againstthecurrent.work